
ハイエンドモデルと同等の高性能チップを搭載し、比較的安価に購入できると人気の「iPhone SE」シリーズ。2022年3月9日(日本時間)に開催された、アップルの「Apple Event」で、最新モデルとなる「iPhone SE(第3世代)」が発表されました。
前モデルの「iPhone SE(第2世代)」は2020年に発売されており、以来約2年ぶりのモデルチェンジを果たした新型iPhone SE(第3世代)は、今まで通り安くて使いやすい、みんなのための〝やさしいiPhone〟なのでしょうか。詳しくチェックしてみましょう。
また、3月11日午後10時がiPhone SE(第3世代)の予約開始ですが、新型は予約すべきでしょうか? それとも待つべきでしょうか? 検証してみたいと思います。
iPhone SE(第3世代)の日本での発売日・販売価格は?
まずは、気になるiPhone SE(第3世代)の発売日、販売価格について確認してみましょう。
iPhone SE(第3世代)は、予約開始日が2022年3月11日の午後10時から。発売は3月18日となります。
Apple Storeでの販売価格はストレージ容量ごとに違い、64GBモデルが5万7800円、128GBモデルが6万3800円、256GBモデルが7万6800円となります。
【参照】iPhone SE(第3世代)
前モデルであるiPhone SE(第2世代)は、64GBモデルが4万9280円、128GBモデルが5万4780円、256GBモデルが6万6880円だったため、日本円では全モデルが1万円程度高くなったことになります。これはチップ性能や5G通信への対応といった、性能の進化によるものでしょう。
iPhone SE(第2世代)
執筆時点で、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社からの発表はありませんが、従来モデルの傾向を踏まえると、それぞれの通信キャリアからの発売にも期待がかかります。こちらは続報を待ちましょう。
4.7インチディスプレイにホームボタン搭載! デザインはほぼ変わらず?
ここからは、新型iPhone SE(第3世代)のデザインや機能など、具体的な進化ポイントをチェックしていきましょう。
まずは、デザインから。
今回のモデルチェンジでは、前モデルからデザイン面での変更はほぼなく、4.7インチディスプレイ搭載のコンパクトボディをほぼそのまま継承しています。また、ディスプレイ上下にはやや太めのベゼルがあり、下部にホームボタンを搭載しています。
ホームボタンは、Touch ID(指紋認証)に対応。iPhone 13シリーズといった、ホームボタンを搭載していないモデルでは、Face IDによる顔認証が行いますが、コロナ禍でマスクを着ける機会が増えた昨今では、指紋によるロック解除機能も便利。iPhone SE(第3世代)は、時代のニーズにしっかりと応えたともいえるでしょう。
ボディの素材には、iPhone 13シリーズで使用されている、頑丈なガラスが前面、背面ともに使用されており、iPhone SE(第2世代)よりも上質感や耐久性がアップしていると予測できます。また、IP67等級の防水・防塵にも対応しました。
充電端子は、前モデルから変わらずLightningとなっています。Qi規格のワイヤレス充電や、高速充電にも対応しており、日常生活での使用に不便を感じることは少ないでしょう。
カラーバリエーションはミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)REDの3色展開となります。
iPhone SEシリーズ初の5G通信対応! 意外とレアな端末になる!?
前モデルからの決定的な違いとして注目なのが、5G通信への対応でしょう。
iPhoneとしては、2020年発売の「iPhone 12」シリーズ、現行のハイエンドモデルである「iPhone 13」シリーズと5G通信に対応し、ついにiPhone SE(第3世代)でも、満を持して5G通信に対応した形です。
iPhone 12シリーズ、iPhone 13シリーズはご存じのとおり、前面のほぼすべてがディスプレイになっているデザインで、Face IDでロック解除を行うモデルです。また、iPhone SE(第2世代)では、5G通信に対応していなかったため、新たに登場するiPhone SE(第3世代)は、ホームボタンを搭載してTouch IDに対応、5G通信ができる唯一のiPhoneということになります。
これまで、指紋認証の利便性や物理ボタンがある安心感から、iPhone SE(第2世代)やiPhone 8以前の端末を使用してきた人は、5Gによる高速通信の恩恵を受けられませんでした。こういったユーザーにとっては、機種変更先の第1候補になるかもしれません。
iPhone SE(第3世代)にはiPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を搭載
搭載チップセットは、iPhone 13シリーズと共通の「A15 Bionic」です。
A15 Bionicは、2つの高性能コアと4つの高効率コアで構成された、6コアCPUを搭載しており、iPhone 8と比較すると最大で1.8倍高速の処理が可能です。また、機械学習の性能に携わる「Neural Engine」は、1秒間に15兆8000億回の演算ができます。
アウトカメラは、12MPのシングルレンズで、前モデルから進化をあまり感じませんが、A15 Bionicを搭載することで、被写体と背景の色、コントラスト、ノイズにそれぞれ調整を加え、適切な明るさにする「スマートHDR 4」機能などが利用できます。
また、本体サイズを鑑みると、バッテリー容量もiPhone SE(第2世代)から大きく変化しているとは考えにくいのですが、A15 Binoicと、初期搭載OSの「iOS 15」の連携によって省電力化しているため、前世代よりも長いバッテリー駆動時間になるようです。
新しいiPhone SEは予約すべき? それとも待つべき?
このように、iPhone SE(第3世代)は、見た目こそiPhone SE(第2世代)から大きく変化していませんが、5G通信への対応や、iPhone 13シリーズと共通のチップ「A15 Bionic」の搭載といった、内部のアップデートが施された端末です。
また、ホームボタン・指紋認証機能を搭載しながら、5G通信に対応した、唯一無二の端末でもあります。最も安価な64GBモデルであれば5万7800円から購入できるので、高性能なチップセットとホームボタンの安心感、指紋認証の利便性がほしいという人には、ぜひ手にしてほしい端末です。
以下、現在使用しているiPhoneの機種別に、iPhone SE(第3世代)に機種変更するべきかを考察してみました。買い換えを検討している方はよろしければ参考にしてみてください。
1.iPhone SE(第1世代)ユーザー
→ iPhone SE(第3世代)を迷わず予約が○。
2.iPhone 8以前のホームボタンを採用したiPhoneユーザー
→ iPhone SE(第3世代)を迷わず予約が○。
3.iPhone SE(第2世代)ユーザー
→ 5Gの恩恵を今すぐにでも受けたい方は、iPhone SE(第3世代)の予約がおすすめ。購入して2年未満で買い換えタイミングを待って5G通信にシフトする予定なら、予約せずにご自身のiPhoneを買い換えしやすいタイミングでiPhone SE(第3世代)に買い換えるのも○。
4.iPhone Xシリーズ、iPhone XSシリーズのユーザー
→ そろそろバッテリーの持ち具合いに不安があったり、すぐにでも5G通信にシフトしたい方、Touch ID(指紋認証)の利便性を求めているならば、iPhone SE(第3世代)の予約がおすすめ。とにかく最先端のiPhoneがほしい方は、2022年9月頃に登場するであろ、iPhone 14(仮称)を待つのも○。
5.iPhone XRユーザー
→ Touch ID(指紋認証)をお望みならば、iPhone SE(第3世代)への買い替え予約がおすすめ。iPhone 14(仮称)を待ち、そちらがTouch ID(指紋認証)機能を搭載するなら、その時点で買い替えるのも○。もしiPhone 14(仮称)にTouch ID(指紋認証)が搭載されなければ、新型iPhone SE(第3世代)を〝5G通信対応のiPhone〟として買い替えるのも○。
6.iPhone 11シリーズのユーザー
→5G通信対応、Touch ID(指紋認証)ができる最新のiPhoneとして、iPhone SE(第3世代)を予約するのは○。iPhone 14(仮称)を待つのも○。
7.iPhone 12シリーズ、iPhone 13シリーズのユーザー
→iPhone 14(仮称)を待つのが、買い換えタイミングを考えても正解かも。
取材・文/佐藤文彦