
「不動産会社VS個人」購入(売却)するならどっち?
「投資用中古ワンルームマンション」を、老後の資金対策として家賃収入(インカムゲイン)や、売却益(キャピタルゲイン)を目的に運用している人が増えている。
売却益を狙うときはもちろん、不動産投資の出口戦略には売却がつきものなので、購入を検討の際は売却も前もって考えておく必要がある。
そこでワークスベイは、投資用中古ワンルームマンション売買の経験者を対象に、「不動産投資の実態」に関する調査を実施したので詳細をお伝えしよう。
購入理由は資産形成として、購入先は不動産会社からが約8割
「投資用中古ワンルームマンションを購入した理由は何でしたか?(複数回答可)」と質問したところ、『資産形成として(61.6%)』と回答した人が最も多く、『生命保険などの代わり(22.6%)』『年金対策として(16.6%)』などの意見も多く見られた。
働き方改革によって副業を認める企業も増えてきていることから、収入源を本業だけに頼らない動きが広まっているようだ。
そのため、投資用中古ワンルームマンションを購入し資産形成を考える方が増えているのかもしれない。では、投資用中古ワンルームマンションはどこで購入しているのだろうか。
「投資用中古ワンルームマンションはどこから購入しましたか?」と質問したところ、8割近くの人が『不動産会社から直接(78.1%)』と回答した。ではなぜ、不動産会社から直接購入したのか、理由とはどのようなことがあるのだろう。
「その理由を教えてください(上位3つ選択)」と質問したところ、『不動産会社から買う方が安心だと思ったから(74.7%)』と回答した人が最も多く、次いで『サポートがいいと思ったから(69.2%)』『賃貸管理の会社があったから(53.5%)』と続いた。
不動産会社から購入する人は安心感を求めているということがわかる。会社の力量によってサービス内容も充実してくることから、不動産会社から直接購入している人が多いようだ。
ただし、サービスが充実していればしているほど費用がかかっている(販売会社はその分の利益を確保しなければならない)ということは留意点しておきたい。
どちらも充実していることが望ましいが、「安心」か「割安感」かどちらを優先するかが、不動産会社から購入するか個人から購入するかの判断基準の一つになるかもしれない。
投資用中古ワンルームマンションを購入する際に大変なことTOP3は(購入について)
投資用不動産の売買の仲介で個人から購入することにおいて、割安感があることがメリットだとすれば、デメリットはどこにあるのだろうか。
「仲介会社経由で購入する際に大変だったことは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『物件の選定をすること(45.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『自己資金の準備をすること(32.9%)』『アフターフォローがないこと(28.8%)』と続いた。
仲介会社は、販売会社に比べ仲介という特性上、紹介できる物件数が非常に多いので、不動産投資未経験者の人は特に、買主自身で物件の良し悪しを判断することが難しいのだろう。
また、自己資金が高額でローンを組むことが難しい点と、アフターフォロー含むサポートが充実していないことがデメリットと言える。
投資用中古ワンルームマンションのその後…売却の理由や重視していたポイントは?(売却について)
「投資用中古ワンルームマンションの売却の理由は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『資金作り(37.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『高値での売却が出来た(30.8%)』『買い替え(27.4%)』と続いた。
キャピタルゲインを目的にした売却が理由の約7割を占めるという結果となっている。次に、売却の際に重視したこととはどのようなことだろうか。
そこで、「売却をする際に、何を重視していましたか?」と質問したところ、6割以上の人が『高く売却すること(66.5%)』と回答した。
事情により、早期の売却が必要という場合もあるようだが、売却の理由がキャピタルゲインを狙うことであることから、当然ながら重視したことが高く売却することが優先になっていることがわかる。
売却先と売却する際に大変だったことは?
「投資用中古ワンルームマンションはどこへ売却しましたか?」と質問したところ、8割近くの人が『不動産会社に直接、または仲介会社を経由して不動産会社に売却(77.6%)』と回答した。
購入と同様に、個人ではなく販売業者に売却している人が約8割を占める結果に。では、不動産会社に売却したメリットとは具体的にどのようなことだろうか。
「不動産会社に売却をして良かったと思うことは何ですか?」と質問したところ、4割の人が『高く買い取ってもらった(41.6%)』と回答。
売却までに相見積もりを何社かけたか、仲介での売却を検討したかなどの経緯はわからないが、キャピタルゲインを狙い売却するからにはより高く売却できる方法が何かを模索する必要があることがわかる。
では、個人に売却した場合はどうだろう。
個人に売却をした理由は?
・ツテがあったから(30代/女性/東京都)
・高値で買い手が見つかったから(40代/男性/大阪府)
・余計な経費を使いたくない(40代/男性/熊本県)
などの回答が寄せられた。個人に売却する場合は、販売価格を売主自身で設定できるなど、販売会社に買い取ってもらうより自由度が高くなる点がメリットであると窺える。
では、逆に苦労したこととはどのようなことだろうか。
「個人に売却する際に苦労したことは何ですか?」と質問したところ、3割の方が『時間がかかった(33.9%)』と回答した。
仲介においての販売価格は売主自身で決めることができるという自由度はあるが、仲介の特性上、受け身の売却活動になるので、故に時間がかかることが懸念点のようだ。
また、仲介において買主は、自身で金融機関を探さなければならないため、購入者がローンを組めないという買主側の課題があることも考慮する必要がある。
調査概要
「不動産投資の実態」に関する調査
調査期間:2022年2月1日(火)〜2022年2月3日(木)
調査方法:インターネット調査
調査人数:1,013人
調査対象:中古の投資用不動産売買の経験者
モニター提供元:ゼネラルリサーチ
構成/Ara