
『CORSA』の歴代モデル。ハッチバックを基本にバリエーションを追加しながら、時代に即した進化を遂げている。
CORSA コルサ
1982-2022
OPELが自動車の生産を始めた頃から重視してきたのは自動車の民主化だ。その象徴たるモデルが、屋台骨を支える『CORSA』である。
ブランドの基盤を強固にするエントリーモデル
120年に及ぶオペルの自動車史を振り返るうえで欠かせないのがコンパクトモデルの充実だ。いつの時代も、オペルは人々の生活に寄り添ったクルマ造りを信条とし、扱いやすくリーズナブルなモデルを連綿とリリースし続けている。それが今日の躍進につながっていることは言うまでもなく、その一翼を担っているのがエントリーモデルの『CORSA』である。〝競争〟や〝コース〟といった意味の名を持つこのモデルは1982年に初代が登場。当時のオペルと蜜月関係にあったゼネラルモーターズのグローバルカー構想に則って生み出された1台である。
基本構成はこれに先んじて登場していた上位モデル『KADETT』と同様の、スペース効率を重視した前輪駆動方式を採用。当時、矢継ぎ早に登場していたコンパクトモデルのライバルたちに対抗すべく、3ドア/5ドアハッチバックと4ドアセダンというボディーバリエーションを用意して、万全の態勢を整えた。
1993年には2代目へ進化。この頃のオペル車はモデルラインアップ全域にわたって空力に優れたボディーを纏っていたのが特徴で、新型もその流れを汲んだエアロボディーを纏った。この世代ではサイズが拡大され、3ドア/5ドアハッチバックのボディー後半部のデザインをそれぞれで変えるなどして空力特性が最適化されている。また、環境面に配慮してボディー関連パーツのリサイクル率を高めたほか、フルサイズの前席エアバッグなど、上位機種と遜色ない安全装備が奢られている。日本でもその愛らしさやリーズナブルな価格で人気を博した。
ツボを押さえつつ成長するベーシックコンパクト
3代目も引き続きエントリーモデルとしての役割を担いつつ、一方では居住性や安全性の面での上級志向が高まり、デザイン的にも逞しさを意識したものに生まれ変わった。続く4代目ではプラットフォームを刷新しボディーを拡大。居住性はもちろん、安全性の向上に磨きがかけられ、その流れは5代目にも受け継がれて実力の底上げが図られている。
そんな『CORSA』の最新モデルは2019年に発表された。ゼネラルモーターズを離れグループPSA(ステランティス)入りを果たしてからの新型コンパクトは、グループ共通のCMPプラットフォームをベースとしたガソリン/ディーゼルモデルのほか、同じボディーに電動モーターを用いたEVを用意するなど、さらなる進化を遂げている。
40年にわたってオペルのエントリーモデルとして地位を守ってきた『CORSA』は、いつの時代もその空気を読み取りながら進化し、日常の相棒としてベストな活躍を果たし続けてくれる存在だ。
1982年に登場した初代はFWD『KADETT』のコンポーネンツを基本に仕立てられた。後にスポーツ仕様もラインアップに加わる。
2代目は空力性能を重視した、抑揚のあるフォルムとなった。日本には『VITA』名で登場し、TVドラマにも登場して注目を集めた。
先代に続き、2000年に登場した3代目『CORSA』も日本人デザイナーの児玉英雄氏がデザインを手がけたことで知られる。
2006年発表の4代目はプラットフォームを刷新。歩行者保護の観点からボリュームが増した。この代から日本未導入となった。
5代目は2014年のパリモーターショーで公開。インフォテインメントシステムをはじめ、前面衝突警告などの安全装備も充実した。
現行型は2019年に登場。ガソリン/ディーゼルモデルとともにEV仕様もラインアップに加わる。日本にも導入が予定されている。
取材・文/桐畑恒治
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小学館刊
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- チーフデザイナー・Mark Adams インタビュー
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- OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクション
PART3 Just like an OPEL
- 注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力
- アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPEL
PART 4 ドイツから特報!元気なOPEL
- 「MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報
- オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビュー
PART 5 Republish of Historic car impression
革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史
- 老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力
- OPEL in Motorsports
- 「CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA」
PART6 「&OPEL」 Square
- FUN collection
- OPEL FUN in Japan
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- Logo transition of OPEL
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