『銀座香箱』初のオリジナル商品。第一弾のテーマは「聖徳太子」
日本最古の香木記録は『日本書紀』、推古3年4月、淡路島に沈香一木が漂着するという奇跡の記述に始まる。ときの摂政・聖徳太子にも献上されたという香木だ。このことにちなみ、4月18日は『お香の日』とされている。
日本香堂ホールディングスは、この記念の日に飛鳥時代に遡る伝統技術と極上の香原料を用い、時空を越える香りの玉手箱『銀座香箱』を発売するというので、詳細をお伝えしよう。
テーマは『太子の初恋』。およそ1400年前、飛鳥時代の日本。聖徳太子が後の世に与えた影響は大きく、その一つに日本の香文化が挙げられる。その太子の人間性に光を当て、初恋の相手と目される芹摘姫(せりつみひめ)との出会いを商品にした。
一段ごとに心ときめく珠玉の香りと歴史物語で満ちている三段重ねの香りの小箱
一段目:草子二種
草子『膳手后妃事』
『膳手后妃事(かしはてひめのこと)』
室町時代の説話集『三国伝記』に記された、聖徳太子と芹摘姫との出会いを綴った物語。芹摘姫は四人いた妃の中で最も寵愛されたと言われている。当時の仕様を模して再現した。
『太子の初恋』
『膳手后妃事』の現代語に翻案した物語とその背景にある歴史・文化の解説、および太子と香の関係を記した草子。芹が豊かに茂る川辺、早春の香り、交わされた歌の美しさなど、本書に触れてると、「銀座香箱」の世界観をいっそう楽しめる。
一段目:御香二種 各五十本
御香二種『太子香』、『芹摘姫香』
『太子香』
聖徳太子をイメージしたお香。重量感のある沈香に白檀がやさしさを添え、甘松と貝香が艶やかに伝統を語る。
『芹摘姫香』
芹摘姫をイメージしたお香。沈香と白檀の穏やかさに、丁子と瑞々しい芹花が心清らかに香る。
一段目:香台二種
香台二種
聖徳太子にちなんで仏教の六道輪廻を表現した六角形の香台と、芹摘姫の柔らかなイメージを形にした球状の香台の2種類を真鍮を削り出し丁寧に仕上げた。二種の御香を同時に焚くことで、二人の出会いをイメージした香りを楽しめる。
二段目:御香二種
御香二種『太子の塗香』、『姫の香油』
『太子の塗香』(右)
身を清めるために手などに塗る粉末状のお香。沈香、白檀、丁子、桂皮等生薬の貴重な香木をベースとした、優しい香りが特徴。
『姫の香油』(左)
柑橘の橘は古くから非時香菓(一年中香りを放つ実)と呼ばれ、永遠性の象徴とされている。はじけるような柑橘と、ウッディーな香りが特徴のフレグランスオイル。三段目の「花摘香」に数滴垂らすと、さらに爽やかで心地よい香りが広がる。
三段目:『花摘香(ポプリ)』
『花摘香(ポプリ)』
『膳手后妃事』によると、聖徳太子が芹摘姫と出会ったのは、早春の三輪川。病に伏した親のために一心に芹を摘んでいた彼女のやさしさに、太子は心をうたれたと伝えられている。
その早春の春の風景を、芹や紫陽花などの日本古来の野草を中心に、霞草、千日紅などを小箱に敷き詰め、ポプリとして表現した。
「銀座香箱」の名は、日本香堂ホールディングスの本拠地・銀座4丁目の「銀座香箱」と呼ばれる建物にちなんでつけられた。
伝統と現代、西と東、そして香道と香り。各層ごとにテーマを持つ場から発信する。「銀座香箱」初のオリジナル商品となり、今後もシリーズとして発信していく予定だ。
製品概要
三段重箱サイズ/高146×幅90×奥行き156mm、重量約453g
御香(各50本)/直径2×⻑さ86mm
太子香 主原料/沈香・白檀・貝香・甘松
芹摘姫香 主原料/沈香・白檀・丁子・芹花
太子の塗香(約3g)主原料/沈香・白檀・丁子・桂皮等生薬
姫の香油(15ml)/フランス製 (調香香料)
花摘香(ポプリ) /高51×幅90×奥行き156mm
発売日:2022年4月18日
小売価格:38,500円(税込み)
販売店:香十本店(銀座)、ESTEBAN TOKYO(銀座)、銀座三越ジャパンエディション、 築地本願寺オフィシャルショップ、香十オンラインショップ、ESTEBANオンラインショップ
発売元:株式会社 香十天薫堂
関連情報:https://ginza-kohbako.nipponkodo.co.jp/
構成/Ara