「Amazon」というものの存在は知っているけれど、自分で使うことができない。
そんな中高年に「自分でAmazonを利用してもらうには、まず何から教えればいいのか?」ということを筆者は仲間うちで議論したことがある。
これが結構盛り上がった。Amazonを自分で利用できない人は、まずキャッシュレス決済そのものに疎い可能性がある。
クレジットカードなど持っていないのではないか? 故に、クレカに準じる決済手段の存在をその人に教えてあげなければならない……と、ある友人が言っていた。
「自発的な理由でクレカを持たない人」は、確かに存在する。
そんな人には、『Kyash』というサービスのバーチャルカードがちょうどいいのではないか。
1分で「Visaバーチャルカード」を発行!
3月17日、KyashがシリーズD投資ラウンドで第三者割当増資による49億円もの資金調達を発表した。
Visaブランドのバーチャルカード発行を手掛けるKyashは、これにより累計資金調達額が約128億円になった。
「1分でVisaカードを発行できる」という触れ込みのKyashは、世界各国の投資家から大いに注目されている。
一般ユーザーからも、Kyashのバーチャルカードが「便利な決済手段」として認識されつつあるようだ。
バーチャルカードとは、一体何か?
筆者なりにこれを要約すると「物理的なカードのないデビットカード」である。
会員に対してはKyashのアプリを経由してVisaカードの番号と有効期限が割り当てられるが、それが文字通りカードとして発行されるわけではない。
あくまでもスマホの中に記録されたデータである。
が、Amazonや楽天市場で買い物をするなら、物理カードなど必要ない。
使い勝手はクレカと同様
オンライン通販サービスが用意する決済手段は、もちろんクレジット/デビットカードだけではない。
キャッシュレス決済に縁遠いという人のために、代金引換やコンビニ決済という手段も存在する。
これなら現金決済を貫いている人でもAmazonや楽天市場を利用することができるが、やはり「外出の手間」が発生してしまう。
PCかスマホを使い、注文と同時に決済できればそれに越したことはない。
携帯料金との合算や後払いサービスもあるが、どのみちクレカが一番手っ取り早い。そしてKyashのバーチャルカードは、クレカと同様の扱いである。
決済までの手順もクレカとまったく同じで、入力フォームに番号、名前、日付等を打ち込む。
なお、Kyashのバーチャルカードを作るのに審査は不要だ。
親子で同じ口座を共有
Kyashの大きな特徴は「共有口座」を開設できることだ。
たとえば、こういうことはないだろうか。親に「Amazonで買い物して。お金はあとで現金で払うから」と頼まれるという出来事である。親はAmazonというものの存在は知っているが、自分でそれを利用することができずクレカもデビットも持っていない。
そのお願いは1回くらいならいいが、以後何回も続くと子供としては少なくない負担になってしまうのではないか?
そもそもこれは、本人了承の下とはいえ「他人のクレカ=信用情報で買い物をする」ということだ。
そうやって俯瞰した位置から眺めてみると、これはあまりいい状況ではないことが分かる。
だからこそ、ここはKyashの共有口座を利用してみよう。
親子で同一の口座を管理し、Amazonや楽天市場での買い物も共有口座につながるバーチャルカードで行う。
利用履歴は逐次スマホアプリに反映されるから、誰かが勝手に残高を横領してしまう事態も避けられる。
「決済格差」を解消するサービス
また、Kyashのバーチャルカードを物理カード(リアルカード)として発行することも可能だ。タッチ決済にも対応する『Kyash Card』なら、国内だけでなく海外の実店舗でも利用できる。
以上を鑑みると、国際クレカブランドのデビットカードやプリペイドカードも大樹から伸びる枝葉のように多様化していることが分かる。
が、だからといってKyashは複雑なプロセスを踏まなければならないサービスというわけではない。
実際に使ってみると、呆気なさすら感じてしまうほど簡単で単純明快な使い勝手である。
50億円に迫る資金を調達するに相応しい機能性だ、と筆者は勝手ながら感じている。
クレカを持たないことによる「情報格差」や「決済格差」を、Kyashが見事に解消してくれるかもしれない。
【参考】
Kyash
取材・文/澤田真一