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VRで練習するとけん玉や溶接の技術も簡単に習得できる!?

2022.04.22

VRやメタバースが普及し、新しいエンタメの場が一般化されようとしている。

VRと聞くと、そのバーチャルな世界観に没頭し、その世界を感じたり、何かを見たりしながら楽しむというイメージがあるが、自分自身がアクションを起こすことで、よりエキサイティングで有意義な活動に広がっていくのだ。

VRコンテンツも多様化が進む中、イマクリエイト株式会社という VR・AR・MRシステムの企画・開発・運用・コンサルティングサービスを展開する会社は“見る”だけでなく「するXR」にこだわってさまざまなVRコンテンツを制作している。

そこで今回は、同社のゲームやトレーニングなどのVRコンテンツを実際に体験してみた結果や、VR体験中に感じる素朴な疑問、VRコンテンツの紹介をする。

けん玉・ゲーム・溶接…様々なVRコンテンツを体験してみた

今回、体験したのは、大きく3つのコンテンツだ。それぞれビジネスパーソンの体験談と共に紹介する。

1.「けん玉できた!VR」

「けん玉できた!VR」は、5分間程度のVRトレーニングによってけん玉の技の習得を支援するシステムだ。開発のきっかけについて、イマクリエイトの代表取締役 CTO、川崎仁史氏は次のように話す。

●開発のきっかけ

「私自身がけん玉の有段者で先生をやっておりました。4~5年前にVRを初めて秋葉原で体験したときに、ふと、趣味のけん玉のトレーニングに使えるなと思ったんです。それがきっかけで作ってみようと思いました。VRの開発経験はなかったのではじめはだいぶ苦労しました。

VR空間では玉の速度を遅くして練習できるようにし、徐々に速くしていくことにより難易度を調整しました。また、玉の速度を遅くしたVR空間で、実際に熟練者がプレイした身体動作をキャプチャし、それをバーチャルなお手本として提示しました。本システムの体験者1,128人のうち、1087人(96.4%)がけん玉の技を習得しています」

実際に体験してみると…

「けん玉できた!VR」は現実では再現できない、スローモーションでの練習が可能で、熟練者の動きをバーチャルなお手本として見て、身体の動きを合わせながら、技の習得のスピードアップにつながる。

まず体験する前に、実際にリアルでけん玉を体験し、現在の実力を測定。その後、現在のレベルよりも難易度を上げたものをVRコンテンツで練習し、身体で覚え、再度、リアルでけん玉の技をやってみるという流れで実施した。

●体験してみた感想

VR空間の中では斜め左前にバーチャル講師が立っていて、その講師と同じ動きを繰り返しすることで、自分の身体に覚えさせる練習になった。最初はゆっくりのスピードから徐々に速くしていくことで、VR内での上達を容易に体感することができたのも面白い。また、手元の振動によって、球の接触もリアルに感じられることができるので、実際にけん玉をしているかのような体験ができた。結果として、リアルの世界でむずかしい技の上達も体感することができた。

2.リズムフィットネスゲーム「Groove Fit Island!!」

続いては、2022年春に一般にリリース予定の「Groove Fit Island!!」。音楽に合わせてスポーツや運動をモチーフに身体を動かすゲーム「グルーブフィット」を楽しむことができる。

上半身運動、下半身運動、全身運動の大きく3種類の運動を、部位に応じて楽しめる。オープンβテスト版では7種類のグルーブフィットを実装。発売時にはさらに複数のグルーブフィットが追加される予定だという。対応プラットフォームはSteamで、その他、随時追加予定だそうだ。

上半身運動は、テニス、ピザの配達、まきわり、釣り、ボクシングが可能。

例えば、ピザの配達は、両手にピザを掲げたまま、障害物を避けていくゲームとなっている。タイミングよく上半身を左右に倒しながら、前方から放たれる弾丸をうまくかわして、ピザを目的地まで運ぶ。

下半身運動はけん玉、全身運動はラグビーが楽しめる。

体験してみると…

「Groove Fit Island!!」の中から、テニスとまきわりのゲームを体験した。両方ともリズムゲームの要素が加わっている。

●体験してみた感想

テニスについては、リズム要素プラス、全身を使っての返球が必要になるため、体感は5分ほどだったが、じんわり汗をかくほど身体を動かす必要があった。かなりの運動量になる。

まきわりについては、斧をつかみ、リズムにあわせてタイミングよく振り下ろすことで目の前の薪(まき)をたたき割っていくもの。割るものは薪以外にも様々で、中には1回や2回では割れないものもある。テニスの横の動きとは違い、上下に身体を動かすため、普段使わない部位が刺激され、適度な運動を体感できた。

両方とも音楽、ビジュアル、リズムの3要素で、五感をフルで刺激され、とても楽しむことができた。

3.「ナップ溶接トレーニング」

「ナップ溶接トレーニング」は、株式会社コベルコE&M と共同で提供する、VR溶接トレーニングサービス。VRを活用することでリアル世界での溶接の技術習得の難しさを解決する。

バーチャル上に溶接熟練者の動きを3Dモデルを使って再現し、プロの身体の動かし方そのものを可視化することで、より感覚的な溶接技術の習得を可能にした。

また、溶接時の強い光を消すことや、研修生の動きを可視化することによって講師が後ほど確認できるようにするなど、現実のトレーニングでは不可能だった機能も実装している。すでに企業では導入が進んでいるという。

体験してみると…

実際に、溶接で使用する機器を持ち、鉄と鉄をつなげる作業をVRで体験できる。

●体験してみた感想

溶接をすること自体が初体験。お手本として表示されるプロの動きに重なるようにして溶接を進めていくものだが、まっすぐ進めるのが本当にむずかしかった。手ブレはもちろん、水平に線を進めることは、初心者ではできないのではないかと思うほど。

話を聞くと、実際の現場では上司の手元を見て覚えるしかないそうだが、熱すぎるのとまぶしすぎるという点から、詳細な技術の継承が非常にむずかしいそうだ。一方、VRなら強い光を消すこともでき、目の前にプロの手元の動きをお手本として表示した上で何度も練習ができるので上達が早いとのこと。実際に体験してもその感覚はわかる気がした。

どれも、VRの世界で身体を思う存分動かした体験だった。普段の運動不足がたたって、翌日は筋肉痛に……!

「VR酔い」って大丈夫? 長時間やっていてもOK?

ところで最近、VRヘッドセットが有名メーカーからもぞくぞく発売されている。最近、初めて装着したという人も多いのではないだろうか。しかしVRヘッドセットは車酔いみたいな症状が出る人もいるという噂があり、初めのうちは慣れないものだ。

そこで噂は本当なのか、原因と対処法を川崎氏に聞いてみたところ、VR酔いの要素は2つあるという。

・装着するデバイスの解像度が悪い
・ソフトウェア側に酔うような効果を入れている

「2つめの『ソフトウェア側に、酔うような効果を入れている』というのは、現実の自分は動いていないのに、VRの中だけで移動をすると酔いやすいということです。ジェットコースターのVRがわかりやすいかと思いますが、自分は動いてないのに映像の中では動かされている状態です。自分が『こう動く』と予想をしているときには『こう動いたらこう見えるだろう』という予想を脳が自動的に発しているのですが、VRの世界では、それがずれることがあり、ずれればずれるほど酔いやすくなります。

弊社ではこのことを理解しているため、VR酔いしないように配慮した上でのVRコンテンツを作っています。VRの中で移動をしないコンテンツにすると、酔いは起こりません。

実際、弊社のVRコンテンツは企業で溶接や医療現場の研修などで使用いただいていますが、使用時間の制限などはしておりません」

できるだけVR酔いしないようにするための、VRヘッドセットの装着方法のポイントはあるのだろうか。

「装着時の注意点としては、目のピントをしっかりと合わせ、しっかりと側部と頭頂部を固定するのをおすすめします」

川崎氏にこれらのVRコンテンツへのこだわりについて聞いてみた。

「『するXR』というキーワードが、我々の全プロダクトに共通しています。VRは見るだけのものがあるのですが、我々のプロダクトは実際に『する』を重視しています。

また、もう一つ、『動きをシェアする』ということも共通しています。けん玉でもVRの中で、手前にお手本がいますし、溶接でも熟練の溶接の動きもシェアされています。ゲームでも動きを導いてくれるキャラクターがいます。

その『するXR』と『動きをシェアする』の二つは、我々の強みにしております。その二つを通じて現実に作用しています。例えば、実際に能力が上がったり、筋肉がついたりする変化が生じます。これが全プロダクトの思想であり、これからも強化していきたいと考えています」

VRコンテンツは、ただ見て楽しむ世界から、身体を使って実践することや、動きをシェアすることで、リアルに近しいところまで進んでいる。ぜひ実際に体験してその進化を肌で感じてみよう。

【参考】
Groove Fit Island!!
ナップ:動きのシェアを可能にするVRプラットフォーム
ナップ溶接トレーニング

取材・文/石原亜香利

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