ピアボーナス
コロナの影響もあって、リモートワークやワーケーションなど、多様な働き方が急速に浸透してきた。場所や時間に縛られないというメリットがある一方で、社内でのコミュニケーション不足や、モチベーション維持が課題だ。そこで注目されているのが従業員同士でインセンティブを贈り合う「ピアボーナス」。トヨタ自動車やアース製薬など、大手企業も取り入れているというこのサービスを提供するユニポスに話を聞いた。
「ピア=仲間+ボーナス=報酬を意味し、一緒に働く人への感謝の気持ちを投稿することで、相手にポイントが入る仕組みです。ポイントは少額の金銭や独自の報酬などに換えることができます」(ユニポス広報担当・服部有利子さん)。メリットは何といっても、評価が見える化すること。加えて、感謝や称賛の声がけが習慣化し、コミュニケーションが活発化、組織の雰囲気も変わるという。
「投稿を見た別の人が『拍手』すると、投稿した人へもポイントが入ります。返信機能をあえて設定しないなど、楽しく気軽に活用できる工夫もしています」(服部さん)
感謝や称賛という目に見えない評価が人事制度だけでなく、働き方そのものを変えるかもしれない。
誰かが見ていてくれたという承認欲求を満たすことで、働くモチベーションは上がりそう。導入するだけでなく、利用者の偏りや形骸化などを防ぐ工夫が必要そうだ。
ピアボーナスの流れ
デザイン会社のGoodpatchで採用されている独自の報酬には、デザイナーが似顔絵を描いてくれたり、ランチ代の補助など、ユニークなものも。
実際のやりとり画面。全社員が閲覧可能で、できる限り少ない手間と時間で、感謝や称賛、激励が送れるようになっている。
※ピアボーナスはユニポスの登録商標です。
取材・文/内野智子