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4月からの年金制度改正「繰り下げ受給の上限年齢引上げ」を上手に活用する方法

2022.03.25

2020年5月に成立した「年金制度改正法」の制度の適用が2022年4月から開始されます。

今回の「年金制度改正法」のポイントはいくつかありますが、今回は「年金の繰り下げ受給の上限年齢引き上げ」について詳しく解説していきます。

「年金の繰り下げ受給上限年齢の引上げ」とは?

公的年金の受給開始年齢は、原則65歳となっていますが、現行制度では、希望により60歳から70歳の間で自由に受給開始時期を選ぶことができます。

また、老年年金を66歳以後に受給開始とする場合は、年金額は65歳から繰り下げた月数の分だけ増額(1月あたり0.7%増額)し、70歳まで繰り下げると最大42%増額した年金を、生涯を通じて受け取ることができます。

今回の改正では、高齢期の就労の拡大などを踏まえ、高齢者が自身の就労状況などに合わせて年金受給の開始時期を選択できるようにすることを目的に、令和4年4月から繰り下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられます。繰下げ増額率は1月あたり、プラス0.7%となり、最大プラス84%の増額率となります。

対象者は、令和4年4月1日以降に70歳に到達する人(昭和27年4月2日以降に生まれた人)となります。

なお、現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の引き上げは行われません。

出典:厚生労働省ホームページ

「年金の繰り下げ受給上限年齢の引上げ」のポイント

今回の改正内容のポイントをいくつか解説します。

1.原則の受給開始年齢は変わらない

上記にある通り、原則となる年金受給開始年齢は65歳から変わりがありません。

つまり、年金の受給開始年齢を65歳以降に延長しなくても、65歳から受け取れる年金額に変わりはないということです。

「私たちが老後を迎えるころには、年金は70歳になるまで満額受け取れなくなるのではないか」といった懸念があった人もいると思いますが、今回の改正ではその懸念は払しょくされています。

2.年金がさらに増額できる

今回大きく変わったのは、年金を増額できる期間が最大60ヵ月から、120ヵ月に倍増したことです。

増額率はひと月あたり0.7%と変わりありませんが、70歳まで最大42%だった増額率が、75歳まで最大84%まで拡大しています。

出典:日本年金機構ホームページ

日本年金機構の試算では、本来の年金額が180万円(月15万円)の人が、75歳まで繰り下げした場合、繰り下げ加算額は151.2万円となり、75歳からの年金額は331.2万円(月27.6万円)になるケースが取り上げられています。

出典:日本年金機構ホームページ

厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」によると、日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳となっています。

65歳から男女の平均寿命に近い85歳まで年金を受給すると仮定し、単純に計算すると、本来の年金額である180万円×85歳までの20年で3600万円の年金を受給できることになります。

それに対し、75歳まで繰り下げ、85歳まで年金を受給すると仮定した場合の年金額は、単純に計算すると、75歳からの年金額である331.2万円×85歳までの10年で3312万円の年金を受給できます。

いくら75歳まで繰り下げても、85歳までに亡くなってしまうと、繰り下げをしない方が生涯で受け取れる年金は多くなります。

同じく90歳までで試算すると、180万円×25年=4500万円、331.2万円×15年=4968万円。今回のケースで言えば、繰り下げ受給をすることで生涯受け取れる年金額が増加する分岐点は87歳前後にあることになります。

「年金の繰り下げ受給上限年齢の引上げ」で得する人、損する人

今回の改正で得をするのは、端的に言えば「元気に長生きできる人」です。75歳まで元気に年金なしでも生活できるだけの充分な収入を得ることができ、さらに平均的な死亡年齢をはるかに超えて長生きできれば、増額した年金により、ゆとりある年金生活を送ることができます。

反対に、今回の改正で損をするのは、「繰り下げ受給をしにくい人」や「年金の受給年数が少なくなる可能性のある人」です。早い年齢から健康上の不安などにより繰り下げ受給を申し出にくい人は、年金を増額することが難しくなりますし、平均的な死亡年齢よりも早く亡くなってしまうと、せっかく増額させた年金を受給できる期間が短くなってしまいます。

「年金の繰り下げ受給上限年齢の引上げ」を上手に活用するには

最近は人生100年時代と言われることもあり、「長生きリスク」などと言われるようにもなりました。高齢になるほど収入を増やす手立ては少なくなり、年金頼みの生活になる人が大半です。

そんな中、受け取れる年金の額が増やせるという点では「年金の繰り下げ受給年齢の引上げ」は心強い制度です。しかし、一方では、年金を受け取らない時期が長くなるため、就業期間を長くせざるを得なくなったり、受け取れる年金の年数が短くなったりすることもあり、万人にメリットがあるとは言えません。自身の就業状況や健康状態とよく相談することが必要です。

なお、今回の改正では、「年金の繰り上げ受給の減額率の見直し」も同時に行われています。今回解説した「年金の繰り下げ受給上限年齢の引上げ」と合わせ、自分にとって最良な選択を検討しましょう。

※データは記事執筆時点での情報。公開後に制度や内容が変更される場合がありますので、最新の情報についてはホームページなどでの確認をお願いします。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖 (講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他 

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