ホームメイド焙煎
コーヒーを好む人なら、淹れ方にはそれなりのこだわりがあるだろう。では、もう一歩進んで、豆を焙煎してみるのはどうだろうか? きっと、新たな世界が広がるはずだ。
始めやすさ ★★☆ 難易度 ★☆☆ コスト ★☆☆
極上の一杯のために五感を研ぎ澄ませて
理想の味わいを求めるなら、自ら豆を煎る。それは、コーヒー愛好者にとっては至極自然な選択だと、『キーコーヒー』直営の焙煎施設でローストマイスターを務める林稔さんはいう。
「コーヒーのおいしさには、〝メンタルテイスト〟も大きく関わってくると思うんです。飲む環境、時間帯といった、あらゆる条件が自分を満たしてくれるものであればあるほど、味わい深いものになる。そう考えると〝どんな豆で淹れるか〟も、こだわらずにはいられないポイントです」
その究極が、生豆からローストするホームメイド焙煎なのだという。
「豆を煎る過程では、色・音・香り、それぞれの変化を逃さず観察する必要があります。ひとりで没頭する趣味としてはもってこいですし、大好きなコーヒーのために五感をフル活用することは、最高のリフレッシュになるはずです」
豆を火にかけてじっくり煎ること10〜12分。自分好みのロースト具合に仕上げることができるのも魅力だ。まずは煎りたての香りを楽しみ、2〜3日、4〜5日と寝かせるほどに味がなじんでいく過程を味わうのも一興。最大級にコーヒーを楽しめるソロ活といえるかもしれない。
キーコーヒー 林 稔さん
日本を代表するコーヒー製造・販売店『キーコーヒー』直営の焙煎施設『錠前屋珈琲』にて、ローストマイスターを務める。http://www.keycoffee.co.jp/
ホームメイド焙煎基本の3step
01 生豆と焙煎器具を用意する
下の写真のアイテムが基本の道具。生豆を火にかけた後は常に揺らしながら仕上げていくので、豆がこぼれ落ちないフタ付きの手網を通販やホームセンターなどで手に入れるといい。
左上から時計回りに、カセットコンロ、計量カップ、うちわ、軍手、手網、ストップウオッチ、生豆、スケール。
02 ストップウオッチをセットして焙煎スタート
手網に生豆をセットしたら、中火よりやや弱めの火加減で煎っていく。ストップウオッチで時間を確認しながら進めよう。火から近すぎると焦げるし、離れすぎても時間がかかるので、常に色・音・香りをチェックして火との距離を調節する。
豆が弾ける独特のパチパチ音〝ハゼ〟を聞き逃さずに。
03 焙煎後、冷却
好みの焙煎具合で火を止めたら、手網に入った状態ですぐにうちわであおぎ、粗熱を取る。こうすることで、豆自身の発熱による焙煎の進行が防げる。その後、平らな器に移し、2〜3分冷ます。ローストしたての香りは格別だ。
Let’s challenge!
〝三たて〟を完成させるためのおいしいコーヒーを淹れるコツ
コーヒーをおいしく淹れる条件のひとつが「煎りたて、挽きたて、淹れたて」の〝三たて〟。それには淹れ方も重要。ドリッパーは温め、注ぎ口の細いケトルで粉全体にゆっくり湯を注いでしっかり蒸らす。その後、ドリッパーの中心から円を描くように注ぎ、抽出する。
取材・文/坂本祥子
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