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エステ脱毛、ネット通販、ゲーム課金、覚えておきたい成年年齢18歳引き下げによる契約リスク

2022.04.17

今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられた。これを受け、これまで20歳未満は契約できなかったものについても、18歳、19歳が自らできるようになった。しかしこれまでも若者の契約に関するトラブルは多発しており、今後ますます懸念される。子どもを育てる親世代としては気が気ではないものだ。そこで今回は、特に注意したい契約の種類やリスク、親としての対処法などを弁護士に聞いた。

若者の契約トラブルが多発するエステ脱毛やネット通販

近年、エステ脱毛・ネット通販などについて、若者の契約トラブルが多発している現状がある。アディーレ法律事務所の弁護士、鈴木美穂氏は次のように述べる。

【取材協力】
鈴木 美穂氏
アディーレ法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。司法試験合格後、司法修習を経て、警察官(千葉県警察)を拝命。刑事部捜査員研修を修了し、殺人・強盗等の捜査一課事案、組織犯罪事案、サイバー犯罪など多くの事件を担当。現在は、夫婦問題(不貞慰謝料・離婚)を中心に、常時100件以上の案件を扱う。事務所公式YouTubeチャンネルの法律解説動画も好評。
https://www.adire.jp/profile/suzuki_miho/
https://www.youtube.com/user/adire01

「美容サービスやネット通販、ゲームの課金などのトラブルが、10~20歳代の若者に増えています。全国の消費生活センターには、『10万円全身脱毛の広告を見たが、実際は70万円の高額コースを契約してしまったので解約したい』といったものや、『ネット通販で1回限りの購入のつもりで申し込んだが、2回目も商品の購入が必要な定期購入の契約だった』、『子どもが、親のクレジットカードを使ってオンラインゲームで課金し、その請求が親にきた』など、多数の相談が寄せられています」

●エステ脱毛

東京都 生活文化局によれば、都内の消費生活センターには、エステ脱毛に関する相談が、平成30年度から毎年、約400件で推移しており、令和3年度上半期ではすでに250件を超える相談が寄せられているという。中には、低価格を強調した広告で消費者を誘引し、実際には高額なサービス契約を勧誘するケースもあるという。特に、広告ではそのコースは「脱毛し放題」などと謳いながら、有償の施術回数自体を少なく設定し、あとの施術は無償サービスとしている形態の契約については、中途解約時の精算トラブルが後を絶たないという。

どういうことかというと、実際の解決事例でみると、20歳代の女性があるエステで全身脱毛の30回コースを契約し、約50万円のコースを決済。3回施術(うち1回は当日キャンセル)を受けた後、月々の返済に困り、解約する意思を伝えたところ、担当者から、「今解約しても約10万円しか返金できない」と言われたそうだ。契約書をよく見ると、施術30回のうち有料なのは最初の4回のみで、26回分は無料と記載されていた。よって3回分の金額は返金されないということだった。

●ネット通販

国民生活センターのホームページには、消費者トラブルの事例としてこのようなものが紹介されている。それは「インターネット通販で未成年者契約の取り消しを申し出たら断られた」というもの。販売業者に電話で問い合わせたが、「申し込みの際に、親の承諾を得て申し込むという利用規約に同意しているので、取り消しには応じられない」と言われたという。

しかし、実際は、親の承諾を得て申し込むという利用規約に同意しているからといって、未成年者契約の取り消しができなくなることはないそうだ。未成年者は、成年者と比べて取引の知識や経験が不足し、判断能力も未熟であることから、未成年者は契約の取消しができることが法律で定められている。

しかし、18歳と19歳はもう未成年者ではないため、もう「未成年者取消権」は使えなくなる。

●ゲーム課金

18歳になると単独で有効な契約を行えるため、ゲーム課金についても本人に支払い義務が発生することになる。ゲーム課金は若者にとって身近な契約ごとの一つであるため、特に注意が必要といえる。

親はどのように子どもに呼びかけるべきか

エステ脱毛、ネット通販、ゲーム課金等で、若者によるトラブルが相次いでいる中、成年年齢の18歳への引き下げられたことで、親としては不安が高まる。18歳と19歳の子ども、そして未成年者の子どもを持つ親は、これから子どもにどのように呼びかければいいだろうか。鈴木氏にアドバイスをもらった。

「これまでは、成年年齢は20歳であったため、20歳未満のお子さんが親の同意なく締結した契約は、原則として親御さんが取り消すことができました。しかし、令和4年4月1日から、成年年齢が18歳へ引き下げられたことより、18歳に達したお子さんが、今後、親の許可なくエステ脱毛やネット通販等の契約をした場合であっても、親御さんが取り消すことができなくなりました。

ゲームの課金問題に関していうと、ゲーム会社によっては、これまでは18~19歳の場合、課金上限が設定されていましたが、成年年齢が引き下げられたことに伴い、4月から18~19歳も課金を『上限なし』とするゲーム会社も出てきています」

「18歳になると成人の仲間入りとなりますが、社会人経験もまだまだ乏しいのが現状です。金銭感覚が備わっていない上、甘い誘惑や魅力的な広告につられて、ついつい契約を締結してしまうと、後から大きな代償・トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

ご家庭においては、契約とはどのようなものか、一旦契約すると費用の支払等の重い責任を負うことなどについて、お子さんにわかりやすくご説明ください。

特に契約するときには『契約内容をよく確認すること』『どのような責任が生じるのか把握すること』をよく理解できるようにご教示ください。そして、お子さん自身が契約締結に際して不安があるときには、ご家族へ相談するよう、お話しください」

未成年者取消権を使えなくなることのリスクと対策

18歳、19歳は「未成年者取消権」が使えなくなった。これについてのリスクと対策は?

「未成年者取消権は悪質業者から未成年を守る、いわば防波堤のようなものでした。しかし、法改正により18歳と19歳については、その対象から外れます。2020年度までの5年間に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談のうち、契約者が18歳または19歳だったケースは、あわせて約4万8,000件に上ります。業者が『大人』になったタイミングを狙って契約を締結する例も少なくありません。

ご家庭や学校の授業などで法律や契約の仕組みを学ぶことも大事ですが、“知っている”だけでは被害を防ぎきれません。業者から『いまがチャンス』『大人だから大丈夫』などと言われ、その場で決断を迫られ、契約してしまう例もあります。

その中で、特に大事なことは『冷静になること』と『断る力を持つこと』です。ぜひご家庭でも、お子さんとのコミュニケーションを図って、無用なトラブルを回避する術についてお話しください」

こんな契約やシーンにも注意

その他、18歳や19歳が気を付けたい契約やシーンにはどのようなものがあるだろうか。鈴木氏は次のものを挙げる。

「18歳から成人とはいえ、まだ社会人経験が浅い人も多くいます。そのため次のようなものによる消費者被害の増加が懸念されます。

・悪質な事業者による高額商品の販売
・マルチ商法
・詐欺的な販売
・アダルトビデオへの出演

アダルトビデオへの出演については、以前は、18~19歳は親の同意なく結んだ出演契約を取り消すことができ、撮影後でも作品の販売中止や回収が可能でしたが、現在はできません。

ついつい、親しい先輩などから『簡単にもうかるよ』などと誘われて契約してしまうケースもあります。安易に甘い話に飛びつくことなく、家族など信頼できる人へ相談するよう、お子さんにお話ししましょう」

「うちの子は大丈夫」と思っていると、意外なところに落とし穴があることもある。トラブルに巻き込まれる前に、今一度、家族で契約の注意点などを話し合い、少しでも迷うことがあれば契約する前に必ず親に相談するように伝えておくことが必要だ。

【参考】
東京都 生活文化局「全身脱毛エステサービス契約に係る紛争」
国民生活センター「身近な消費者トラブルQ&A インターネット通販で未成年者契約の取り消しを申し出たら断られた」

取材・文/石原亜香利

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