
パナソニックのリニアシェーバーが「6枚刃システム」を搭載して新登場
国内だけでなくグローバル的にも市場を牽引するパナソニックのリニアシェーバーが、約10年ぶりのフルモデルチェンジ。従来の5枚刃からさらなる進化を遂げた新開発「6枚刃システム」を搭載して、6月6日に発売されることがアナウンスされた。
そこで今回は、先日開催された新製品発表会とデモンストレーションの様子、さらに担当者への特別インタビュー通じて、新型ラムダッシュ6枚刃シリーズの特徴とその可能性についてお伝えしていきたい。
パナソニック
リニアシェーバー ラムダッシュ 6枚刃 ES-LS9AX
本体寸法/高さ172×幅72×奥行き59mm、約220g(キャップを除く)
パワーコントロール/ラムダッシュAI
外刃/新6枚刃システム(ステンレス刃物鋼6枚刃)
内刃/30°鋭角ナノエッジ内刃
駆動/リニアモーター高速駆動(約14,000ストローク/分)
電源/充電式(急速1時間充電)
防水/防水設計(IPX7基準 ※)
主な付属品/全自動洗浄充電器、USB充電ケース(ES-LS9AXのみ付属)
発売日/2021年6月6日発売予定
◎ES-LS9N:全自動洗浄充電器、セミハードケース付属
◎ES-LS5A:ポーチ付属
※水深1mに30分間水に浸けても有害な影響を生じる量の水の侵入がない検査をクリアしています。
というわけで、早速発表会の様子からお伝えしていきたい。会場となったのは、なんと能舞台。東京・銀座のGINZA SIXの地下にある観世能楽堂で開催されたのだ。これもラムダッシュがMade in Japanを強く意識したモノ作りを追求しているため。
当日登壇したパナソニック株式会社 ビューティー・パーソナルケア事業部 林眞一事業部長によれば、滋賀県の同社彦根工場で一貫生産を行う意義は非常に大きいという。
会場は東京・銀座のGINZA SIXの地下にある観世能楽堂
具体的には、まず「刃の製法」があげられる。ラムダッシュの刃は素材にステンレス刃物鋼を使い、伝統的な日本刀と同じ鍛造製法で作られている。そしてラムダッシュ専用に開発された1万4000ストローク/分(1秒に220回)という高速駆動を実現したリニアモーター、さらに外刃の金型の微細加工技術(精度は髪の毛の100分の1!)が有機的に結合してこそ、ラムダッシュのプレミアムな剃り味が実現するというわけだ。
ビューティー・パーソナルケア事業部 林眞一事業部長
コロナ禍によるニューノーマルな生活でヒゲ意識も変化
では、そんな新型ラムダッシュ6枚刃シリーズは、どのような進化を遂げたのか。開発の背景として、林事業部長はコロナ禍によるニューノーマルな生活と、それに伴う新しい価値観の創出を指摘する。
「ニューノーマルな生活様式が広まる昨今、シェービング習慣も多様化しており、外出自粛やマスク着用などにより、その文化も変わってきております。例えば、リモートワークのためシェービングの頻度が減る傾向にあることや、あるいは剃り忘れが多くなることは容易に想像できます。
その結果、2、3日伸ばしたヒゲを剃ることになり、当然のように長めのくせヒゲには苦戦しますし、アゴ下、首回りなど剃りにくいエリアは、手間と時間が必要になります」(林事業部長)
今回登場する新型ラムダッシュ6枚刃シリーズは、製品名が示すように6枚刃システムを採用。刃の構成については、パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 マーケティングマネージャーの筧淳石氏が次のように説明する。
「従来の5枚刃シリーズに搭載しておりましたスリムコームスリット刃を一新。新たに開発した、長く寝たヒゲをカットするアゴ下トリマー刃をダブルで搭載しました。その結果、長いくせヒゲのカット率が従来の4倍(※)に向上しております。
※2020年年度発売ES-LV9Fとの比較。パナソニック調べ。
また、そんな『アゴ下トリマー刃』を『くせヒゲリフト刃』、『フィニッシュ刃』で挟み込むことで、3日伸ばしたヒゲもしっかりカットするなど、パナソニック史上最高のシェービングを実現することができました」
モデルのDaisukeさんが6枚刃シェービングを体験
ここで満を持した形で、新型ラムダッシュ6枚刃シリーズのカタログやコンセプトムービーに出演しているモデルのDaisukeさんが登場。実際に新型ラムダッシュ6枚刃シリーズからES-LS9AXを使ったデモンストレーションが行われた。
Daisukeさんはこの日のために、2、3日、ヒゲを伸ばしてきたという。
Daisukeさん
世界のファッションモデル情報を配信しているMODELS.comの「世界のモデルランキングトップ50」に日本人メンズモデルとして初めてランクイン。
「ヒゲは毎日剃るわけではなく、基本的に仕事の前に剃るスタイルですね。仕事によって異なりますが、スケジュールが空けば、2、3日剃らない時もあります。新型ラムダッシュは撮影の時に初めて商品を見たのですが、デザインがブラックで統一されていて高級感があるな、というのが第一印象。シンプルでかっこいいですよね」(Daisukeさん)
デモンストレーションはアゴ下のヒゲからスタート。このようにアップで見ると、確かに様々な方向から生えていることがわかる。
アゴ下やノド元のヒゲは寝た状態で生えているため、少し皮膚を引っ張るようにするとヒゲが起きてより剃りやすくなる。
シェービング後の様子。無精感を漂わせていたヒゲが駆逐され、清潔感が格段に向上している。シェービング直後にもかかわらず、肌に赤みなどがないことにも注目。肌ストレスの少ないシェービングであったことが図らずも証明された。
このように発表会の会場、しかもライブという条件の下でも実力を発揮した新型ラムダッシュ6枚刃。さらにその秘密に迫るため、編集部では次なる取材場所に向かった。
くせヒゲ問題を解決するため新たに6枚刃システムを開発
迎えてくれたのは、今回の新製品の開発に携わったパナソニック株式会社 コンシューマーマーケティングジャパン本部の山本健司さんだ。
◎改めて開発の経緯をお聞かせください。
山本さん ステイホーム以前から、土日に剃らないで月曜日の朝に剃る〝3日ヒゲ〟の習慣を持つ方がいらっしゃいました。
そんな中、コロナ禍によって生活習慣が大きく変化して、アゴ下の剃りにくい部分もしっかり剃りたい、というニーズがより顕著になってきました。
パナソニック 山本健司さん
◎普段、鏡を見ない男性も、リモート会議で自分の顔と向き合う時間が増えたと言われています。
山本さん PCのカメラは下からの画角が多く、アゴ下の剃り残しが目立ちやすい。このエリアは鏡に写りにくいので、〝こんなとこにも生えていたんだ〟という気づきのきっかけになったのではないでしょうか。そんな長いくせヒゲ問題を解決するため、新たに6枚刃システムを開発しました。
◎その中核技術が発表会でも紹介されていた「アゴ下トリマー刃」ですね。
山本さん ヘッドでも、ひときわ存在感を放つゴールドに輝くチタン加工された2枚がアゴ下トリマー刃。旧5枚刃に搭載されていたスリムコームスリット刃の進化形と言えます。
山本さん この刃は、ヒゲを取り込む開口部を拡大して、さらに先端部を薄く改良。その結果、長く寝たヒゲも下からすくい上げ、立たせた状態でカットできるようになりました。
長いくせヒゲをプレカットする「アゴ下トリマー刃」のイメージ
◎この刃でなければ、ヒゲは寝たままなので、刃はその上を素通りしてしまう?
山本さん そのとおりです。電動シェーバーはヒゲを外刃に取り込み、内刃でカットする構造なので、そもそもヒゲを取り込めなければカットできません。
さらに今回の新6枚刃システムでは、このアゴ下トリマー刃を2枚にして、ほかの外刃(ネット刃)で挟み込んだこともポイント。
最初にヒゲと遭遇するフィニッシュ刃が、さまざまなヒゲを根元から深剃りして、次にアゴ下トリマー刃が長いくせヒゲをプレカット。それでも残ったヒゲはくせヒゲリフト刃がすくいあげて根元から深剃りしていくという流れになります。
その結果、この新6枚刃システムにより「長いくせヒゲのカット率4倍」(※)を実現。さらにラムダッシュ史上最速リニアモーター(※)との組み合わせというパナソニックだけの技術により、アゴ下のくせヒゲさえ「なぞるだけで剃り上げる」ことを可能にしています。
※2020年度発売ES-LV9Fとの比較。パナソニック調べ。
※1万4000ストローク/分(1秒に220回)。パナソニックリニアシェーバー ラムダッシュにおいて。2021年4月1日現在。
肌への密着度をさらに高めた「新密着5Dシステム」
◎ヘッドに関しては「新密着5Dシステム」も搭載されています。
山本さん これは密着5Dヘッドと、新開発の密着フロート刃機構で構成されるシステムです。密着5Dヘッドは、ヘッド部が前後・左右・上下に加えて、前後にスライド、ツイストの5方向に動くシステム。
山本さん 密着フロート刃機構では、6枚の刃がそれぞれ、上下にやわらかく大きく浮き沈みして、圧力が均一にかかりやすいシェービングを可能にしています。
◎旧5枚刃でも同様の機構が採用されていました。
山本さん はい。旧5枚刃でも刃はフロートしていましたが、今回はそのフロートと5Dサスペンンションの硬さのバランス(沈み込み)を大きく変更しています。
具体的に申し上げますと、新6枚刃システムは上から押すと(ヘッドを肌にあてる)、まず刃が沈んで、さらに押すとヘッドが沈みます。これに対して旧5枚刃は、ヘッドが先に動いて、次に刃が沈みます。
山本さん この違いによって何が生まれるかというと、6枚刃は刃が個別に可動して、しかもヘッドより先に動くので顔の凹凸に合わせやすいという特徴があります。続いて頬からアゴにかけての曲線にさしかかったら、密着したまま、今度はヘッドが可動します。
ということで先に新フロート刃が微妙な顔のラインに密着して、次に密着5Dヘッドでより密着するというイメージですね。
今回の新6枚刃システムでは刃のフロートとヘッドのバランスを追求した結果、6枚の外刃が独立して動くフロート構造を実現しやすいということで、外刃と内刃の一体構造を採用しています。
所有する喜びを感じさせる上質な素材とデザイン
◎今回、最上位機種にはUSB充電が可能なケースが新たに付属されました。
山本さん 以前から充電アダプターを出張や旅行、帰省時に持っていくのは手間に感じる、というお客様の声や、充電までできるケースというご要望もいただいており、今回の新製品で実現しました。
ケース自体もファブリック素材を使用した高級感のあるデザインとなっています。
山本さん 新製品は彫刻を思わせる立体的な造形美と、UX設計のスカルプチャーデザインを採用。カラーリングについても、従来の男性的なシルバーメタリックから、現在のトレンドであるマットで、落ち着いたクラフトブラックに変更。シルバーからワンランクアップした上質感を表現しました。
山本さん また新たに白色LEDを採用。マットなクラフトブラックのボディに美しく浮かび上がり、優れた視認性と上質感を両立させています。
冒頭でも申し上げましたが、コロナ禍で在宅時間が増えたため、生活のメリハリをつけにくくなった、とも言われています。
当社史上最高の剃り味を実現したラムダッシュ 6枚刃でのシェービングにより、さわやかな1日の始まりを、あるいはON、OFFの切り替えを行なってみてはいかがでしょうか。
新型ラムダッシュ6枚刃シリーズの気持ちいい剃り味と「スカルプチャーデザイン」やファブリック採用の「USB充電ケース」をぜひ一度手に取ってご体感頂きたいと思います。
このように新型ラムダッシュ6枚刃シリーズは、2、3日伸ばした長いくせヒゲのカット率も4倍(※)に向上している。そんなシェービング性能に加え、本体のスカルプチャーデザインやファブリック採用のUSB充電ケースなど、その上質な世界観は、所有する楽しさも感じさせてくれるはずだ。
※2020年年度発売ES-LV9Fとの比較。パナソニック調べ。
撮影/福永仲秋