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「デザイナーは包み込むようにものをつないでいく存在です」インテリアデザイナー・進藤篤さんの仕事術

2022.05.15

進藤 篤さん

富山ガラス工房とのコラボレーションから生まれた最新作『HONEY』。日常にアートシーンを吹き込む蜂蜜瓶の新しい形だ。

世界を舞台にインテリアデザイナーとして躍動し、アーティストとして地方の工房をふらっと訪ねる。時代が大きく様変わりする中で、若きクリエイターが日々大切にしていることは?

〝日本人らしさ〟が世界標準になりつつある

 この5年の、進藤さんの活躍は殊に目覚ましいものがある。学生時代よりコンペを通じてアート作品を定期的に発表し、卒業後は著名な内装設計会社でインテリアデザイナー職に就く。仕事先のクライアントは、国内外を問わずオフィスやホテルといったグレードの高い案件ばかりで、対する個人のアート活動は身近な素材や事柄を再発見するような作品作りと決めて、一貫してアート制作のスピードを緩めていない。恒例のアートフェスティバル『DESIGNART TOKYO 2021』では「UNDER 30」に選出された5組のクリエイターにも名を連ね、今後ますます期待されるアーティストのひとりとして知られている。この数年の主な仕事の舞台は、中国へと移っており、直近では4件の大型商業施設を担当。現地の中国企業やアメリカの建築事務所とプロジェクトを共にしグローバルな世界へと羽ばたいている。

「まだまだ経済発展の余地がある中国で、それぞれの案件はやはり日本とは別の、突出したおもしろさがありますね。国内のインテリアではなかなか実現が難しい規模感、ダイナミックさは刺激的です」

 現地でしばしば感じることは自分に求められているものが日本人らしい繊細さであったり、シンプルな世界にもラグジュアリーを感じさせる局面が多いということ。それは〝日本人らしさ〟が世界標準になりつつあり、世界共通の認識になっていると進藤さんは話す。

「そのためにもタイムレスなデザイン、そして時代にとらわれないことを大切にしています。これは自分の作品作りの観点も同じで、身近なものやみんなが知っているものには共通の美しさがあると思っています。海を見てきれいだなと感動するのはこれから何千年先にいる人たちも同じでしょうし、時代が変わっても基本的なことは何も変わらないと思っています」

 仕事やアート活動を通じて生み出す作品には人間の本質的な部分に関わるところに寄り添いながら、時代や性別に関係なくいいと思えるものを取り入れたい。これが進藤さんが大切にしていることだ。

すべてのものが緩くつながる時代へ

 もっともこの数年の世界的出来事は進藤さんの心持ちにも大きく影響を与えた。自分の近くのものにより目を向けるようになり、家で過ごす時間も長くなり自身を見つめ直す時間が増えたという。

「みんな、自分らしさを自由に確立できているような時代になったのかと感じています。以前だったら大きな流行にみんなが乗るような雰囲気でしたが、今はそれぞれの個性の中で生きていて、人とのつながり方も大きく変わってきたと思います。緩くつながる、とでも言いましょうか」

 従来手がけてきたアート作品は、ひとつの素材だけに絞るなどストイックな傾向や禅的な世界観のものが多かったが、2年ほど前から人の暮らしや自然との交わりに目が向き、やさしい目線での作品が増えたように感じていると話す。

 実際に先に行なわれた『DESIGNART TOKYO 2021』では富山で出会ったヘチマや石といった素材を用いた作品を発表している。

「小学校の時にみんなでヘチマを育てて、たわしを作ったりしませんでしたか? 忘れていたけど、昔は記憶の中にある素材や暮らしの中の道具が緩くつながっていた時代がありました。日本の原風景とまではいかなくても素材や暮らしの中にも守っていかなければならないものがあるはずです」

 昔、あったものが姿を消していく現実に、若いデザイナーとして何をするべきなのか? そのひとつの答えが、本来の人の暮らし、人と自然のつながりを改めて考えながら新しい形で作品を提案することだった。発表したヘチマの作品は、みんなが心の奥で知っているデザインとは違うアイテムに生まれ変わらせることで、新鮮な気持ちで接してもらいたい気持ちが強かったという。記憶から遠のいてしまったものも含めて、すべてのものが本当に緩くつながっていて、デザイナーは壁ではなく包み込むようにつなげる役割として存在できると進藤さんは考える。

「緩くつながる」──これが作品作りにおける最近のテーマだ。

余白の中にあるラグジュアリーを求めて

 進藤さんが何かアイテムを購入する際の基準は明確だ。大切なのはそれを買うことでよい時間を過ごせるか? 誰と共有できるか? 選ぶことで自分を映し出してくれる鏡のように「自分はこういう形が好きだったのか」と毎回確認できるものが多いという。その基準はクルマ選びの基準にもなるようで、現在は所有していないがデザインとしても機能としてもクルマには非常に興味があるそうだ。

「新型のオペル、グッときますね。老舗ブランドにもかかわらず時代の変化に合わせてサステイナブルであり、先の暮らしを見据えて新しいクルマ造りをしている点は私のアート活動と共通している部分もあります。創業当時から変わらないオペルの哲学はこれからも中枢の部分は変わらないでしょうから、そこも共通認識として捉えています。過去のものと新しいものの差がどれだけあって、そこで何が変わらないのか? その差分こそがクルマでもアートでもきっと心を打つところなのでしょう」

 オペルの進化を好意的に見ている進藤さんは、これからの時代、余白の中にあるラグジュアリーなひとときを大切にしたいと願っている。

「今はクルマにもそういったものが求められていて、基本的な性能がしっかりしているからこそ、余白がちゃんと生まれる。オペルはそういうブランドなのでしょう」

 クルマでしか行けない場所が数多くある。新しい道、土地に出会うことで、それまで知らなかった自分自身の発見につながる。そんな思いを大切にしながら、進藤さんは作品作りに邁進していく。

デザイナーは包み込むようにものをつないでいく存在です。

進藤さん

素材選びが作品制作に直結していて、それとどう対峙するか? どこにスポットライトを当てるかが作品作りの重要なプロセスだという。

ランプ

進藤さんのお気に入り、倉俣史朗さんが1989年に発表したフラワーベースとコードレスで持ち運びができるアンビエンテックのランプ。

進藤さんPROFILE

インテリアデザイナーと個人プロジェクトを並行して行なっている。デザイン・アートの根源的な魅力を探るための実験的なプロダクトや空間やアート作品を発表。生活に密接する事柄・素材を見つめると同時に、新しい価値観や美を探る。東京藝術大学大学院修了。

取材・文/堀田成敏 撮影/福永仲秋

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランドMOOK「&OPEL 未来を創るクルマ。」発売中

 1862年の誕生以来、不断の進化によっていつの時代も時代も最先端のポップカルチャーであり続けたOPEL。そのブランドDNAとその魅力を、チーフデザイナーへのインタビューや歴史的名車の検証などをもとに解き明かすムック本「&OPEL」が発売されました。

 ドイツの自動車メーカーOPELは、160年の歴史を持つ老舗ブランドです。日本との縁も深く、戦前から輸入され、2006年までは日本国内でも販売されていたので、ご存じ方はもちろん、実際に乗った/所有したことがある方も多いのではないでしょうか。

 そして今、OPELが再び、日本に上陸するといわれています。今度、日本にやって来るOPELは、私たちがしばらく見ないうちに、すばらしくモダンで、ポップな佇まいに変身していました。ドイツ車としての信頼感と堅実さはそのままに、ガジェット感あふれるデザインやカラーリングからは、「どんな人生を愉しみたい?」と、クルマが語りかけてくるようです。そんな、ニュー・ジャーマン・カーで実現するライフスタイルのテーマは「リラックス」。

 本書では、暮らしをアップデートするモダンジャーマンなクルマづくりの魅力を、160年の歴史とともに余すところなく、紹介します。

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランド大図鑑

『&OPEL(アンドオペル) 未来を創るクルマ。』

定価1650円(税込)A4変形判/132ページ

小学館刊

https://www.shogakukan.co.jp/books/09104254

■本書のコンテンツ紹介

PART 1  OPELが提案するRELAX LIFE

●人気モデル「CORSA」「MOKKA」「GRANDLAND」徹底解剖!

PART 2 PopFuture OPELの秘密

  • チーフデザイナー・Mark Adams インタビュー
  • ファッションデザイナー・Marcel Ostertag インタビュー
  • 「ASTRA」「MANTA」「COMBO LIFE」最新モデルの魅力
  • OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクション

PART3  Just like an OPEL

  • 注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力
  • アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPEL

PART 4   ドイツから特報!元気なOPEL

  • MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報
  • オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビュー

PART 5   Republish of Historic car impression

革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史

  • 老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力
  • OPEL in Motorsports
  • CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA

PART6 「OPEL」 Square

  • FUN collection
  • OPEL FUN in Japan
  • OPEL Engineering History
  • Logo transition of OPEL
  • OPELディーラーの斬新なCI

【オンライン書店で購入する】

Amazonで購入する

www.amazon.co.jp/dp/4091042546

楽天ブックスで購入する

https://books.rakuten.co.jp/rb/16892406/?l-id=search-c-item-text-02


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