■連載/tofubeatsのユルッとガジェット探訪記
【第11回】トーフビーツの制作ツール(音楽以外の)
春の陽気が感じられる日が増えてきましたね。tofubeatsです。新年度もスタートということで新生活が始まった方なども多いのではないでしょうか?事務所の近くでもスーツ姿で挨拶回りをする新入社員らしき方々を見かけます。
そんな時期ではありますが私tofubeatsの方はひさびさの書き入れ時(?)が近づいております。4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」と人生初書籍「トーフビーツの難聴日記」が5月に発売になるからなんですよねえ。いやあ、我ながら気持ち良いまでの宣伝です。
今回はソフトウェア寄りの話にはなるのですが、アルバムや書籍制作で使った音楽制作用“以外”のガジェットやソフトウェアをご紹介できればと思います。
文章系のものは「Evernote」で!
基本的に普段の制作時や本連載の執筆でも使っているのが「Evernote」。2016年にEvernote社でインタビューを受けさせてもらった(なんだよこのIT系パーソンっぽい写真)こともあるヘビーユーザーでして、いまだにこちらがメインのメモ帳になっております。
当時からそうですが、原稿や歌詞、あとちょっとしたアンケートの回答や制作の方向性自体のメモなど、文章系のものはなんでもこれにメモするのが習慣になっています。歌詞は長年Evernoteでしか書いておらず、今回の書籍もEvernoteで全て執筆(執筆中のリンクは関係者にのみ共有)し、校正の時点でようやくテキストエディタに縦書きで流し込んでいただく形でした。本連載もEvernoteで執筆してそのまま共有リンクを@DIMEさんにお送りしております。今回のアルバムの歌詞などに関しては推敲や確認が終わったものはGoogle docsやスプレッドシートに展開し、スタッフに共有する形を取っていました。こうすると後半は共同作業もできて楽ですね。
書籍の校正に関しては毎回300ページ超のものが編集さんの手書きのスキャンデータで届いていたのでiPad Proで確認作業を行なっていました。「dropbox」で共有いただいたファイルを開いて自分で赤入れして戻すのに使っていたアプリが「Documents」。このアプリ、かなり最高のアプリで、解答などもできるファイルエクスプローラだけでなくブラウザ(VPNもいけます)まで付いているものです。pdfの編集機能も結構よくできていて、今回はApple Pencilで直接pdfに書き込んでの校正を行なっていました。このアプリ、iPhoneにも入れているのですが、音楽制作の方でも簡単な音源のチェックなどの場合はiTunes経由でなくAirdropやdropbox経由で音源をDLして聞くことができるのでかなり重宝します。iPhoneってairdropとかでiTunesに音楽の流し込みができないと思うのですが、「ファイル」アプリよりかなり音楽プレイヤーらしいインターフェース(リピートなども加納)で手軽に再生したり、プレイリスト的に並べることもできるので出先などで大いに役立ちます。
手書きのメモはRHODIAのNo.16一択!
実際の作業中、例えばCの次はEコードで…みたいな簡単なメモを取りたい時や会議中の一時的なメモは紙のメモを使います。結局音楽ソフトを使っているときやweb会議で資料などを開いているとEvernoteを表示する範囲が減っちゃいますからね。別でデバイス立ち上げるのも面倒ですし。で、この紙のメモはなぜかRHODIAのブロックメモと相場が決まっています。理由はもう覚えていないのですがいつもNo.16の黒表紙にしていて、こちらは書いたら捨てても良いような作業中の短期的なメモに使っています。昔はこの紙にTODOリストを毎晩書いて翌日にそれを処理していく方法を取っていました。
TODOリストに関しては現在は「Trello」を使っています。こちらは完全に個人でのポストイット的なものの代わりに使っているのですが、大小種類関係なくタスクは全部これに放り込んで作業を終わらせていくスタンスを取っています。楽曲の締め切りとちょっとした入金といった雑用が全て同じ行に入っていてなかなか壮観です。
あと制作のデータ管理に関してはdropboxで行っています。これまでは…というか今もあるのですが「Drobo 5Dt」をサブPCに繋いでデータサーバー的に運用しており、これで結構十分かと思っていたところ、数年前Droboがブチ壊れるという事件が起き、クラウド化を検討することに。現在はローカルにもデータは置きつつDropbox Businessで制作データを管理しています。アルバムのデータが出先で必要になっても回線速度さえあればどこでも呼び出せるので非常に重宝していますし、今回の書籍に関してもdropboxの共有ファイル上で作業を進めました。人にデータを渡すときもわざわざアップローダーにアクセスしないで良いので楽ですよね。
というわけでこんな感じのツールを駆使して制作された「REFLECTION」、そして「トーフビーツの難聴日記」は5/18発売!よろしくね!と締めるのも良いのですが、こういうツール、ほぼ自営業だとなかなか情報が入ってこないんですよね。識者からのこの作業スタイルへの改善案やご提案、いつでもお待ちしております…!
文/tofubeats
tofubeats
1990年生まれ神戸出身。中学時代から音楽活動を開始し、高校3年生の時に国内最大のテクノイベントWIREに史上最年少で出演する。その後、「水星feat.オノマトペ大臣」がiTunes Storeシングル総合チャートで1位を獲得しメジャーデビュー。森高千里、KREVA、藤井隆ら人気アーティストと数々のコラボを行い注目を集め、4枚のアルバムをリリース。最近では、テレビドラマや映画の主題歌・劇伴を担当するなど活躍の場を広げ多方面で注目されている。デジタルシングル「SMILE」「CITY2CITY」を連続リリースし、精力的に作品を発表し続けている。5月に4年ぶりのフルアルバム「REFLECTION」と人生初書籍「トーフビーツの難聴日記」が発売。