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新卒採用を増やす企業が増えている一方で、事業戦略と人事戦略は一致しているか?

2022.04.21

■連載/あるあるビジネス処方箋

2023年度は新卒採用を増やす企業が4割もあるが…

新卒(主に大卒)採用に変化が見られ始めた。共同通信社は2022年4月16日、新卒採用に関するアンケートをまとめた。主要117社を対象に、2023年度(23年4月~24年3月)入社を対象にしたものだ。

それによると、22年度4月入社の実績や見込みより「増やす」と答えた企業は42%(49社)。1年前の前回調査から25ポイント上昇し、3年ぶりに増加が減少を上回った。2020年春から深刻化したコロナ禍がピークを過ぎ、経済回復を見込み、採用を拡大しようとしている姿が浮き彫りになった。

ここでまず、心得るべきは日本企業の新卒採用の伝統だ。景気が良くなったら、大量採用、悪くなったら大幅抑制の路線だ。例えば、1960年代から70代前半までの高度成長期は大量に採用、それ以降は石油危機により景気が悪化し、就職氷河期になった。1980年代後半から90年前後まではバブル時代で大量採用になり、それ以降は就職氷河期になる。

この動きは、会社の事業戦略と人事戦略が一致していないことを意味する。例えば、この事業をこの時期までにこういうレベルにまで軌道に乗せたい。そのためにこんな人材がこのくらい必要になる、といった事業戦略と人事戦略がある程度一致していないと、必ず、いずれは社内に余剰人員を抱え込むことになる。現在、50代前半から50代後半までのバブル世代の一部は、余剰人員に該当する。この人たちを新卒として雇った時に、採用責任者は事業戦略と照らし合わせ、本当に獲得に値する人材であるか否かを慎重に検討していたのかは大いに疑わしい。

ここまでを踏まえると、冒頭で紹介した2023年度(23年4月~24年3月)に入社する者も、いずれは不景気の時に余剰人員になる可能性がある。今後、少子化が一段と進む以上、各業界・産業の市場は概ね縮小していかざるを得ないために、余剰人員になる人は多いはずだ。

さらに考えるべきは、新卒採用の中身だ。日本の大企業や中堅企業、メガベンチャー企業の伝統は、総合職採用だ。この場合、会社に職種として関わるのではない。入社後、例えば、営業部に配属となり、その後、営業企画、事業推進、経営企画、広報など幅広い職種を経験するケースが多い。

これと職能資格制度(年功序列の理論的根拠)が、表裏一体となっている。職能資格制度は、等級(ランク)を現在よりも低い等級に下げることが制度運営上、難しい。法的にも難しいと言われる。従って、前述のように様々な部署を渡り歩き、例えば40代以上になり、その年齢や役職、等級にふさわしい仕事力(スキルや経験、知識など)がない社員が現れることになりがちだ。いわゆる、「使えない中高年社員」だ。

これほどに市場や環境が早いスピードで変化しているのに、総合職として雇い、時間をかけてジェネラリスト(オールラウンドプレイヤー)を育成するキャリアパスしか、社内にないのは極めて好ましくない。通常は総合職のほかに、事業戦略や学生の志向、特性などに応じて専門職や超総合職(役員などの幹部候補)などの枠を設けて、それぞれで新卒採用試験を行い、育てるのが現実的のはずだ。

専門職は例えば、プログラマーやデザイナー、経理・財務職や人事・総務職などだ。年々、求められる仕事力が上がっているのだから、10~20年と腰を据えてこれらの仕事に取り組むべきなのだ。超総合職(役員などの幹部候補)は例えば、新卒として入社し、20代後半で社費でMBAスクール(大学院)に通い、MBAホルダーとなり、30~40代で役員になるケースだ。

ただし、これらは大企業や中堅企業、メガベンチャー企業に限った話である。中小企業やベンチャー企業の大多数はそもそも人事部がなく、人事・賃金制度や採用、定着、育成に致命的な問題を抱え込んでいるので、該当はしない。精度の高い新卒採用はほとんどできていないために、定着率は概して低く、それ以前のところで行き詰まっていると言える。

 新卒採用もしくは第2新卒(20代後半まで)として4月以降、エントリーを考えている読者諸氏には、大企業や中堅企業、メガベンチャー企業の専門職にエントリーすることをお勧めしたい。その専門職に強い関心があり、ある程度の下地や(知識や経験)があることが前提になる。

 このシリーズでは、新卒採用の仕組みやからくりを何度も書いてきた。ぜひ、過去の記事も参照し、納得のいく就職活動をしてほしい。

文/吉田典史

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