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見た目は平成、中身は令和!パナソニック広島中町ビルに潜入してわかった新しい〝省エネオフィス〟の在り方

2022.04.14

働き方が大きく変化している昨今、ビルの管理・運用も大きく様変わりしています。

パナソニックの「広島中町ビル」は平成8年8月1日に竣工した築約25年のビル。

曲線をうまく活用しガラスを多用する外観は平成モダンなものですが、その中身は大幅にリニューアルが施され、令和の最新スタイルとなっています。

省エネも徹底し、2021年度の【省エネ事例部門】省エネルギーセンター会長賞を受賞している、広島中町ビルのスゴい中身をご紹介します。

2009年度から省エネに取り組み、2020年度に大幅リニューアル

パナソニックの広島中町ビルは、地下2階、地上7階建て約1万2000平方メートルのビルです。1996年に高効率機器とガス・電気のベストミックスを意識した熱源機器を導入し竣工しました。

そして、2009年度から本格的な省エネ改良を進めています。

広島中町ビルの省エネについて説明する、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 貝柄 学さん

同、パナソニック ファシリティーズ株式会社 木村 博保さん

2009年5月には空調熱源をオール電化し、原油換算削減効果24.4kLを達成しています。

さらに、2011〜2019年度にかけて、LED照明への更新を行い、約1600台の照明器具の交換らにより、年間消費電力を20万4321kWhから8万7925kWhまで削減することができました。これによる原油換算削減効果は29.9kLになります。

また、通信機械室のエアコンを2014年度に1台オフ。さらに、エレベーターホールの無駄な照明を消灯するなどの地道な省エネ努力により、原油換算削減効果で8.6kLを達成しています。

加えて、PCをスリープモードにする、夏場のトイレ便座ヒーターオフなど環境意識改革・行動変容でも省エネを実現。PCスリーブモードの設定徹底では、原油換算削減効果で1.5kLを達成しました。

継続的な省エネ活動を広島中町ビルでは行ってきましたが、2020年度に大幅な改修を行うこととなりました。

まずは、建物のハードのアップデートに対応するため、システム天井改修が施されました。

こちらは、天井面に配線ダクトを組み込んだ照明器具を配置し、レイアウトの自由度を向上させています。また、環境を考えた〝タスク・アンビエント〟照明は、作業時の明るさを確保しながらも、ベースとなる照明の照度を下げることを可能にし、省エネにつながっています。

さらに、各種センサにより人の密度を測定し、照明や換気設備をオートコントロールし、省エネを実現します。

たとえば、広島中町ビルの4F部分は執務の空間とされ、新たに「Sharedea(シェアディア)」と名付けられました。これは、〝アイデアをシェアする〟という意味だそうです。

こちらは、システム天井の改修の恩恵により、執務状況、出勤人数、タスクなどに応じて什器のレイアウト変更が容易となっています。

5Fは交流の間という意味で「commu(コミュ)」と名付けられました。

オフィスというよりカフェといった感じの空間で、観葉植物などが癒やしをあたえてくれます。

フロア奥には丸いテーブルやイスなどが配置されたウッディなスペースが用意され、「Flatty(フラッティ)」と呼ばれます。〝フラッと寄れるような場所〟という意味で名付けられたそうです。

フロア向かって右手は整然としたレイアウトの什器が備わります。

ただし、こちらもレイアウトフリーとなり、天井の配線レールから電源や照明を自在に取り回す事が可能です。

ミーティングスペースもプロジェクト次第で自在にレイアウトできます。

また、カーテンを工夫することで、積極的に建物外の昼光を活用。省エネと共に、ライフサイクルの良化にもつながります。

パナソニックの蓄電システム「e-block(イーブロック)」も活用されています。

スタンド型の専用充放電器「イーブロックスタンド」と組み合わせるなど、電源のレイアウトもフリー。災害への備えにもつながります。

ユニークなのは、会議室の照明です。カラー照明で壁面の色を夏場は寒色系に、冬場は暖色系へと変化させることで、一定時間体感的に温冷感を演出。空調の省エネにつなげていくそうです。

2008年度比でなんと49%削減! 今後もエネルギー使用量を前年比1%削減で継続していく

時代の流れに沿うべく、平成から令和へとビルのあり方を変えた、パナソニックの広島中町ビル。2009年度からの取り組みの成果として、エネルギー使用量を2008年度と2020年度と比較した場合、約半減となる49%もの削減に成功しました。これは、原油換算で197kLもの削減となるようです。

そのおかげもあり、省エネ大賞を受賞しましたが、この成果に留まることなく、今後もエネルギー使用量を前年比1%で削減し続けていくそうです。たとえば、電力計測器や変圧器の更新などを予定し、さらに環境意識を共有するべく、ミーティングなどを重ねていくとのことです。

省エネはビルを運営・利用する多くの方にとって、対処しなければならない喫緊の課題といえるでしょう。また、LED照明化などの施設更新時にシステム天井改修などを行えば、レイアウトフリーを実現するなど、働き方の改革にもつながるはずです。

パナソニックの広島中町ビルのリニューアルを参考に、みなさんもビルのあり方を再考してみてはいかがでしょうか?

取材・文/中馬幹弘

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