元総菜店店主 小野寺美香さんのソロ活は「金継ぎ」
料理好きの小野寺さんが没頭するのは、陶磁器の破損を漆で接着し、金属粉で装飾して仕上げる日本伝統の修繕法、金継ぎ。筆を持つその手の先には、愛おしい器たちが。
Profile
大阪府出身。昨年まで都内で総菜店を営む。現在はご主人の海外赴任に帯同するための準備をしながら、趣味としての金継ぎを楽しむ。
「この器を、また食卓に並べたい」。その一心で──。
以前はお総菜店を営んでいたほどの料理の腕前を持つ小野寺さんにとって、器への思い入れもひとしお。
「欠けたり割れたりしていても捨てられないお気に入りたちがたまりにたまっていて、いつか自分自身で修繕したいと思っていました」
初めは単発のワークショップに参加してみたものの、やはり「しっかり学びたい!」と思い金継ぎ教室へ。元来、細かい作業を黙々とこなすのが好きなこともあって、いざ通い始めるとすっかり夢中に。今は、自分の手で器が蘇るのがうれしくて仕方がないのだそう。
「一度に傷を埋めることはできないので、0.5〜1mmずつ漆で埋めては乾かしての地道な作業を繰り返します。最後の仕上げまでは意外と時間がかかるのですが、だからこそ愛着も増すし、完成した時の達成感もあるんです」。
継ぐことで、シンプルなものにも個性が加わったり、アートのように新たな絵柄が生まれたりするのも楽しいのだという。手持ちのものはもちろん、友人の器を預かって修復することも。
「大切なものを託されている分、相手の喜ぶ顔が見たくて気合いが入ります。自分のものを繕う時は、『出来上がったら何を盛り付けよう?』と想像を膨らませながら作業をするので、料理の意欲も湧いてきますね」
実はパートナーの仕事の関係で海外での生活が決まっている小野寺さん。
「日本を離れるまでにしっかりと技を習得して、金継ぎの文化を海の向こうにも伝えられたら……と、そんな淡い夢も描いています」
繊細な作業こそ没頭できる!
割れてしまった箇所を「麦漆」と呼ばれる接着剤で貼り合わせ、表面をなめらかに整えたら、漆を塗っていく。仕上がりに大きく関わる工程だからこそ、集中力が必要。
筆、ヘラ、生漆、金粉……。金継ぎに必要な道具たち。
まだ傷を埋めている過程の、修繕中の器たち。
こんなふうに蘇ります
大胆に割れていたものも、こうして再生。「以前はついつい器に散財してしまうことも多かったのですが、金継ぎを始めてからは、手持ちのものを大切に長く使うようになりました」
【ソロ充POINT】
「料理も好き、器も好き」という小野寺さん。自分が心躍るものにもつながっている金継ぎを選んだのが成功の秘訣。マイペースに楽しめるのも重要だ。
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取材・文/坂本祥子
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