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年金制度改正に伴う「繰り下げ受給」「繰り上げ受給」を上手に活用する方法

2022.04.03

2022年4月から「年金制度改正法(2020年5月成立)」の制度の適用が開始されました。

今回は、なかでも「年金の繰り上げ受給の減額率の見直し」のポイントについて詳しく解説していきます。

「年金の繰り上げ受給の減額率の見直し」とは

公的年金の受給開始年齢は、原則65歳となっていますが、現行制度では、希望により65歳より前から受給を開始することができます。

これを繰上げ受給といいますが、年金額は繰上げ請求をした月から65歳到達月の前月までの月数によって、これまではひと月あたり0.5%(最大30%)減額されていました。

2022年4月から、この繰り上げ受給の減額率がひと月あたり0.5%から0.4%に変更されます。

対象者は、令和4年3月31日時点で、60歳未満の人(昭和37年4月2日以降に生まれた人)となります。昭和37年4月1日以前生まれの人については、現行の減額率(0.5%)から変更はありませんので注意してください。

なお、今回の「年金制度改正法」の適用では、「年金の繰下げ受給の上限年齢引き上げ」も行われています。

「年金の繰下げ受給の上限年齢引き上げ」では、令和4年4月から繰り下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられます。繰下げ増額率は1月あたり、プラス0.7%となり、最大プラス84%の増額率となります。

「年金の繰下げ受給の上限年齢引き上げ」と「年金の繰り上げ受給の減額率の見直し」をあわせて厚生労働省では「受給開始時期の選択肢の拡大」としています。

出典:厚生労働省ホームページ

「年金の繰上げ受給の減額率の見直し」のポイント

今回の改正内容のポイントをいくつか解説します。

1. 減額率の変更

今回の改正により、年金を繰上げ受給した場合の減額率が減少しています。

最大30%の減額率が最大24%になりますので、繰り上げ受給を申請しても減額される額が最大で6%減少します。

出典:日本年金機構ホームページ

仮に、本来の年金額が180万円(月15万円)の人が最大まで減額とした場合、最大30%の場合は126万円(月10.5万円)、24%の場合は136.8万円(月11.4万円)となります。

2. 繰上げ受給を検討しやすくなる

繰上げ受給を申請することで減額される年金額が減ることになりますので、健康や就業上の問題から、65歳より前に年金を受給したいと考える人にとっては、繰上げ受給の申請が若干ではありますが検討しやすくなります。

ただ、一概に「それならば繰り上げ受給を申請した方がいい」と安易に考えるのは誤りです。

減額率は下がるものの、減額されることには変わりがありません。減額後の年金額で生活できるのかはよく見極める必要があります。

3. 受給開始時期の選択肢の拡大

「年金の繰下げ受給の上限年齢引き上げ」と「年金の繰り上げ受給の減額率の見直し」をあわせて厚生労働省では「受給開始時期の選択肢の拡大」としているとおり、今回の改正により「いつからいくらで年金の受給を開始するか」という選択肢が広がりました。

健康面や就業状況に不安がある人は年金の繰上げ受給を検討し、健康面での問題が少なく就業を継続できる環境が整っている人は年金の繰り下げ受給を検討するといった具合に、自身の健康面や就業状況に合わせて、年金の受給開始時期を選択することができます。

「年金の繰上げ受給の減額率の見直し」で得する人、損する人

今回の改正で得をするのは、端的に言えば「65歳より前から年金を受給したい人」です。

厚生労働省「令和2年高年齢者の雇用状況集計結果」によれば、65歳まで、または66歳以上働ける企業の割合は年々増えているとはいえ、まだまだ60歳を定年としている企業も多く存在します。
また、60歳以降、雇用を継続することができても収入が減少する人も多く、健康であっても就業上の問題から年金に頼らざるを得ない人もいます。

日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳(厚生労働省「簡易生命表」(令和2年))となっていますが、本来の年金額が180万円の人が男女の平均寿命に近い85歳まで年金を受給すると仮定し、単純に計算すると、本来の年金額である180万円×85歳までの20年で3600万円の年金を受給できることになります。

これを繰上げ受給し、24%減額された136.8万円(月11.4万円)を85歳までの25年間受給する仮定し、単純に計算すると、136.8万円×25年で3420万円となります。繰上げ受給をすると、長生きすればするほど、生涯で受給できる年金の総額に差が出てしまいます。

繰上げ受給をするのであれば、年金だけでは不足する資金を綿密に計算し、あらかじめ十分な貯蓄もしておいたほうがよいでしょう。

「繰り下げ受給」「繰り上げ受給」を上手に活用するには

年金の繰上げ受給は、健康面や就業面での問題にとらわれることなく、早い年齢から年金を受給できる安心感があります。しかし、受け取れる年金が減額されるため、減額となった年金だけでも生活できるかは熟考しなければなりません。

受け取れる年金額が多い(または支出が少ない)人なら安心ですが、減額後の年金では生活できないと感じるなら、不足分は貯蓄などで補う必要があります。

繰り下げ受給は、受け取れる年金額を増やすことができることから、本来の年金額だけでは生活できないと感じる人には利用しやすい制度です。働けるうちは働いて、年金だけで生活できる金額まで年金を増額させてから受給を開始すれば、老後資金が不足している人も年金だけで生活することが可能になる場合があります。

いずれにしても、1人1人の事情に合わせた選択が必要になります。安易な選択をせず、メリット・デメリットを熟考した上で検討しましょう。

参考:4月からの年金制度改正「繰り下げ受給の上限年齢引上げ」を上手に活用する方法

※データは記事執筆時点での情報。公開後に制度や内容が変更される場合がありますので、最新の情報についてはホームページなどでの確認をお願いします。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖 (講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他 

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