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使い慣れたボディに最新のチップを搭載した新型「iPhone SE」の進化を徹底検証

2022.03.23

■連載/石野純也のガチレビュー

 約2年ぶりに、iPhone SEの新モデルが登場した。20年に発売された第2世代で復活を遂げたiPhone SEは、初代のコンセプトを維持したままデザインを一新。iPhone 8ベースのボディに、当時最新だったチップセットの「A13 Bionic」を搭載したことで、話題を集めた。手に取りやすい価格や、コロナ禍でのTouch IDが評価され、第2世代のiPhone SEは2022年まで売れ続けていたロングセラーモデルになった。

 その後継機が、3月18日に発売された第3世代のiPhone SEだ。ボディのデザインは第2世代を踏襲しながら、中身を刷新しており、チップセットにはiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を採用。高速通信規格の5Gに対応しているのも、iPhone SEとしては初のことだ。価格は第2世代よりわずかに上がってしまったが、最安の64GBモデルが5万7800円と、iPhoneの中では買いやすい価格を打ち出している。

 再び注目を集めている第3世代のiPhone SEだが、その使い勝手はどう進化しているのか。発売前から1週間ほど、iPhone SEを試用することができた。そのファーストインプレッションをお届けしていきたい。

第3世代に進化したiPhone SE

デザインは第2世代を踏襲、ホームボタン&指紋認証が便利

 第3世代に代替わりしたiPhone SEだが、デザインは第2世代を完全に踏襲している。見た目だけで第2世代と第3世代を区別するのは、ほぼ不可能だ。そのため、デザイン上の特徴は第2世代と同じ。4.7インチのディスプレイを搭載したコンパクトなボディで、背面にはガラスを採用する。iPhoneは5G対応に伴い、iPhone 12でデザインを変え、やや厚みが増していたが、iPhone SEは7.3mmと非常に薄くて軽い。

5Gに対応した他のiPhoneと比べると、薄く仕上げられている

背面にはガラスを採用。強度を高めているというが、基本的なデザインはiPhone 8のころから変わっていない

 iPhone X以降の全面がディスプレイになったモデルとは異なり、ホームボタンを搭載するのもiPhone SEの特徴。現行iPhoneのラインナップの中では、唯一の端末となる。画面上部のベゼル(額縁)も厚い。もはや懐かしさを感じるようなデザインだが、ホームボタンがあることで操作の仕方が直感的に分かるのはメリットだ。ここを押すだけでホーム画面に戻れるというメッセージは、非常にシンプルで理解がしやすい。

現行ラインナップの中では、唯一ホームボタンを採用したiPhoneになる

 ホームボタンは、iPhone 7以降の端末と同様、センサー式だ。凹みはあるが、iPhone 6以前のような可動するボタンではなく、押し込んでいる感覚を振動で再現する仕組み。押し込んだ時のフィードバックの強さは、設定で変更することが可能だ。凹みがあるため、画面を目視しなくても操作を始められる。Face IDのiPhoneを使っていると忘れてしまいがちだが、久々にその利便性を体感できた格好だ。

フィードバックの強弱は、設定で変更することが可能だ

 改めて記載する必要はないほど常識になっているかもしれないが、このホームボタンは、指紋センサーのTouch IDを兼ねている。ほかのiPhoneは顔で認証を行うFace IDだが、コロナ禍でマスクを着用している場面では機能せず、使い勝手に難があった。先日配信が始まった「iOS 15.4」で、マスク着用時にもFace IDが利用できるようになったため、Touch IDだけが万能というわけではなくなったが、指を置くだけで認証できるのは直感的だ。

 特に、Apple Pay利用時にはそれを感じることが多い。Face IDの場合、いったんApple Payを呼び出したあと、Face IDで認証を行い、決済端末にiPhoneをかざすことになるが、Touch IDは指をかけたまま本体をかざすだけ。ユーザー側の動作がシンプルな点では、Touch IDに軍配が上がる。一方で、端末を持ち上げるだけで認証が済み、すぐに使い始められる自然さはFace IDの方が上だ。どちらも一長一短あるので、その特徴は把握しておくといいだろう。

Touch IDは、Apple Pay利用時にも利用する。その際の所作が自然なのも、ホームボタンのメリットと言えるだろう

見た目にそぐわぬ高い処理能力で、基本性能やカメラ性能を向上

 外観は前世代のiPhone SEと全く同じだが、中身は刷新されている。特に大きく変わったのが、処理能力だ。搭載されているA15 Bionicは、iPhone 13シリーズが採用しているもの。メモリ(RAM)の容量には違いがあるようだが、動作速度は5万円台後半の端末とは思えないほどの高さだ。例えば、ミドルレンジモデルにはやや荷が重い動画の編集や、複数枚の写真の処理なども、スムーズにこなせる。ベンチマークアプリのスコアも、その性能を裏付けている。

CPU、GPUなどのスコアは、iPhone 13シリーズとほぼ同等。ハイエンドモデル並みの性能だ

 A15 Bionicは、機械学習の処理を行うニューラルエンジンが大幅に強化されているのが特徴だ。そのため、写真に写った文字などを読み取る「テキスト認識表示」も利用可能。現時点では日本語には非対応だが、英語や数字を読み取る際には活用できる。外国語で書かれた看板にカメラを向けて、日本語に翻訳するといった場合に便利だ。A13 Bionicを搭載した第2世代のiPhone SEでも利用はできたが、覚えておいて損のない機能と言えるだろう。

iOS 15で対応が始まったテキスト認識表示にも対応する

 カメラも、A15 Bionicの力で進化した機能の1つだ。新機能としてiPhone 13シリーズに搭載された「フォトグラフスタイル」に対応。これは、人の肌などのトーンを残したまま、写真全体の色味やコントラストを調整する機能のこと。写真の雰囲気を、好みに合わせてチューニングでき、撮影後の編集の手間を省くことができる。iPhone 12シリーズ以前の端末が対応していない機能が、この価格帯のiPhone SEで利用できるのは驚きと同時にお得感を感じる。

iPhone 13シリーズに続き、フォトグラフスタイルに対応する

「スマートHDR 4」は、A15 Bionicの力で実現したカメラの機能。被写体を分析して、背景や人物などに最適な処理を施すため、逆光などのカメラに厳しい環境でも前景と背景のどちらも暗くならずに、明るい写真を撮ることが可能だ。実際に写真を撮ってみたが、絵作りの傾向はiPhone 13シリーズに近い。ただし、センサーサイズなどが異なるため、物や料理を撮った際に生じる背景ボケは少ない印象だ。部分的にピントを合わせたくない時に重宝する。

逆光時でも、前景、背景ともに白飛びや黒つぶれのない写真が撮れる

センサーサイズが小さいためか、ボケ量は少ない。料理写真は、iPhone 13シリーズより撮りやすかった印象を受けた

 一方で、iPhone 12シリーズ以降が対応している「ナイトモード」には非対応。シングルカメラのため、超広角撮影はできず、ズームもすべてデジタルズームになる。後者のデジタルズームは補正がかかるため、単純に画像を引き延ばすよりはキレイに撮れるものの、光学的に拡大するのと比べると、どうしても見劣りする。処理能力は高いものの、カメラのような付加的な機能に関しては価格なりと言えそうだ。

夜景のノイズは少ないものの、ナイトモードには非対応。写真で言うと、路線図のような強い光源のある個所は白飛びしてしまった

5G対応で通信速度が大幅に向上した一方で、SEならではの弱点も

 5Gに対応しているのも、第3世代iPhone SEの大きな特徴になる。実際、対応エリアであれば、通信速度は非常に速く、ブラウジングなどでもページの読み込みが素早い。アプリのダウンロードや動画視聴など、よりデータサイズの大きなコンテンツを利用する際には、その違いが顕著に出る。レビュー時にはau回線(povo)を利用したが、auは4Gからの周波数転用を進めていることもあって、5Gエリアが広く、安定して高速な通信が利用できた。

 ピーク時の速度は、iPhone 13シリーズなどの上位モデルよりは遅くなる。これは、アンテナのMIMOが2×2にとどまっているからだ。4Gや5Gでは、同時に通信を行うアンテナの数を増やし、速度を向上させている。一般的な5Gスマホは4×4のMIMOに対応しているが、iPhone SEはその半分の2×2 MIMOで、理論的には速度が半分まで低下する。エリアによっては、iPhone 13シリーズより速度が出ないこともあった点は付け加えておきたい。

5G用に割り当てられた高い周波数帯のエリアでは、非常に高い速度が出た。ただし、iPhone 13シリーズにはスループットは及ばなかった

 とは言え、物理SIMとeSIMのデュアルSIM/デュアルスタンバイ(DSDS)に対応していたり、5G接続時にFaceTimeや動画を高画質化する機能を搭載していたりと、機能面は充実している。5Gと4Gを通信環境によって自動で切り替える「スマートデータモード」にも対応する。コンパクトながら、5Gで通信していても意外とバッテリーの減り方が緩やかなのは、こうした最適化が施されているからだろう。

スマートデータモードや、5G接続時の画質向上機能を利用できる

 耐水性能もiPhone 13シリーズには劣るが、IP67の仕様で安心して利用することができる。細かな点では、ワイヤレスチャージに対応しているのもうれしいポイントだ。特に5万円台の端末だと省かれてしまいがちなだけに、きちんと対応している点は評価できる。置くだけで充電ができるのは、やはりケーブルを抜き差しするより快適だ。

 こうした性能を備えながら、64GB版は5万7800円と、ミドルレンジモデル上位のスマホと同程度の価格で、コストパフォーマンスは比較的高い。特にチップセットの処理能力は全スマホの中でトップクラス。デザインの懐かしさやディスプレイ、カメラなどをあまり気にしないのであれば、お得感が高い端末と言えるだろう。アプリが安定して動き、サポート期間も長いという点では、初めてスマホを持つユーザーにも安心してオススメできる1台だ。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★★
持ちやすさ     ★★★★★
ディスプレイ性能  ★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
*試作機のため、ネットワーク周りやFelicaなどが使えず評価不能です

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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