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CGの活用、見学即時予約、3D間取り、加速する不動産業界のDX

2022.03.20

各業界でDXが進む中、不動産業界も例に漏れず、特にコロナ禍で急速に進んだという。遠隔からの部屋の内見はよく知られているが、その他にも様々なサービスが登場していた。そんな不動産DXの最新トピックスをご紹介しよう。

不動産売買のDX

1.CGコンテンツの活用「バーチャルステージング」

不動産を新しく建てるときは、最新技術を用いることで現地に行かなくともこれから建てる物件のイメージがわくようになった。

それが現実化しているものの一つが、不動産情報を総合的に提供している「SUUMO」に実装されているCGコンテンツを活用した「バーチャルステージング」だ。物件完成前から外観イメージを見られ、家具を入れた内観のイメージを見ることが可能だという。

具体的にどのようなものなのか。株式会社リクルートSUUMO編集長の池本洋一氏に話を聞いた。

「バーチャルステージングとは、テクノロジーを用いることで、物件完成前から完成した外観イメージを見せたり、家具を入れた室内のイメージを見せたりすることができ、完成前から居住後のイメージを想起しやすい機能です。

モデルルームや現地に行かなくてもネット上で閲覧できることが最大のメリットで、消費者にとっては問い合わせ前に効率よく比較検討できる判断材料として使えます。企業側にとっては物件完成前から完成後をイメージしたPRができるため、完成前に完売できる可能性が広がります。また技術の進化により、高画質・高品質の3Dウォークスルーも実現しており、部屋を実際に歩いているようなバーチャル見学も可能になりました」

バーチャルステージングで家具を入れた室内の素材の例

●利用者にとってのデメリットや注意点

バーチャルステージングは、従来の現地での見学と比べて、利用者にとってどのような課題があるだろうか。

「CGコンテンツと実際の物件と比較すると、置きたい家具が置けるかどうかは微妙にずれているケースもあるかもしれませんので、見学時に確認する必要があります。

広告規定上、壁に染みがあるなどの瑕疵(かひ)を家具等で隠してはいけない、本当はある鉄塔や電柱を隠してはいけない。それはバーチャルステージングにもルール適用されますが、そのようなことが本当にないかどうかは、見学時に確認したほうが良いといえます」

現状はリアルを補填するためのコンテンツとして活用するのが良さそうだ。

2.新築マンションの「価格開示」

これまで、新築分譲マンションを購入する際、実際にモデルルームに足を運ぶまで物件の価格がわからなかった。そこでSUUMOは「何階のどの部屋がいくらなのか」が一目で分かる価格表を導入しているという。

なぜこれまで業界では事前の価格開示がされていなかったのか。池本氏は次のように述べる。

「新築分譲マンションにおいて、旧来は広告で価格を非開示、または幅のある表現にしておくことが当たり前でした。接客時における検討者の反応を見て価格を決定するほうが、早期完売や利益創出につながると考えられるためです。社会的にも今までほど、企業に対して透明性を求める時代ではなかったため、当たり前としてきた販売方法を変えることに着手していなかったのではないかと思います。

しかし、注文住宅やリフォームの領域では、コスト構造を詳細に開示する工務店ほど好調で、オープンな企業姿勢が消費者から求められていることを私自身も感じていました。そこで新築分譲マンションでも、『何階のどの部屋がいくらなのか』が一目で分かる価格表を2019年4月よりSUUMOに導入しました。情報を隠さず開示する企業姿勢が示せると共に、消費者も価格を知った上で商談したほうがお互いにとって効率が良いと、徐々に業界のスタンダードになりつつあります」

従来からのやり方を変えることについての支障はないのだろうか。

「当然、今までのやり方の当たり前を変えることにはなりますので、接客方法や販売方法も変える必要が生ずることから、抵抗感は少なからずあります。また、企業側にとっては、検討者の反応を見る前に価格開示するため、想定反応よりも価格が安く設定された場合、あまりにも早く売れてしまい、利益の機会損失のリスクが考えられます。また検討者が価格だけで判断し、住宅検討を諦めてしまうリスクがあるかもしれません」

透明性が高まったことは住宅地検討者にとって朗報だが、企業側の体制変更や利益面の対策が必要になるようだ。

3.モデルルーム見学の「即時予約」

不動産業界でも、ペーパーレス化が進んでいるという。これまで紙で行われていた予約受付や管理のDXが進むことで、これまで叶わなかったモデルルーム見学の「即時予約」が実現したそうだ。

「不動産業界では、いまだに紙の予約台帳やホワイトボードを使ったアナログな予約管理が残っているところがあります。また、消費者は予約を申し込んでも、折り返しの電話が来るまで予約を確定できず、すぐには来場時間を確定できないことに不満を抱えている状況でした。そこでSUUMOでは同じリクルートの業務支援サービスである『Airリザーブ』を導入。即時予約の受付・予約管理が可能になりました」

なぜ不動産業界はDXが遅れているのか。その理由について池本氏は次のように述べる。

「不動産業界において接客オペレーション系のDXが遅れている背景としては、まず取引の単価や利益額が高い商材であること、またその物件の販売権を持つ会社が1社の場合もあり、合理化をする必要性に迫られなかったことがあります。またそういう特別なものだと消費者、事業者共に考える風潮があることも一因だったと感じます。

また、業務が非常に煩雑であることです。例えば賃貸領域では建築会社の他にも仲介会社・管理会社などの関係者が多いため、膨大かつ煩雑な業務が発生します。DX化となると、どこから着手したらよいか、業務理解とともに関係会社とも協調していかなければ、DX化を進めていくこともむずかしいところがあります」

モデルルーム見学の即時予約ができるのは見学者にとってメリットだ。

しかしDX化は関係各社との連携も必要となるため、ハードルが高いようだ。池本氏は不動産業界のDX化について次のように述べる。

「DXが進むということは、ある種、標準化が進むということ。世の中のDXが進むに連れ、業界独自の慣習も見直さざるを得なくなります。またDX化はその業界で働く人の無駄を減らし、生産性を上げ、最終的には会社の利益、また働きやすい会社となることで、人材確保、経営改善につながります。結果、本来の業務である接客や仲介コンサル業に集中して頂けるようになることで、消費者にとっても一人ひとりに合った住まい探しがより速く楽しくできる社会になります。その意味においてもDX化の推進は必須であり、我々も微力ながらそれに貢献したいと考えています」

■賃貸物件のDX

●LIFULL HOME’S「3D間取り」

不動産業界の中でも賃貸物件についてもDXが進んでいる。

不動産・住宅情報サイトの「LIFULL HOME'S」が、2021年10月21日(木)にリリースした「LIFULL HOME'S 3D間取り」は、平面の間取り図から3Dの部屋を生成する技術を用いることで、3D空間に再現された部屋の中を歩くように視点操作することができ、生活動線や広さを体感できるサービスだ。

「LIFULL HOME'S」に掲載の賃貸物件のうち約250万件の詳細情報で利用ができるようになっている。

賃貸物件の検討時には通常、平面の間取り図や写真で部屋の広さや特徴をとらえていたが、3D空間となることで、まるで内見に行ったかのような、それに近い体験をオンライン上で得ることができる。

ターゲットは、多忙により内見の時間が作れない人や、コロナ禍も影響し外出を控えている人、健康上の問題で外出が困難な人。写真や間取り図では感じられない「立体的なお部屋の感覚」をオンライン上で体験し、奥行きや家具の配置など暮らしのイメージを広げることができるという。

株式会社LIFULL AI戦略室 データサイエンスグループ AIコンサルタント 横山貴央氏は、「3D間取り」について次のように述べる。

「ローンチ当初、3D間取りの掲載を見合わせていた不動産会社様から『他の会社から噂を聞いた。うちも導入したい』とのお声をいただくことがありました。また不動産会社様から『360度パノラマ画像を撮影できない物件でも、3D間取りを活用すればお客様へ案内しやすくなる』というお声もいただいています」

現状、利用者にとっての課題にはどんなことがあるのだろうか。

「3D間取りによって奥行きや家具の配置など暮らしのイメージを広げることはできますが、例えば壁紙の色や材質などを反映させる技術は開発途上です。また、平面の間取り図では高さの情報が含まれていないため、高さを忠実に再現することもむずかしい状況です」

課題を対策するには、利用者はどうすればいいだろうか。

「現状は3D間取りでおおよその空間・動線イメージをつかんでいただき、内見件数を絞るためにご活用いただけると良いかと思います。

3D間取りでは、既存の内観写真を室内にマッピングしつつ、ウォークスルーできるようになっています。この内観写真と見比べながら3D間取りの中を歩き回っていただくことで、壁紙や床、高さなどのイメージをより広げていただくことが可能だと考えております」

コロナ禍で急速に進んだ不動産DXのトピックスを紹介してきた。まだ課題は残されているものの、新規住宅や賃貸物件の検討者にとって、より便利になったことは間違いない。

【参考】
SUUMO
LIFULL HOME'S「3D間取り」

取材・文/石原亜香利

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