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やりたいことがない人必読!夢を叶えるために〝キャリアを寄り道する〟という生き方

2022.04.05

キャリアは寄り道だらけでOK!

「キャリア・トランジション」という言葉がある。

平たく言えば「キャリアの転機」のこと。同時に人生の転機となることも多い。人生百年が絵空事でなくなった今、誰でもいつかキャリア・トランジションに突き当たって、悩みに悩むことはあるかと思う。

「北欧好きをこじらせた人」こと、chikaさんもその1人。物心ついた頃から北欧(特にフィンランド)が好き。長じて、新卒として入社したのが、北欧のアーティストを招聘してコンサートなどを主催する会社。

その後、紆余曲折あって、今は寿司職人を目指しているという、キャリア・トランジションのベテラン(?)だ。2月には、関連エピソード盛りだくさんの著書『北欧こじらせ日記』(世界文化社)を上梓している。

そんなchikaさんの体験談からは、コロナ禍やらライフ・シフトやらに翻弄される若手世代が得るものは多い……というわけで、chikaさんにそのあたりを伺った。

■就職先でやりたい事の無い自分にショック

chikaさんが、フィンランドが気になる存在になったのは8歳の頃だという。通っていた英会話スクールで、「フィンランドに住むサンタさんに手紙を書く」という課題があり、ここで興味を持った。

「フィンランドに住みたい」とまで思うようになったのは、大学3年生の就活前。お金を貯めてフィンランドへ一人旅行を敢行して、その魅力にはまってしまう。

で…

ーー日本に帰ってから、就職先として北欧と関係のある企業を探したのですね。いろいろあたって、北欧と縁の深い会社に晴れて入社。キャリアスタートは、どんな感じでしたか。

「“大好きなフィンランドに携わりたい”という気持ちで、ネットで探した小さな北欧系の音楽会社に入社しました。その会社は、私を含めて社員数名。北欧アーティストのイベントを全国のコンサート会場に売り込みにいく営業を担当しながら、ツアーアテンドからコンサート運営まで何でも任せてもらえる環境でした。

やりがいのある仕事でしたが、2年目に入る頃には“頑張れない自分”に悩むことも増えていきました。今でも鮮明に覚えているのは、あるイベント企画を『あなたの好きな様にやってみていいよ』と任された時のこと。

アーティスト選定から開催エリアまで全て自分で決められるチャンスだったのに、「何がしたい?」と言われた時に、何も答えられなかったんです。

せっかく無理を言って入社した会社で、やりたい事の無い自分にショックで…。その時に“入社がゴール”になっていて、その先にやりたいことが無かったことに気づきました。

結果的にその会社は、入社2年目に「このままだと会社が無くなる」という状況になり、“せっかく入社させてもらったのに、会社のために何もできなかった”という罪悪感を抱えながら、転職活動をすることになりました」

最初の就職先は2年で去ることに…(『北欧こじらせ日記』より)

■北欧と関連のない企業に入ったのが大きな転機に

新卒で入った会社を辞めたchikaさんは、次の就職先を見つけるべく、転職エージェントに登録。登録時の面談で、ほかでもないその転職エージェント自身への就職をすすめられて入社する。

ーー北欧の「ほ」の字もない企業だと思いますが、そこで積み重ねた知識や経験は大きなものがあったようですね。

「まずはその会社に入る時の面接で、『あなたは今まで好きなことに携わりたかっただけで、そこでやりたいことはなかったんでしょう。だから今も何がしたいか分からないのでは?』という言葉をいただいて。

厳しいけれど、図星でした。

同時に、『もし当社で3年間本気で頑張ったら、できることが増えて、その分選べる選択肢も増える。やりたいことも見つかるだろうし、それを選べる人にも必ずなれる』という言葉もありました。

その時に、これから『好きなことに携わるのではなく、好きなことを守れる力をつけたい』と思い、入社を決めました。今まで何事も飽き性で、“頑張りきれない”自分がコンプレックスだったこともあり、この3年間は本気でゴールテープを切ることを目標にしました。

「ゴールの見えない長距離走は苦手だけれど、短いゴールを自ら設定して走り切る短距離走は得意」だという自分強みにも気づくことが出来ました。

また、“3年後にはこのキャリアを終える”とゴールが決まってるなかで、その先の進路を考える時間を持てたことも財産になりました。

“期日があるからこそ、これから先何をしたいか?”と考える中で、やっぱり私は北欧が好きなんだと気づくことができました。

今思えば、前職を退職してから北欧と距離を置いたことで、改めて好きな気持ちに気づくことが出来たのだと思います。それからは“将来北欧カフェをするのはどうだろう?”と、週末カフェで修行を始めたり、北欧ヴィンテージショップを運営してみたり…。

会社員との兼業でいろんなチャレンジをしながら次の道が見えてきました。この会社で期限が決まったキャリアを持てたことが、全ての転機になったのだと思います」

まさかの転職エージェントへの転職が転機に(『北欧こじらせ日記』より)

■フィンランドで寿司職人を目指すはずが中国へ

一時は北欧と距離を置くも、再び北欧愛に目覚めたchikaさん。ついに、フィンランドに移住して、そこで勤め先を見つけるという決断をする。フィンランドの求人サイトを見ると、寿司職人の求人が思いのほかあることに気づく。たしかにフィンランドに寿司屋は多い。が、日本人の板前はそうそういない…

ーーというわけで、寿司職人への道を模索されたのですね。はたから見れば、大英断あるいは無謀とも思えるのですが、決意は固かったよ、と。この大転換は、どんな道筋をたどりましたか。

「カフェ修行中、当たり前なのですが飲食業の大変さを痛感して。“どうせ苦労するなら、本当にやりたいことで苦労した方がいい。それなら、フィンランドで挑戦しよう!”という発想の大転換がありました。

現地でお店をやる方法を調べるうちに、日本人であることを生かせて、フィンランドで求人も多い寿司職人に興味を持ちました。

いろいろなチャレンジをする中で、自分にとって大事なキャリア観は“世界中どこにいても、何歳になっても、自分らしさを生かして誰かに喜んでもらえること”だと気づき、寿司職人はそれも叶うのではと魅力に感じました。

早速、寿司学校を見つけて平日夜に開講する3カ月のコースに入学することにしたんですが、学校側の都合で申し込んだコースが中止になってしまったんです。

せっかく夢に踏み出せると思っていた矢先の失速に落ち込んでいたとき、会社の先輩から「海外勤務の選抜試験があるから受けてみたら?」と電話がかかってきたんです。

締め切り15分前だったのですが、5分で申し込みをし、その後無事に社内試験を合格して、中国・広州に約1年間赴任することになりました。」

フィンランドの寿司職人になる道を模索するが……(『北欧こじらせ日記』より)

■中国でさらに大きな学びと気づきを得る

まったく予想もしない中国勤務を決めたchikaさんだが、心にある思いを秘めていた。それはこの赴任期間を「モラトリアム」にするというもの。この間は、とりあえずフィンランド移住はおあずけ。まったく馴染みない世界で、さまざまなことを吸収しようと決める。

ーー中国赴任時の出来事は、『北欧こじらせ日記』ではほとんど触れられていませんが、これはというエピソードや気づきなどありますか。

「どこに行っても生かせる自分らしさ、に気づいたことでしょうか。中国に行く前は、これまでの日本での成功体験も、自分の強みも全てがゼロの状態になると思っていました。

実際、赴任後は中国語もわからないのでお客様の社名すら読めず、配属初月の売り上げは0元。何なら引き継ぎ段階で顧客からのクレームまで頂いてしまいました。

そんな自己評価は散々な赴任初月に、社内で“最も影響を受けた社員”に投票制で贈られる影響力賞に選んでいただいたんです。

投票には“誰より一生懸命に仕事をしている/常に自責で丁寧な謝罪対応を見習いたい/海外生活もすぐに馴染んでくれて一緒に働けるのが毎日楽しい”など、売り上げだけではない働くスタンスへのコメントに溢れていて。

今までは「いかに成果を出すか」ばかりに気を取られていたけれど、「一人前じゃなくても、在り方ひとつに大事な影響力がある」ということを、中国の仲間が教えてくれました。

たとえ仕事や環境が変わっても、その人の在り方は残るし、伝わる。そんな学びは、今後どんなキャリアチェンジをしても生きていくと思うし、自分自身の仕事への向き合い方をないがしろにせず大事にしようと思うきっかけにもなりました。」

まったく想定していなかった世界にチャレンジ(『北欧こじらせ日記』より)

■夢は願い続ければ叶う

chikaさんは、中国駐在中に起こった新型コロナのパンデミックで、日本の本社からの辞令で急遽帰国。今は日本で暮らしている。

世の中がすったもんだする中、フィンランドで寿司職人の夢はまだあるのだろうか、という最後の質問にchikaさんはこう答えた。

「中国からの緊急帰国後は、会社員を続けながら念願の寿司学校に通い、お寿司屋さんでの寿司修行も続けてきました。そしてついに今年、フィンランドで寿司職人になりたいという夢が叶い、4月から現地で働けることになりました。

コロナ禍の挑戦でしたが、夢は願い続ければ叶うのだと感じました。フィンランドに行ってからも、“自分らしいスタンスを大事に“そして“まずは3年”という今までの学びを教訓にしながら、夢の先に何が見えるのかを楽しみに頑張りたいと思っています」

「キャリアは一本道。初志貫徹こそ大事」と考える人が少なくないなか、chikaさんのキャリアづくりは逆に刺激的で、学べる点は多々ある。

特に若いうちは、ちょっと冒険しても、自分の夢へ突き進むのもアリではないか。夢はあっても勇気は足りない方に、chikaさんの生き方は大いに励みになるはずである。

文/鈴木拓也(フリーライター)

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