世界の権力者たちにより間もなく引き起こされそうな核戦争を、スーパーヒーローたちは食い止めることができるのか?
2022年3月1日より独占配信中のNetflixシリーズ『ガーディアンズ・オブ・ジャスティス』は、スーパーヒーローの葛藤を描いた、社会的メッセージ性の高いドラマ。アメリカで制作された。
原作・制作のアディ・シャンカルは、俳優としても出演している。
あらすじ
40年前の第3次世界大戦を1日で終結させ人類を絶滅の危機から救ったスーパーヒーロー、マーベラスマン。
マーベラスマンは、スーパーヒーロー集団“ガーディアンズ”のリーダーでもあった。
テレビの生放送に出演し、久しぶりに公に姿を現したマーベラスマンは、スピーチ中に突然自ら命を絶った。
“宇宙からやってきた救世主”として崇められてきた彼は、長年の戦いと交渉の末に疲れ果て、そして人類の愚かさに絶望していた様子だった。
しかしマーベラスマンの妻は、「自殺でなく他殺だ」と主張。
軍事会社の経営者であるアディソン・ウォーカーも、今回の事件が国家間の戦争の引き金になることを懸念し、マーベラスマンを殺害した犯人の調査を副リーダーのナイトホークに要請する。
“ガーディアンズ”のメンバーたちは、リーダーであるマーベラスマンの死に強いショックを受けながらも、核戦争やテロ集団の脅威に立ち向かわなければならなくなる。
見どころ
現在の世界情勢とリンクしている部分も少なくないため、いつものようにフィクションとして割りきることはできず、手に汗握りながら鑑賞。
とくに「第3章: 私は如何にして核を愛するようになったか」「第4章: “正義”という言葉は所有できる」「第7章: 権力の堕落は周囲をむしばむ」など、思わずドキリとしてしまう邦題が並んでいる。
マーベラスマン率いるガーディアンズがどれだけ世界平和のために身を粉にして働き続けても、人類は一向に争いを止めることはせず、むしろ世界情勢は悪化するばかり。
「もしもの時は、またマーベラスマンが何とかしてくれる」という底なしの甘えが、人類の間で長い年月をかけて増長していった結果と言えるかもしれない。
しかもマーベラスマンは、生前「世界的な核軍縮の交渉を進めていた」ことも明らかになる。
マーベラスマンの死で交渉が頓挫したことにより世界のバランスが崩れ、核戦争の危機が現実味を帯びていく。
本当の意味で世界に平和をもたらすのは、軍縮なのか軍拡なのか……現実世界でも今まさに意見が対立している、タイムリーなテーマも含まれている。
スーパーヒーローが登場する海外ドラマには、“何が正義なのか”を真正面から問いかけるものが目立つようになった。
スーパーヒーロー家族の重圧と確執を描いたNetflix『ジュピターズ・レガシー』、極悪スーパーヒーローvs.一般人の戦いが斬新なAmazon Prime Video『ザ・ボーイズ』もぜひ併せてチェックを。
Netflixシリーズ『ガーディアンズ・オブ・ジャスティス』
独占配信中
文/吉野潤子