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オンライン会議で「会議の質が低下した」と感じたらどうする?

2022.04.20

テレワークには欠かせないオンライン会議。しかしオフライン会議と比べて、会議の質が下がった様な気がする…と感じてはいないだろうか?事務的な報告事項に終始してしまったり、発言を躊躇する人が増えたり、人の話を聞く集中力が途切れてしまったり…、あるあるとうなずいている人も少なくないだろう。

会議の質が下がったことに課題意識を感じている企業は、すでに質を向上させる施策を実施している。会議の専門家である沖本るり子氏に、どんなことに気をつけたらいいのかを、テクニックと合わせて教えてもらった。

会議の質が低下したと感じる原因は?

経営に関するコンサルティング、アドバイザリー業務を行う客家が2022年1月、ベンチャー企業の経営者316名に対して実施した調査結果では、約2割の企業が会議の質「低下」を実感していた。

その要因として考えられるものをその低下を実感している約2割の企業に聞いたところ、「会議前のちょっとした口頭での打ち合わせができない」が49.2%、「オンラインによる発言の躊躇」が47.5%、「報告・連絡事項のみの会議となっている」が33.9%という回答となった。

自由回答では「複数の意見が飛び交いづらい」「心理的距離を感じる」「モチベーションの低下」「雑談しにくい」などが会議の質低下要因として挙がっていた。

逆に「会議の質が向上した」と回答した企業は、要因として「オンライン会議ツールの導入」が58.3%、「会議のゴールの共有」が38.9%、「事前にチャットで資料を共有」が36.1%という結果となった。

多くの企業は、さまざまな対策を行ったことで、なんとか会議の質を向上させているようだ。

会議の質の低下を対策するには?

同調査では、会議の質が下がったと感じた要因として「オンラインによる発言の躊躇」「複数の意見が飛び交いづらい」「心理的距離を感じる」などが目立った。これらの対策はどうすべきなのだろうか?

企業の会議の効率化に関する著書を多く持ち、特に「5分会議」といった高速会議で部下育成、及び組織活性化を目指すことを提唱している専門家の沖本るり子氏に話を聞いた。

【取材協力】

沖本るり子氏
「5分会議」で人と組織を育てる専門家
「5分会議」では、「立場上どんなにえらい人でも、意見はすべて1分以内にまとめる」ことを提唱。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務め、台湾(労働部)の講演会でも登壇。「5分会議」はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に『生産性アップ! 短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)、『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)、『人を動かしたければ1分以内で伝えろ!』(三笠書房)他がある。
http://www.e-cheerful.co.jp/

「オンラインでは『発言の躊躇がある』ことに気付いたとのことですが、実はオンラインに限ったことではないことがほとんどなのです。ただ単に、従来から行ってきたリアル会議の質の良くないやり方を、オンラインでも同様に行ったため、よくない点が浮かび上がっただけ、ということも多いのです。

そこで、オンライン・リアル関係なく、会議での参加者の発言の仕方を工夫してみるのをおすすめします」

●番号を振って順番に全員が発言する仕組みにしてしまう

「通常、意見がある人が発言をすることが多いですが、そうではなく、全員が意見をもっているという前提で、全員が発言するという仕組みを取り入れてみましょう。

オンライン会議の場合は、例えば参加者が会議ルームにログインした順に1番、2番、3番…と番号を振ります。リアル会議の場合は、例えば右端の3番目に座っている人から1番、2番、3番…と右回りで番号を振るなどします。そしてその順番に各参加者に発言をしてもらいます。

そして、発言には制限時間も設定します。進行係が『発言の制限時間は1分以内でお願いします。5番から順に6、7…と発言をお願いします。では、5番の方からどうぞ』と最初の発言者を番号で指名し、制限時間が来たら話が途中でも打ち切ります。次に6番、7番…と順番に意見出しができるように進めます。

このように仕組みを作って会議を進めていけば、発言の躊躇も複数の意見が飛び交いづらいこともありません。また、自分だけが発言できなかった、意見を聞いてもらえなかったということもありません。さらに、参加者全員が意見を出すことで、『一部の参加者しか発言しない』ということによる会議の質低下が回避できます」

会議の質向上施策は有効?

先の調査結果では、会議の質が向上した企業が、その要因として考えられるものとして、「オンライン会議ツールの導入」「会議のゴールの共有」「事前にチャットで資料を共有」を挙げていた。

沖本氏から見て、それぞれの施策は有効だろうか?

1.オンライン会議ツールの導入

「これは、非常に有効です。多くの企業で、会議の質が向上した理由は、一番にオンライン会議ツールの導入が考えられます。

なぜ有効なのか、その理由としては、会議中に各自、好き勝手なことができないからです。カメラで顔を映しながら会議する場合は、画面に自分のカメラの映像も表示されることが多いため、客観的に自分で自分の会議のふるまいも見えます。同時に参加者全員に丸見えのため、他のことができません。従来のリアル会議では、会議中に別のことをするなどのケースもありましたが、顔出し必須のオンライン会議の場合は、それができず、会議に意識を向けるようになったわけです。

また、リアル会議と違い、オンライン会議ではマイクの性能が良いことが多く、複数人が同時に話をすると何をしゃべっているのか分からなくなる、ということを皆認識しているので、話の途中で割って入る人も少なくなる傾向があります。また、オンラインでは雑談もできなくなってしまいました。

これらのことから、これまでリアル会議に存在していた『議論の弊害』が少なくなったため、オンライン会議ツールの導入は会議の質の向上に有効といえます」

2.会議のゴールの共有

「これも有効です。会議のゴールとは『会議が終わったとき、どうなっていればいいか?』ということです。ですから、本来、会議主催者は会議のゴールを設定してから開催することが必須だったわけです。そして、全員が参加前に会議ゴールを共有することが重要でした。

会議のゴールが分かると、各自、それに対する準備も可能になります。会議のゴールが不明だと、各自好き勝手、バラバラに進んでしまうので会議は迷走します。

会議のゴールが共有できるようになれば、会議の迷走はより避けることが可能になり、会議参加者全員が会議のゴールに向かって走るため、会議の質も向上します」

3.事前にチャットで資料を共有

「事前に資料を共有すること自体は、会議の質を向上させるにはとても有効です。資料の共有は、全員が集まらない場でも行えるので、会議の場で行ってしまうと時間の無駄となり、会議の質を下げることになるため、事前共有は欠かせません。

しかし、その資料の共有の手法が『チャット』ということであれば有効とは言いがたいです。もしチャットでの資料の共有の際に、読み合わせをしながら共有するのであれば、時間の無駄だからです。資料は事前に各自で読んでおけば済むこと。わざわざ他の仕事の時間を中断させてまで、他の人に合わせての時間拘束は不要と考えます。読み合わせる必要はないでしょう。

もし、資料に対しての質疑応対が必要であれば、チャットでのやりとりより、メール配信や掲示板のようなツールで済ませたほうが短時間で済みます。チャットを使用するくらいなら、意見交換なしの質疑応答会議をオンライン会議で行ったほうが、よりわかりやすく短時間で済みます」

ちなみに、沖本氏は「オンライン会議中にチャットを使用することもおすすめしません」と述べる。

「オンライン会議中は、話をする、話を聴く、画面を見る、考えるということに意識を集中させましょう。チャットを読む、入力するという作業まで加わるとより疲労しやすくなり、集中力が低下します。また、オンライン会議中、チャットを使用している場面で、入力された言葉を全部拾わないというシーンを見かけることが多々あります。これは入力した参加者のやる気をそぐ行為です。せっかくの入力を無視するのなら、最初からチャットを使用しないことをおすすめします」

会議の質向上のためのテクニック2つ

オンライン、リアル会議問わず、会議の質を底上げするためのテクニックを沖本氏に尋ねたところ、2つを挙げてくれた。

1.一つの意見に対してあらゆる視点から制限時間内に意見を出す

「たいていの会議は、一つの意見に対して『賛成』か『反対』かの2択で議論し始めます。しかし賛否で議論することは対立を生みます。そして対立は思考が偏り、多くの考えが出てきません。その結果、良いアイデアが出ずに、活発に発言がされないまま会議が終わるといったよくある失敗に終わります。

そこで、一つの意見に対して、多くの視点で意見を出す方法をおすすめします。

例えば、Aという意見に対して、制限時間を設け、参加者全員が、Aについて良い点だけを時間内にできるかぎり多く出します。次に、良くない点だけを同様に時間内にできる限り多く出します。その後、良くない点に対しては、対策を出し尽くします。

他にも、Aについて『予算の視点からはどう思うのか?』『かかる工数の点ではどうなのか?』などさまざまな視点に対して、全員で考えて意見出しを行うことができます。

このようにすると、話があちこちに飛ぶこともなく、一つに集中して考えるようになるので、思いもよらない考えが多く出てくることもあるのです」

2.意見は同時に記録して可視化する

「会議中、誰かから発言があったらそのたびに、誰か一人が入力して発言内容を記録します。会議に参加していない人でも、会議の内容がわかるように、また『言った、言っていない』とならないように、さらには、『今、何を議論しているのか』がわかるようにするためです。

1に示した『視点で分ける』方法で会議をしていると仮定すると、記録する人は、話し合いの『視点』ごとに担当を変えましょう。記録する立場になってみるとわかるのですが、発言者がだらだら話をすると記録しづらくなります。そのため、自分が発言する立場になったときに、わかりやすく端的に要点だけを話すようになります。

オンライン会議の場合は、発言を記録するツールはGoogle スプレッドシートを使用するのをおすすめします。リアル会議の場合は、紙製のホワイトボードがおすすめです。視点ごとに分けての意見出しは、従来の会議の5倍以上になるため、書く場所が大量に必要です。紙製ホワイトボードなら必要な分だけ手軽に増やせるので通常のホワイトボードより便利に使えます。

会議中に発言を記録すれば、会議が終わった時点で議事録の完成になるため、会議が終わってから議事録の作成をする時間を省くことができます。また作成者の意見に左右された議事録になるという事態も避けられます」


会議はオンライン会議もリアル会議も、質の低下は生産性や成果に直結する深刻な課題である。今回紹介された質向上のための施策をヒントに、ぜひ取り組もう。

【調査出典】
客家「会議の質に関する調査」

取材・文/石原亜香利

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