2021年9月にOPELブランドのCEOに就任したウーヴェ・ホーホゲシュルツ氏に、ドイツ・リュッセルスハイムにあるOPEL本社で独占インタビューに成功!〝100年に1度の大変革の時代〟にOPELの舵取りを行なう新CEOは、変化を恐れずにクルマの明るい未来を信じる、とてもすてきなカーガイだった。
OPELの本社はこんなところ
ドイツ・リュッセルスハイムにあるOPEL本社は、広大な敷地に立つとてもモダンなビル。内部には大きな吹き抜けがあり、とても開放的な雰囲気。通常は800人ほどが勤務するが、インタビュー当日は、コロナ禍で10人ほどしか出社していなかった。
オペルCEOへの誘いを断ることはできなかった
前CEOのミヒャエル・ローシェラー氏の後任として、2021年9月1日にオペルの新CEOに就任したウーヴェ・ホーホゲシュルツ氏に、ドイツ・リュッセルスハイムのオペル本社で独占インタビューが実現。まずはこれまでフォード、VW、ルノーと自動車メーカーを渡り歩いてきたホーホゲシュルツ氏に、オペルのCEOという仕事への意気込みを聞いてみた。
「オペルのCEOはすばらしいチャレンジです。断ることはできませんでした。オペルは1899年から自動車を製造している、伝統あるドイツブランドです。現在はステランティスのおかげでとても良いポートフォリオを持っていて、業績は好調ですが、ドイツの優れた技術と緻密なクルマ造りを生かして、グローバルでさらに成功したいと考えています」
まだCEOに就任したばかりだが(インタビューは2021年9月10日に行なわれた)、現在は何に取り組んでいるのだろうか?
「電動化です。今の私にとって最も重要なプロジェクトは、競合するブランドよりも、電動化を早く進めることです。2021年7月にステランティスが発表しましたが、〝オペルが2028年以降にヨーロッパ市場で販売するモデルはBEVのみとなる〟とすでにアナウンス済みです。これが実現すれば、オペルブランドはさらに強化されると信じています」
今の自動車業界は〝100年に1度の大変革の時代〟といわれている。この時代に歴史あるブランドを率いることについてはどう考えているのだろう?
「私はもともとクルマが大好きで、大学卒業後には自動車業界に就職するつもりでした。そこにはエモーションと技術の両方があり、常に変化しているからです。私は30年間自動車業界にいますが、常に新しいものが出てきました。走行性能の進化や安全性の向上、エミッションの改善など、とてもおもしろくてチャレンジングな業界と感じています。BEVについても、10年前には誰も現在のような世界を想像していませんでした」
オペルの日本再上陸は、残念ながら再度延期が発表された。コロナ禍と半導体の供給不足は当面続く見通しで、現状では既存市場への商品供給を優先せざるをえないという。現時点で日本市場復帰は2023年以降になる見通しだ。
とはいえオペルにとって日本はやはり重要な市場である。彼らは消費者の品質に対する要求レベルが高い日本で成功できるかどうかが、今後グローバルでの成功を目指すための試金石と考えている。状況が好転した際には、魅力的なデザインとテクノロジー、そしてドイツのクラフトマンシップが詰まった最新モデルの数々で、私たちを魅了してくれるはずである。
最後に、CEOにとってクルマとは何か聞いてみた。
「自由の証明です。いつ、どこへでも自由に移動できる、ほかのどんな乗り物より優れた、パーソナルモビリティーだと思っています。スタイルもエアコンの温度も、どんな音楽を聴くかも自由です。これはクルマにしかできない」
自動車ブランドのトップとしての顔と、生粋のクルマ好きの顔を見せてくれたホーホゲシュルツCEOがいる限り、オペルは我々をワクワクさせてくれるブランドであり続けてくれるはずだ。
ホーホゲシュルツCEOにとってクルマは「自由の証明」。
個人の移動の自由を保証する、何よりも優れたパーソナルモビリティー
ホーホゲシュルツCEOは、幼少期から乗り物が大好きで、15歳からモーファ(Mofa:原動機付き自転車)やモペッドなどに乗り始め、17歳の時には「18歳で自動車免許を取る!」と決めていた。当時の憧れのクルマは『KADETT C』で、デザインがとにかく好きだったそうだ。
PROFILE|ウーヴェ・ホーホゲシュルツ
ホーホゲシュルツCEOは、1963年2月27日生まれの59歳で、ドイツ・ケルン出身。ドイツのヴッパータール大学、英国のバーミンガム大学、フランスのパリ・ドフィーヌ大学、ドイツのケルン大学で経営管理を学び、修士号を取得している。1990年にフォードに入社以降、管理職畑を歩み、スイスのセールスディレクターやドイツのプロダクトマネージャー、商用車マーケティング責任者などを歴任。2001年にフォルクスワーゲンへ移り、商用車のグローバルマーケティング責任者となる。2004年にルノーへ移ると、様々な役職を経てルノー・ジャーマニー/オーストリア/スイスのCEOまで上り詰めた。プライベートでは、熱狂的なサイクリストで、休日にはサイクリングも楽しむ。来日経験は豊富で、「次回日本へ行ったら、銀座でおいしいお寿司屋さんに行きたい」そうだ。
取材・文/竹花寿実 撮影/吉田タイスケ
160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランドMOOK「&OPEL 未来を創るクルマ。」発売中
1862年の誕生以来、不断の進化によっていつの時代も時代も最先端のポップカルチャーであり続けたOPEL。そのブランドDNAとその魅力を、チーフデザイナーへのインタビューや歴史的名車の検証などをもとに解き明かすムック本「&OPEL」が発売されました。
ドイツの自動車メーカーOPELは、160年の歴史を持つ老舗ブランドです。日本との縁も深く、戦前から輸入され、2006年までは日本国内でも販売されていたので、ご存じ方はもちろん、実際に乗った/所有したことがある方も多いのではないでしょうか。
そして今、OPELが再び、日本に上陸するといわれています。今度、日本にやって来るOPELは、私たちがしばらく見ないうちに、すばらしくモダンで、ポップな佇まいに変身していました。ドイツ車としての信頼感と堅実さはそのままに、ガジェット感あふれるデザインやカラーリングからは、「どんな人生を愉しみたい?」と、クルマが語りかけてくるようです。そんな、ニュー・ジャーマン・カーで実現するライフスタイルのテーマは「リラックス」。
本書では、暮らしをアップデートするモダンジャーマンなクルマづくりの魅力を、160年の歴史とともに余すところなく、紹介します。
160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランド大図鑑
『&OPEL(アンドオペル) 未来を創るクルマ。』
定価1650円(税込)A4変形判/132ページ
小学館刊
https://www.shogakukan.co.jp/books/09104254
■本書のコンテンツ紹介
PART 1 OPELが提案するRELAX LIFE
●人気モデル「CORSA」「MOKKA」「GRANDLAND」徹底解剖!
PART 2 Pop&Future! OPELの秘密
- チーフデザイナー・Mark Adams インタビュー
- ファッションデザイナー・Marcel Ostertag インタビュー
- 「ASTRA」「MANTA」「COMBO LIFE」最新モデルの魅力
- OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクション
PART3 Just like an OPEL
- 注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力
- アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPEL
PART 4 ドイツから特報!元気なOPEL
- 「MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報
- オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビュー
PART 5 Republish of Historic car impression
革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史
- 老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力
- OPEL in Motorsports
- 「CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA」
PART6 「&OPEL」 Square
- FUN collection
- OPEL FUN in Japan
- OPEL Engineering History
- Logo transition of OPEL
- OPELディーラーの斬新なCI
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