ボーイング757
日本では〝希少種〟として旅客機マニアに人気の『ボーイング757』。国内でもおなじみの『767』と同時に開発された兄弟モデルだが、日系航空会社には導入されず、デルタ航空の日本〜ミクロネシア路線など、一部の国際線で見られる程度だった。
この757は客室に1本の通路を備える200席級の機体。一方の767は客室に2本の通路があり、機体もひと回り大きい。両モデルはコックピットの共通化を図るなど、運用の柔軟性を高めたが、国内では日系企業が開発・製造に参加した767を選んだ。その後、757は2004年に生産終了、日本ではレアな存在となった。
しかし、今年後半には日本でもその姿が日常的に見られるようになりそうだ。昨年設立したアメリカの『ノーザンパシフィック航空』が元アメリカン航空の757−200を6機導入、拠点とするアンカレジと成田空港を結ぶ路線の開設を発表したのだ。さらに、北米各都市への就航や、アラスカの大自然も満喫できるようアンカレジでの途中降機もするという。眺めても、旅しても楽しめるノーザンパシフィック航空はヒコーキ旅行愛好家にとって、要注目のエアラインとなりそうだ。
将来的には新型機の導入を予定しており757の活躍は数年といったところ。運賃は従来の航空会社より手頃な設定といい、日系LCCのZIPAIRとの競合にも注目だ。
導入は200人乗り標準型
757は1982年に初飛行、1000機余りが納入されたが、2004年に生産が終了。標準型の-200(200~228席)の全長は47.32m、全幅38.05m、航続距離は約7000km。胴体を約7m延長した-300(243~280席)もある。
両機は簡単な訓練は必要だが、操縦資格を共通化。757は欧米で一定の評価を得たがライバルの台頭もあり早々に生産終了。767は派生型の生産が続いている。
取材・文/村田尚之