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採用面接にメタバースを導入したOn’yomiの経営者に聞いた「メタバース面談」のメリット

2022.04.20

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

実際に体験してみて「メタバース面談」のメリットがわかった!?

PR・コミュニケーションエージェンシーの「On’yomi(オンヨミ)」は、就活解禁⽇の3⽉1⽇より、従来の対⾯⾯接、Web⾯接に加えて、メタバースで実施する「メタバース⾯接」を開始した。

メタバース面接では、Meta社が提供する「Horizon Workrooms」を活用し、アバター同士で会社説明や採用面接を行う。採用候補者は従来の対面面接やWeb面接に加えて、メタバースでの面接を選択することが可能となった。

メタバース面接導入の意図を聞きたいと同社に取材を申し込んだところ、「メタバースで取材をしてはいかがでしょう?」と提案を受けた。

記者・阿部「@DIMEではメタバースを盛んに取り上げていますが、実は私、メタバースをやったことがなくて。あれが必要ですよね?大きなゴーグルみたいなやつ」

オンヨミ・石渡優大さん「クエスト2ですか?」

阿部「それです!クエスト2を持っていないのでメタバースができないのですが……」

石渡さん「メタバースとつないでオンライン取材もできますが、どうせならメタバース体験もした方が面白いですよね?」

阿部「やりたいですっ!」

石渡さん「クエスト2なら弊社にお越しいただければお貸しします。メタバース面接がどういうものか、よりリアルにわかると思うので、ぜひ体験してみてください」

……ということで、南青山のOn’yomiオフィスへ訪問。「Meta Quest2」を装着させてもらい、人生で初めてメタバース空間に足(頭?)を踏み入れた。

部屋の中をきょろきょろ見回していると、取材相手のオンヨミ代表・大宮英嗣さんが入室。

向かい側にいる大宮さんのアバターとあいさつを交わしたが、オンラインと比べて、目線や声といった距離感がはるかにリアル対面に近いと感じた。

――メタバース面談を導入した理由を教えてください。

1960年代にマーシャル・マクルーハンは「メディアはメッセージである」という有名な言葉を残しています。コンテンツは変わらなくてもその情報伝達手段(メディア)が異なると、情報の受け手が、情報に対して得る感覚が異なることがあるということです。

阿部さんも今、実感されていると思いますが、メタバースで行われるコミュニケーションは、身体性も明らかに違いますので、PCやスマートフォン上のソーシャルメディアでのコミュニケーションとは異なる何かがあるのではと思います。

そういった意味で、コミュニケーションを生業としているオンヨミでは、まずはメタバースを研究してみようと、Meta Quest2を購入し、ラボ的に情報発信を始めました。これが「Metaヨミ」というnoteコンテンツです。

Metaヨミでメタバース体験や情報収集を行っている中で、「メタバースで採用するのはどう?」という意見が出てきました。オンヨミでは現在、採用に注力していますが、新型コロナの影響で、対面ではなくオンラインでの面接も増えました。Web面談の場合、アイスブレイクをしてリラックスしてもらってはいますが、対面と比べてどうしてもぎこちない雰囲気もあり、面談相手の人となりをうまく引き出せていないのでは?と思うこともあります。

メタバースの場合、アバターで話しますので企業側と求職者側という雰囲気が薄まり、とても柔らかい雰囲気の中で話ができて、オンライン面談より本人らしさを引き出せることができるのでは?と思っています。また、システム的にバタつくこともあるでしょうが、それ自体も楽しめる雰囲気があると感じています。

――確かにそうですね。同席している石渡さんがずっと無言で挙動不審な動きをしているのは…音声トラブルのせいかも?(笑)。ところで、実際に応募者はいたのでしょうか?

4月に入ってから応募がきました!ただ、まだ面談まで進んでいませんので実行前段階ではありますが。

――メタバースがリアルやWEB面談と比べて異なる点やメリットは?

面談が始まる前のぎこちない雰囲気や緊張感が全く異なります。まだメタバースに慣れている人は少ないので、それだけでアイスブレイクになり、お互いリラックスした雰囲気でスタートできると思っています。また、リアルやWeb面談と異なりアバターですので、お互い頑張って表情を作りこむ必要もないですね(笑)。そういえば、阿部さんのアバターの動きは声をうまく連動していて自然な感じですよ。

――自分のアバターは自分では見えないので、どうなっているのか不安だったのですが、よかったです。今後メタバースはどのような使われ方をされるのか、メタバースの持つ可能性についてお聞かせください。

PR会社ですので、新しいコミュニケーションのツールやサービスは一ユーザーとして実際に試すようにしています。メタバースに関しては、暗号資産の広まりと共に新しい経済圏として確立していく可能性があると考えています。

そうした流れから、クライアント企業も将来的にメタバース内で何かしらのプロモーションを行ったり、出店をする可能性があり、その際にエージェンシーとして提案・実行できるように準備が必要だと考えています。

例えばメタバースという新たな経済圏で、新たなコミュニティや新たなインフルエンサーが生まれてくると予想しています。そのような団体や個人と協力関係を築いていきたいと考えています。

今のメタバースは特定の機器を使用しなければいけないため、幅広く受け入れられる環境にはなっていないのが現状ですが、より手軽なメガネ型の機器が登場したり、スマートフォンを使ったり、リアル感が増すARと連携したりなど、取り入れやすい環境が整えば、新たな展開を迎えるかもしれません。

【AJの読み】仮想空間+アバターが緊張感を和らげホンネを引き出しやすくさせる?

“日本でいちばんメタバースに詳しいPR会社”を目指しているオンヨミでは、社員の半数はクエスト2を所有しているとのこと。大宮代表の話にもあった「Metaヨミ」の編集会議は、メタバースで行っているそうだ。

メタバースは「仮想空間で何かをする」というあまりにざっくりとしたイメージしかなかったが、同じ仮想空間でも今まで体験取材してきたVRアトラクションとは全く違っていた。

メタバースでの面談は仮想と現実がうまく融合して、オンラインよりもリアルに近い感覚でありつつも、アバターでのやりとりなので、リアルで初対面のときに感じる緊張感は薄らいでいる。この感覚が採用面接という、極度に緊張する場でも面談者のホンネを引き出せる環境に成り得るのかもしれない。

対面で話している時と、席を変えて隣にいる時では声の聞こえ方も異なり、リアル感が増すなど、メタバース初体験はとても興味深く、インタビューというよりもメタバース体験会のような内容になってしまったと反省。しかし今回の体験から、近い将来、メタバースで行う記者発表会やインタビュー取材も出てくるだろうと確信した。

文/阿部純子

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