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オフィスに依存せず成果を出せる「テレワーク2.0」の会社とは?

2022.04.15

大半の企業はいまだ「テレワーク0.5」

ここ2年の間に、事務系の職種を中心に多くの企業がテレワークを導入した。

その中身は、自室のパソコンから社内システムに接続して事務作業を行なったり、Zoomなどを利用して社内外の人たちとミーティングをしたりする、というものだろう。

しかし、一部の業務については、従来どおり出社して処理するという体制の企業は少なくない。そうした折衷型のやり方を「テレワーク0.5」と呼んでいるのは、あまねキャリア株式会社CEO・沢渡あまねさんだ。

これまで350を超える企業・諸官庁の働き方改革を支援してきた沢渡さんは、テレワーク0.5の成否によって、さらにその方向を推し進める企業と完全出社型に戻る企業とに分かれるという。

前者はテレワーク1.0、後者はテレワーク0.0となるが、テレワーク1.0の先にはテレワーク2.0がある。

テレワーク2.0とはどんな世界なのだろうか?沢渡さんは、著書『どこでも成果を出す技術』(技術評論社)の冒頭で次のように記している。

“オフィスに依存せず業務を回せるだけでなく、新たな価値を発揮してあらゆる問題解決も図れる状態であり、リモートワークでもまったく不便を感じることはなくなっています。オンライン上でも社外のパートナーとつながって協業することが可能になり、新たな事業に進出することもできます。”

既にテレワーク2.0へ進んでいる企業は、さまざまなメリットを享受している。その例として沢渡さんは、地元でのみ取引をしていたベンチャー企業が、遠方の県とパートナー契約を結んだり、地方企業が、都心在住の経験豊富なマーケティング要員を雇用(もちろんフルリモート)できたりなどを挙げている。

「コロナ禍が終わったら、0.0に戻りたい」と考えている企業とは、今後大きな差が生まれるのは必定といえそうだ。

■必須スキルの1つ「ヘルプシーキング」とは?

ところで、0.5から1.0へ、そして2.0へと進化するには、個々人レベルでもスキルアップをはかる必要がある。

沢渡さんは、そのスキルとして、ロジカルコミュニケーションやセルフマネジメントなど8つを提示。なかには「ヘルプシーキング」という聞きなれない言葉もある。

これは、Help+Seekingで、字義通りには「助けを求める」という意味。「何か問題にぶつかったときに1人で抱え込むのではなく、まわりに援助や支援を求めながら仕事を前に進める力」のことだという。

ヘルプシーキングがスキルに含まれているのは、多くのビジネスパーソンは、与えられた仕事は独力で達成すべきものと思い込んでいるせいだ。

ましてや、「下手に助けを求めようものなら、評価が下がってしまう」という恐れもあるだろう。しかし、じかに対面せず仕事を進める世界では、ヘルプシーキングは「チームのために必須の行動」であると、沢渡さんは力説する。

そのヘルプシーキングが遠慮なくできるのに前提となるのが、職場の環境づくりだ。

例えばあなたの部署が、何を言っても否定的な雰囲気であればどうだろうか?そんな環境下では、困った状況に陥っても、とても相談できる気持ちにはなれないだろう。

逆にヘルプシーキングしやすいのが、メンバー同士がリスペクトし合っている職場になる。

沢渡さんは「リスペクティング行動」と呼んでいるが、そこでは個人の特性・事情を正しく認め合う、いい意味で和気あいあいとした雰囲気が満ちている。まずは、この環境づくりが大事となる。

■相手の役割・働きに「期待する」

沢渡さんは、リスペクティング行動として、具体的に10種類を挙げる。詳細は本書に譲るが、その行動の1つが、相手の役割・働きに「期待する」ことだ。

期待するといっても、心の中で完結してはいけない。以下のように、ちゃんと声に出して伝える。

「この仕事を通じて、当社のマーケティングの一連の流れを理解してほしい」
「このプロジェクトで、進捗管理の方法を学び、自分で実践できるようになってほしい」
「このプロジェクトでは、私は調整役に徹します。議論はみなさんで進めてください」

特にこれからの時代は、プロジェクトごとにチームが組まれる仕事のやり方が増えてくる。期待する役割をはっきり明示することに慣れておくよう、沢渡さんはアドバイスする。

もう1つの具体的な行動として「情報を共有する」を取り上げたい。意外かもしれないが、これもリスペクティング行動であり、共有しないのは「仲間はずれにされた」といった負の感情を招きやすい。

結局それは、「主体性や組織へのエンゲージメントを低下」させるだけになる。その点、オンラインでは簡単に関係者全員に一斉に情報を出せるので、リモート環境のメリットは大きい。

■助けを求めやすいのはビジネスチャット

実際にヘルプシーキングをしたい場合、どんな留意点があるのだろうか?

沢渡さんによれば、ポイントは「仕事の全体像を正しく示し、『自分は今ここで困っている』と現在地を明らかにし、足りないものを伝える」ことだという。頼み方としては、次のように明確に。

「納期を2日間延ばすことはできませんか?」
「この分野に強い人にサポートいただけませんか?」

こうしたやりとりには、Slackのようなビジネスチャットが有効。メールだと、どうしても形式ばってしまうし、送受信のタイムラグもデメリットになる。

また、オンラインでチームが一堂に会する定例ミーティングでも、各自の業務内容・強みを教え合うことで、「この人なら、△△分野の専門家を紹介してくれそうだ」などと目星を付けやすい。

他方で、メンバー同士が一対一で行なう、いわゆる1 on 1ミーティングについては、相手との相性もあり「過信は禁物」だという。

沢渡さんは、自身のブログでそのリスクを記している。そのなかで上司は、「古い価値基準での“べき論”を押し付けてしまう」、対して部下は「上司に押し切られそうで、なかなか意見を言えない」という悩みが出ている。沢渡さんの出した対策は、ファシリテータを入れて3人でするというものであった。

各企業にとって、テレワーク化の流れは、戻るか進むかの岐路にあるのは間違いない。今のトレンドを見て、テレワーク2.0を目指すのが自然な流れだと考える人は、早めに対策をとっておくべきだろう。沢渡さんの著作は、その道しるべとなる1冊としてすすめたい。

沢渡あまねさん プロフィール
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。『組織変革Lab』主宰。
あまねキャリア株式会社CEO/株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab取締役/株式会社NOKIOO顧問/ワークフロー総研フェロー。日産自動車、NTT データなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。著書として『バリューサイクル・マネジメント』『新時代を生き抜く越境思考』『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』『業務デザインの発想法』『仕事ごっこ』など多数。『どこでも成果を出す技術』は最新の著作となる。趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング推進者。

文/鈴木拓也(フリーライター)

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