会場に展示された『MOKKA-e』とアンバサダーを務めるデザイナーのオースターターク氏。
〝クルマとファッション〟は切っても切れない関係にある。クルマはファッションの一部であり、またその逆もしかりだ。時代を象徴するヒストリックカーには、それにふさわしいファッションがあるように、個性的で若々しく、クリーンなデザインの最新OPEL車にも、ふさわしいファッションがある。ベルリン発の気鋭のファッションブランド「Marcel Ostertag」のデザイナーに、『MOKKA-e』と自身のコレクションについて語ってもらった。
ドイツはフランスやイタリア、イギリスなどと比べると、一般的にはファッショナブルなイメージは強くない。
もちろん世界的に有名なファッションブランドがあり、ヒューゴ・ボスやカール・ラガーフェルド、ジル・サンダーのように、日本でもその名が知られた有名デザイナーも輩出している。
だが、ドイツのファッションは、一部を除けば〝モード系〟というよりは〝トラッド系〟のものが大半で、グレーやブラックの服が多い。8年以上ドイツで暮らした筆者としては、〝ドイツ人ほど「黒」にこだわりを持った人たちはいない〟と思っている。
一説には、アメリカにおけるムービースターや、イギリスにおける王室、フランスにおける上流階級のようなファッションアイコンが、ドイツにはおらず、ファッショナブルであることよりも機能性や快適性を重視する国民性がそうさせているともいわれている。アディダスやプーマのようなスポーツブランドの人気が高いのも、そのような背景があるのだろう。
だが近年は、そのようなドイツ的ファッションセンスに変化もみられるようになってきた。インターネットの普及で世界中の情報が手に入るようになったことで、特に若い世代を中心に、カラフルでスタイリッシュなモード系ファッションの人気が高まっている。
またドイツの中でも国際化が進んでいるベルリンやハンブルク、デュッセルドルフといった街では、日本人の感覚でもオシャレな若者を目にすることも珍しくない。
2021年9月8日に、ベルリン・ファッション・ウイークの一環として、ベルリン・ミッテ地区にある聖エリザベス教会で行なわれた「Marcel Ostertag」のショーは、ブランド創設15周年を記念した特別なイベントだった。
会場の一角でメイク中のモデル。メイクアップアーティストも一流どころが揃う。
ショー開始前に談笑するモデルたち。モデルは世界中から集まり、日本人も出演していた。
聖エリザベス教会のバックヤードでのショット。リノベーションしたレトロな建築と最新ドイツモードが、独特な空気感を醸し出す。
バックヤードでスタッフに指示を出すオースターターク氏。その表情は真剣そのもの。