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通信容量ではなく速度で選ぶmineoの使い放題プラン「マイそく」にみるMVNOの生き残り戦略

2022.04.26

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、mineo「マイそく」とahamo「大盛り」について話し合っていきます。

※新型コロナウイルス感染拡大対策を行っております

1.5Mbps、3Mbpsで使い放題! でも通信速度の感覚がわからない?

房野氏:mineoが、速度を条件とする料金プラン「マイそく」を発表しました。最大1.5Mbpsで使い放題の「スタンダード」が月額990円、最大3Mbpsで使い放題の「プレミアム」が月額2200円です。今までにない視点ですね。

房野氏

石野氏:今までのMVNOは2GBとか4GBとか容量で区切っていたのを、mineoの「マイそく」は速度で区切った。NUROモバイルなど、時間で区切ったところもありますが、速度で区切ってきたというのが新しい。

石野氏

石川氏:昼間は遅いというMVNOの弱点をうまく跳ね返しているというか、うまいこと利用したなと感じます。昼間の時間帯にスマホをあまり使えない人もいるし、Wi-Fiで利用するという人も多いので、そういう人にはマッチするだろうなと。MVNOはなかなか大変そうな感じもしますけども、まだまだ創意工夫の余地があるんだなと思いました。

石川氏

石野氏:ただし、3Mbpsプランがちょっと高いなという感じがしている。

石川氏:月額2200円。

石野氏:これだったら、多少制約があってもフルスピードが出るahamoとかに行っちゃうかなって気がしました。あのくらいの価格帯になってくると速度も欲しくなってくる。3Mbpsだと速度が足りない感じがする。

石川氏:1.5Mbpsで行くか、3Mbps必要なのか、使ってみないとわからないですよね。そこは悩ましいところだよね。

石野氏:そうですねぇ。月額990円で1.5Mbpsのプランは安いと思うんですけど、1.5Mbpsでどれくらい使えるのかと。ギガバイトよりわかりにくいというか、紹介の仕方がちょっと大変そうかなと思いました。

石川氏:ちゃんとそのスピードが出るのかというのもね。

石野氏:でも、面白いなと思います。

法林氏:今までにないプラン。いいと思ったけど、問題はユーザーにそれをちゃんと理解してもらえるかどうか。一番しんどいところではないかと思う。mineoはMVNOの中では、説明できている方だと思うけど。

法林氏

石川氏:この前、ラジオ(ラジオNIKKEI「石川温のスマホNo.1メディア」)の収録で、mineoを提供しているオプテージの福留康和さんに来てもらったんですけど、もうすでに7000人の契約者がいると(3月下旬時点)。年間4万契約ぐらいを目標にしているけど、すでに7000契約になっているので、かなり反響はあったようです。

房野氏:容量区切りの「マイピタ」の1GBプラン(月額1298円)より、マイそくの1.5Mbpsの方が安いんですね。

石川氏:MVNOは昼間に突出してトラフィックが多くなるので、MVNOの経営の課題は、いかに平準化させていくことというか、昼間以外のトラフィックをいかに上げるかが重要です。IIJは法人向けサービスをやっていて、IoTや監視カメラとかで昼間以外のARPUを上げている。そうやって平準化してつながりやすくしている。mineoもそういった状況を作りつつあるのかなと。mineoは約120万契約で、現状でマイそくは7000契約だけど、もっともっと増えてくればトラフィックが平準化するので、経営が安定していくかもしれない。

石野氏:強引に昼間1時間のトラフィックを減らそうとしている感じもしますけどね(笑)

房野氏:平日12時から13時のランチタイムは32kbpsですが、32kbpsってどれくらいの速さなんだろうと考えてしまいました。

法林氏:みんな体験したじゃないですか。昔、DDIポケット(現ソフトバンク)「AirH"(エアーエッジ)」が32kbpsでしたよ。

房野氏:なるほど、そうでしたね。でも、もう思い出せません。

石野氏:画像をダウンロードしようとすると、ちょっとずつしか見られなかった。

石川氏:当時、ファイルサイズが小さかったにも関わらず遅かった。

法林氏:扱っているデータがそもそも、そんなに大きくなかった。当時、(パソコンの画面が)VGAですからね。VGAの画像を送れたらすごかった。メールに添付するのも、そんな世界だった。基本的に速度×時間でデータ量が見えてくるので、そこをうまく活かす方法としては、マイそくもアリ。昔からある手法ではあるので、良かったと思いますけど。そうしていかないと、MVNOはこれから商売がしんどくなるので。話は結局、総務省の指針に寄るってことになっちゃうので、MVNOをどうやって生かしていくかは考えなきゃいけない。

MVNOは安さ以外の工夫にも期待

石野氏:容量で区切っていると安くなる一方になっちゃう。日本通信が1GB290円のプランを出していますけど……。

石川氏:あれでどうやって儲けるんだろう。

石野氏:そうですよね。ここまで低価格化が進んでしまうと、もうちょっと違う切り口で、少しでも単価を上げる工夫を考えないといけないんだろうなと思う。MVNOは安くする、安くするって言っているんですけど、安くすることばっかり考えるのではなくて、もうちょっと自分たちが儲けることを考えないと、持続可能性がなくなっちゃうと思う。あまり良くないなと思う。もう少し、儲けを考えていいんじゃないかと。

石川氏:IIJだって、一応、契約者は増えているかもしれないけど、収入はがた落ち。ああいうのを見ると、料金値下げの余波があるなと。

法林氏:決算を見るとしんどいのがよくわかる。いろいろな企業や団体がMVNO事業に「ウチもやります!」と手を上げて、参入して、儲かる(儲けられる)話にしていかないと、結局、MNO3社プラス1社、3社のサブブランド、オンライン専用ブランド、BIGLOBEなどキャリアが支えるMVNO、その辺りしか生き残れなくなってしまう。それじゃ競争原理が働かないんだけど、今のところ、それらしか勝ち残れそうに見えないよね。

石野氏:mineoも独立系MVNOと言われていますけど、オプテージ(mineoの事業会社)って関西電力が100%出資していて、売上高2600億円(2021年3月期)を超す大企業じゃないですか。

法林氏:立派な電気通信事業者ですから。

石川氏:光回線もやっていて、そのおまけみたいなもの。

石野氏:そうなんですよね。

法林氏:関西エリアではNTTグループよりも光回線では強いと言われている会社ですからね。

石野氏:今、残っているMVNOって、大企業を背景に持つサービスがほとんどじゃないですか。OCN モバイル ONE(NTTコミュニケーションズ)は当然そうですし。

法林氏:僕は契約を今してないので、内容的にどうかわからないけど、ちょっと面白いなと思ってたのはイオンモバイル。以前から期待していたWAONポイントのキャンペーンをはじめた。ああいう風に流通系がもうちょっと絡んでくると面白い。つまり、クレジットカードと同じようになってくればいいんですよ。例えば「“Amazon MVNO”を契約するとプライム会員の会費が無料。だったら入ろう」みたいなことになってくると面白いんだけど、なかなかそういう話が出てこない。

石川氏:そういったものと組み合わせるか、もう1つ、5Gスマホが普及して、データをたくさん使う人は使い放題プランに乗り換えてくるけど、「やっぱりMNOは高いよ」となる人もいるはず。「だったら10GBくらいの安い料金プランをMVNOで契約しよう」となってくれるといいのかなと。やっぱりMNO各社は、オンライン専用プランにそこまでやる気になっていない気がするというか。むしろ、使い放題プランにシフトさせるような気がする。

ahamoの「大盛り」はエコノミーMVNOに遠慮した?

法林氏:2021年2月にahamoが発表された時、3000円弱で20GB使えるのは、当時としては安かった。でも、ahamoがスタートして1年の間に、他社がものすごく攻めてきた。povoは2.0になったし、LINEMOはLINEモバイルから移行させなくてはいけないので、900円のプランが必要になった。それに対してahamoは動きが鈍い。何もしていなかった。

房野氏:そのahamoが発表した新プランは「大盛り」でしたね。80GB1980円の「大盛りオプション」を追加すると、100GB4950円で使えます。5分以内の国内通話も無料です。

法林氏:あまりにもつまらない内容で、ちょっと拍子抜け。

房野氏:あら、そうですか。

法林氏:500円前後のプランはエコノミーMVNOと被るから、やらないのはわかるけど、1000円クラスもやらないのかって感じ。「アフターコロナでデータ通信量が増えることを見越した判断」くらいのことは言うのかと思ったけど、それもなかったし。

石野氏:ギガホの割引適用時と価格帯が被りすぎていて、本当にニーズがあるのかなぁとちょっと疑問でした。使い放題にしなかったのも思い切りが足りないというか、いつものドコモっぽい。

房野氏:5Gギガホ プレミアで割引をがっつり適用されている人にしたら、変える必要はないですね

石川氏:平均のデータ利用量が少ないとされるドコモの場合、3GB990円をやっちゃうと大幅減収につながりかねないので、ahamoではやれないのかも。エコノミーMVNOという壁を作って、他社にユーザーが大量に移行しないようにしている感じ。キャリアとして、通信料収入を上げる方向に持って行きたいのは理解できるけど、ユーザーのニーズを満たしているかは微妙かも。ドコモとしては、家族は既存プランで囲い込みつつ、弱いとされる「単身者向け」というahamoのコンセプトはキープした感じ。

それから、ahamoの最初の発表会でプレゼンした若者男女コンビはどこにいったのかな。今回の発表会には登壇しなかった。

法林氏:確かに、そうだね。

石野氏:若者が考えたというコンセプトはぶれてる(笑)

法林氏:まあ、あの時は若い人のプレゼンにケチつけたから、あまり厳しいことは言えないけど、今回は単なる実務的な料金プランの説明でしかなかった気がする。

房野氏:ごくごく普通の説明会でした。ahamo1周年を意識したそうですが、地味過ぎる気もしました。

法林氏:1周年は日付だけだった。記念にギガ配るとかしなさいよって感じですね。

……続く!

次回は、春の最新スマートフォンのリリース動向について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

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