
さんぽセル
『さんぽセル』はランドセルをキャリーバッグのように運ぶことができる携帯型スティック。これを見て「自分で背負えないの?」と感じる人に、現代のランドセル事情を知ってほしい。脱・ゆとり教育により教材がどんどん増え、オンライン授業でタブレット端末を持ち帰ることも増加している。その結果、通学での平均的なランドセルの重さは約6kgで、場合によっては10kgを超えることも。小学1年生の平均体重は約20kgと考えると、それがどのくらい大変か想像できるだろう。
『さんぽセル』を考案したのは、何と現役の小学生男子。若者の研究活動を支援する「悟空のきもちTHE LABO」が協力するかたちで夏休みに商品開発を行なったところ、すぐに特許申請ができた。
「開発段階では小学生を対象に何度も試用テストをしましたが、『学校が空港みたい!』『通学が楽しくなった』といった声がありました。まだ発売前ですが、現在約2000個の予約が入っています」
こう語るのは悟空のきもちTHE LABOの代表・永野弘樹さん。小学生たちの発想力と行動力によって生まれたこの商品、定着することで重いランドセルに苦しむ小学生が、少しでも減ってほしい。
開発のきっかけは「『Nintendo Switch』が欲しい」と大人におねだりしたところ、商品開発で特許を取得すれば、自分たちで購入できることをアドバイスされたことによる。
『さんぽセル』(3960円)は「悟空のきもち THE LABO」の公式サイトより予約受け付け中。商品の重さは230g。使わない時はランドセルに装着し、すぐに取り付けることができる。
DIMEの読み
ランドセル重すぎ問題は想像以上に深刻。このままだとランドセルという文化の継承も危うい状況となっている。重さを解消するための商品は、これからも需要がありそうだ。
取材・文/高山 惠
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年1月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。