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離婚に関連する慰謝料はどんな場合に支払い義務が発生するのか?

2022.04.14

「離婚=慰謝料」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし実際には、離婚慰謝料は常に発生するわけではありません。また、離婚に関して他に重要な論点があり、慰謝料は比較的些末な問題というケースもあります。

今回は離婚慰謝料の実態について、請求の要件・請求できる場合の具体例・金額目安などをまとめました。

1. 離婚慰謝料は必ず発生するわけではない

「慰謝料」の印象が強くなりがちな離婚ですが、法的には、離婚慰謝料が発生するケースは一部に限られます。

1-1. 不法行為が成立する場合のみ、離婚慰謝料が発生する

離婚慰謝料は、離婚によって被った精神的損害に対する賠償金です。

夫婦の合意があれば、どのような場合でも離婚慰謝料を精算して構いません。しかし法的には、いずれか一方に「不法行為」(民法709条)が成立する場合にのみ、離婚慰謝料の支払い義務が発生します。

「不法行為」とは、故意または過失により、違法に他人に対して損害を与える行為です。離婚の場合、主に法定離婚事由(民法770条1項各号)を意図的に作出する行為について、不法行為の成立が認められます。

1-2. 離婚慰謝料が発生する場合の具体例

典型的には、夫婦の一方に以下のいずれかの行為が認められる場合、不法行為が成立し、離婚慰謝料の支払い義務が発生します。

①不貞行為

配偶者以外の者との性交渉を意味します。一般的には「不倫」とも呼ばれています。

②DV(ドメスティック・バイオレンス)

配偶者に対する暴力を意味します。

③モラハラ(モラル・ハラスメント)

配偶者に対する精神的な攻撃を意味します。

(例)侮辱、過度な束縛など

④悪意の遺棄

夫婦の同居義務または協力扶助義務に違反する行為を意味します。

(例)無断別居、生活費を支払わないなど

上記以外にも離婚慰謝料が発生するケースはあり得ますが、不法行為と評価すべき程度の違法性が認められることが必要です。

2. 著名人離婚の高額「慰謝料」報道、実態は?

最近ではプライバシーへの配慮等によってあまり目にしなくなりましたが、以前は芸能人などの著名人が離婚をする際に、高額の慰謝料が授受されたと報道されるケースがよく見られました。

しかし、著名人の離婚に関して報道されていた高額の「慰謝料」には、法的な意味での慰謝料だけでなく、財産分与も含まれていたものと考えられます。

不法行為に基づく離婚慰謝料の金額は、支払う側の資産や収入が多額であるとしても、法的にはそれほど増額の影響を受けないと解されています。これに対して、夫婦の共有財産を公平に分ける財産分与の金額は、婚姻中に稼いだ収入額に大きく左右されます。

そのため、あくまでも推測に過ぎませんが、財産分与を含めたあらゆる金銭の支払いを、「慰謝料」と一括りにして報道していたケースが多かったのではないかと思われます。

3. 離婚慰謝料の金額目安は?

離婚慰謝料の金額は、基本的に夫婦間の話し合いによって決まります。そのため、夫婦が合意さえすれば、どのような金額の離婚慰謝料を取り決めても構いません。

ただし、話し合いがまとまらなければ、最終的に審判や訴訟に発展します。審判や訴訟では、原因となった不法行為の内容や悪質性などに応じて離婚慰謝料の金額が決められますので、話し合いの段階でも、審判や訴訟で認められそうな金額を意識した交渉が行われるのが一般的です。

客観的な離婚慰謝料の金額はケースバイケースですが、おおむね100万円~300万円となるのが標準的です。不法行為が悪質なものであれば高額になる一方で、お互いに悪い部分があったようなケースでは低額に抑えられる傾向にあります。

4. 不倫の場合、離婚慰謝料は不倫相手にも請求できる

配偶者の不貞行為(不倫)が原因で離婚に至る場合、離婚慰謝料は配偶者だけでなく、不倫相手にも請求できます。

この場合、不貞行為の被害者は、客観的な離婚慰謝料の全額を、配偶者と不倫相手のどちらにいくら請求しても構いません。請求を受けた配偶者または不倫相手は、ひとまず自分で被害者に対して離婚慰謝料を支払い、後日配偶者と不倫相手の間で「求償」により精算することになります。

5. 離婚時に取り決めるべき、慰謝料以外の条件

夫婦が離婚をする際には、慰謝料だけでなく、以下に挙げるさまざまな事項を取り決める必要があります。

①財産分与

夫婦が婚姻中に取得した財産等を、公平に分割します。

②婚姻費用

離婚前に別居期間がある場合、別居期間中の生活費等を収入に応じて精算します。

③親権

子どもの親権者をどちらの親にするか決めます。

④養育費

親権者でない側が親権者に対して、子どもの養育にかかる費用をどのように支払うか決めます。

⑤面会交流の方法

親権者でない側が、離婚後に子どもと交流する際のルールを決めます。

離婚に関する協議を行う際には、慰謝料だけに捕われずにバランスよく交渉して、自分にとって大事なポイントで有利な条件を得られるように努めることが大切です。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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