
製品、パッケージ、サプライチェーンにおけるサステナビリティへの取り組みで業界をリードするデル・テクノロジーズが2022年4月5日、法人向けクライアント新製品の発表会を完全オンラインにて開催。デル史上最もサステナブルなノートPCとなる「Latitude 5000 シリーズ」をお披露目した。
Latitude 5000シリーズはデルで最も多く生産されているPCで、これに関するサステナビリティーへの投資は大きな効果につながるという。
最新のLatitude 500シリーズでは、リサイクル素材や再生可能素材の使用を増やすために、以下のような設計が行なわれている。
・ノートPCの天板は、製紙業界からアップサイクルされた樹木由来のバイオプラスチック(21%)や再生炭素繊維(20%)、使用済みプラスチック(30%)など、71%がリサイクル可能かつ再生可能な素材で作られている。PCパーツのうち2番目に重い天板に着目し、製品のCO2排出量や水、消費電力を削減。
・システムのベース部分には、再生炭素繊維(20%)とヒマシ油(39%)から作られた新しいバイオベースのゴム足を使用。この再生可能な素材は石油系素材への依存を低減できる。
・Latitude 5000シリーズは、デルの海洋プラスチックの使用における重要なマイルストーン。そんな海洋プラスチックの使用の対象を梱包材から製品へと拡大。また、ファンのケース(28%)にも海洋プラスチックを使用した。
・Latitude 5000シリーズを保護するための梱包材は、100%リサイクルまたは再生可能な素材で作られており、さらにすべてリサイクル可能。
中でも今回の梱包材は初の導入。電源コードや書類などの梱包材を従来のビニール袋から紙製に変更し、サステナブルな方法で調達された竹とサトウキビ繊維パルプから作られたインナートレイを備えた配送用リサイクル段ボール箱を採用。さらに紙製テープを採用し、ビニールテープの使用により発生する可能性のある廃棄物汚染を低減した。
この新しい梱包材は、Latitude シリーズ ノート PC、Precision モバイルワークステーション、XPSシリーズのデバイスの新製品すべてに展開されるため大きな影響を及ぼす展開になるという。
デル・テクノロジーズのクライアント プロダクトグループ担当シニア バイスプレジデントのRahul Tikoo氏は、次のようにコメントしている。
「当社の目的は、人類の進歩を促進するテクノ ロジーを創造することです。そして、将来の世代のために物事をよりよく変えていく機会に刺激を受けています。
これは、環境への影響や廃棄物、排出物を減らすために新たな方法で製品を設計し、梱包していることからも明らかです。
私たちは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)におけるリーダーシップを基盤に、さらに一歩進んで製品ライフサイクルのあらゆる段階を継続的に精査、再精査し、今後さらにサステナブルな製品を提供してまいります。」
デルでは、2030年までに以下の「ムーンショット ゴール」を目標に掲げている。
・ユーザーが購入するすべての製品について、同等の製品を再利用またはリサイクル
・梱包材の100%をリサイクル素材または再生可能な素材から作成
・製品内容の半分以上をリサイクル可能または再利用可能な素材から作る
今回の新しい梱包材は全てがリサイクル素材、再生可能素材となるため、2030サステナビリティー目標を達成した。
2021年World’s Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)の1つとして7年連続で選ばれているデル。創設者であり会長兼最高経営責任者Michael Dell氏が唱える「テクノロジーと人類が協力して私たち皆に明るい未来の創造を」が着実に進んでいる。
こうしたPCベンダーによるサステナブルな取り組みは、レノボやHPなども積極的に行なっているため、今後、テクノロジーとサステナブルの融合がさらに加速しそうだ。
関連情報:https://www.dell.com/ja-jp
文・構成/小櫃謙