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短期売買は損のもと!長期投資に「出口戦略」の考えは不要である理由

2022.03.27

【短期集中連載】世界の超富裕層を知る投資マイスターが解き明かすお金の話

【第9回】長期投資に「出口戦略」の考えは不要?

スイスの伝統的プライベートバンクの運用哲学や世界の超富裕層の投資哲学にも詳しい、独立系アドバイザリー・ファーム「アリスタゴラ・アドバイザーズ」代表・篠田丈が、経済ニュースの読み解きから具体的な投資アドバイスまで縦横無尽に語っていく短期新連載。今回は、投資の「出口戦略」についてです。

一流トレーダーでも個別取引の勝率は50%

投資戦略においてよく聞くのが「出口戦略」という言葉です。出口戦略とは、取得した資産をどこかの時点で売却し、利益を確定させることをいいます。しかし、「出口戦略」という考えには、短期のリターンを求める発想が根底にあるように思います。日本人の富裕層や資産家の多くも、短期での絶対リターンを求める傾向が強く、そのため「出口戦略」を気にします。

一方、長期投資には基本的に、出口戦略はいりません。出口戦略がいらないので、売りのタイミングを気にすることもありません。私は欧米の金融機関で運用の責任者を務めていたこともあり、多くのトレーダーを部下に持っていました。そのときの経験から言うと、天才的なトレーダーでも、ひとつひとつの取引での勝率は5割ちょっとです。ただ、年間を通して見ると、ほぼ確実に勝ち越すトレーダーは確かにいます。

その他の凡庸なトレーダーとの違いは、損切りと利食いのタイミングの判断に尽きます。「損切りは早く、利食いは遅く」というのが鉄則なのですが、多くの個人投資家はもちろん、プロのトレーダーでも損切りが遅く、利食いが早いケースがほとんどなのです。

結果的に、「損切りは遅く、利食いは早く」ということになり、やればやるほど負けていきます。当たり前のことです。それを避けるには、売買のタイミングにこだわらなければいいのです。それには、出口戦略を気にしないことです。

結果的にそれは、「ロングオンリー」のポジションということになります。ヨーロッパの富裕層はまさに、「ロングオンリー」を徹底しています。ポイントは「ロング」の期間です。日本人は、富裕層を含めてせいぜい2〜3年、長くても5年くらいでしびれを切らしてしまいます。ヨーロッパの富裕層は、20年、30年は当たり前です。

ロングオンリーでも流動性を保つことには注意

ヨーロッパの富裕層は出口戦略にこだわらず、「ロングオンリー」のポジションを基本としますが、投資対象の流動性は気にします。流動性の低いものには投資しないということです。

流動性の低いものとは、具体的にいうと不動産などの実物資産です。実物資産はなんとなく安心感があるということで日本人は好みますが、金融危機などの際には売るに売れず、大きな損失の原因になったりします。

一方、流動性の高いものとは、株式や債券、それらを組みこんだ投信などです。経済がグローバル化し、金融市場が過度に発達した現代においては、何百兆円、何千兆円というお金が日々、絶え間なく取引されています。そうした取引の多くを占めるのは、標準化され、数値化された上場株式や債券、投信なのです。

ヨーロッパの富裕層は基本的に、こうした投資商品を資産運用のメインに据えています。「株式や債券は最悪、ただの紙切れになる」と日本ではよくいわれますが、そんなことはありません。むしろ、不動産や自社株など流動性が低い資産を国内に多く保有しているほうが、リスクが高いと私はみています。

個人的には、純資産が5億〜10億円クラスの富裕層であれば、ポートフォリオに不動産のような実物資産はいっさい入れず、株式や債券を中心に一部、派生商品(デリバティブ)を組み込む程度で十分だと思います。

そして、50億〜100億円クラスの富裕層になれば、分散投資のために多少、実物資産を組みこむことを検討すればいいでしょう。まとめると、個人の投資家が必ず勝てる投資をしたいのであれば、超ロングのスパンで流動性の高い資産に投資すること。これ一択なのです。

取材・構成/フォーウェイ(https://forway.co.jp/)仲山洋平、古井一匡

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文/篠田 丈(シノダ・タケシ)

アリスタゴラ・アドバイザーズ代表取締役会長。日興証券ニューヨーク現地法人の財務担当役員、ドレスナー・クラインオート・ベンソン証券及びINGベアリング証券でエクイティ・ファイナンスの日本及びアジア・オセアニア地区最高責任者などを歴任。その後、BNPパリバ証券で株式・派生商品本部長として日本のエクイティ関連ビジネスの責任者を務めるなど、資本市場での経験は30年以上。現在、アリスタゴラ・グループCEOとして、日本、シンガポール、イスラエルの拠点から、伝統的プライベートバンクと共に富裕層向け運用サービスを展開、また様々なファンドを設定・運用、さらにコーポレートファイナンス業務等を展開している。https://aristagora.com/

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