〝釣りも商品開発も試行錯誤の繰り返し。
じっくり考えても、試してみなければ結果はわかりません〟
キングジム
宮本 彰社長×ソロ釣り
Profile
1927年に創業以来、独創的かつ超定番となったファイル用品を数多く開発するキングジムの4代目。『テプラ』をはじめ、常に新しい市場を切り開いてきた事務用品のパイオニア。
「世界を巡ってあらゆる釣りをしてきた」という宮本彰社長が、最終的にたどり着いたのが特に集中力を必要とするヘラブナ釣り。釣りがビジネスにも通ずるというそのわけを聞いた。
〝常に工夫をして挑戦する〟釣りもビジネスも同じ
一般的な認識では「キングジム=事務用品メーカー」だが、釣り好きの間では「キングジム=釣り師・宮本さん」というほど、釣り業界ではよく知られた存在のキングジム代表、宮本彰さん。仲間と一緒の釣行も楽しいが、同じように単独で楽しむソロ釣りも大切にしているという。
「ひとりで釣りをする時は、本当に没頭している感じ。今は繊細なヘラブナ釣りに夢中なので集中力が研ぎ澄まされますね」
一般的に釣りはじっと〝待つ〟ものだと思われがちだが、エサ、浮き、おもりなどの組み合わせを常に考えて適時変更していく〝動きのある〟趣味だという。
「今日はどのエサが合っているのか、魚を針の近くにおびき寄せて、釣るためにはどうしたらいいか。ヘラブナ釣りは、はたから見ると静かですが、頭は常にフル回転させています。エサや浮きの種類など、無数の組み合わせから、最適と思われる仕掛けを作り、試すことの繰り返しです。いろいろと考えても最終的には釣ってみないとわからないところがおもしろい」
ヒットを生み出す秘訣として、「10回試してみて売れるものは1回あればいい。まずは試してみてダメなら撤退する」と、常々語っている宮本さん。まさにヘラブナ釣りに通じるものがある。
「他人が必要なものは、ある程度は自分で考えることはできます。でも最終的には、実際に売ってみないとわからない。チャレンジと試行錯誤が、釣りにも経営にも大切なんです」
ダイナミックなルアーフィッシングに魅せられた時も。積極的にルアーにアタックしてくるシイラ(写真)やロウニンアジとのファイトは、忘れられない思い出のひとつだ。
「長さが5mm違うだけで釣果が全く違う」というヘラブナ用の浮き。状況に合わせて編成を変えていく、成果を上げるための大切なパートナーなのだ。
【ソロ活×ビジネスの流儀】
チームでいることに疲れる時もある。ひとりで浮きの動きに集中する時間も大切で、〝無〟になることで仕事への向き合い方が見つかることもある。
取材・文/今 雄飛
@DIME公式通販人気ランキング