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災害時におけるペットの「同行避難」と「同伴避難」違いを理解している人はどれくらいいる?

2022.03.12

ペットは大切な家族。万が一、大規模災害が降りかかった際も一緒に連れていきたいという人がほとんどだろう。

では、災害時におけるペットとの「同行避難」について、対策を講じている飼育者はどれくらいいるのだろうか?

アイペット損害保険ではこのほど、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の1,015名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査を実施した。

最寄りの避難場所ペットの受入れ体制「知らない」が7割強、態勢整備の課題も

自宅の最寄りの避難場所を認知している方に対し、「自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか」を尋ねたところ、「知っている」と回答した方は25.4%にとどまり、「知らない」との回答が7割以上を占めた。

また、「知っている」と回答された方の中で、「避難場所のペットの受入れ体制がわからない」と回答した方は14.7%で、8割以上が受入れ体制についての内容を把握していた。

また、2021年(以下、昨年)と比較すると、「建物の中に一緒に入ることもできる」と回答された方が5ポイント増加した一方で、「建物の中に一緒に入ることはできない」が半数以上となっており、依然、避難場所のペットの受入れ態勢については課題を感じる結果となった。

避難生活での心配事は「他人や他のペットとのトラブル」など、犬・猫飼育者共通

続いて、「ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が上位となり、昨年と同様の回答が並んだ。避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようだ。

「同行避難」の認知進まず、半数近くが理解していない現状

以下の文章を提示し、それが「同行避難」「同伴避難」どちらに当たるかを尋ねたところ、正解の「同行避難」を選択した方は51.9%で、昨年(55.7%)と比べ3.8ポイント減少し、内容を理解していない人が半数近くにも上るという結果となった。自然災害の多かった2021年に微増した認知・理解度は、2020年(51.8%)と同水準となり、周知が進んでいないことがうかがえる。

●災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所まで避難すること

続いて、「災害時ペットは飼い主との「同行避難」が原則とされていることを知っているか」の問いに対しては、「知っている」と回答した方は19.2%にとどまった。特に猫飼育者では、8割強が「知らない」と回答しており、室内飼いが推奨される猫飼育者については、依然、避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高いことがうかがえる。

昨年より、環境省は各自治体向けにペットの受入れ態勢などについてのチェックリストを作成するなど、「同行避難」に関する態勢整備や周知などを強化しており、「原則認知」については微増しているが、ペット飼育者への理解浸透という点については、課題を感じる結果となった。

ペットのための防災対策をしている飼い主は19.6%、昨年に比べ微減

「災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか」を尋ねたところ、何かしらの対策をしている飼い主は19.6%で、昨年に比べ2ポイント減少した。犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」、猫飼育者の回答では「ペット用の防災グッズを揃えている」が最多となった。

また、昨年の調査と比較すると、災害時の迷子対策として有効な「マイクロチップの装着」については、特に犬飼育者が減少(昨年、22.2%)しており、本年6月からマイクロチップ装着が義務化されるが、災害対策としての装着意識は低いことがうかがえる。

さらに、犬飼育者では「近隣のペットと避難できる避難所を調べた、または確認した」「在宅避難ができるよう、家具やケージ固定、落下防止などペットのための防災対策によって自宅の環境を整えている」、猫飼育者では、「普段から他人や他人のペットに慣れさせている」「ペット用の防災グッズを揃えている」がそれぞれ大幅に増加した。

備えている防災グッズの上位は 「フード(おやつ含む)・飲料水」「トイレ用品(猫砂を含む)」

続いて、「ペットのために現時点で備えている防災グッズ」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「フード(おやつ含む)・飲料水」「トイレ用品(猫砂を含む)」が上位となった。次に多かったのは、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「ケージやクレート」で、昨年と比較して大きく増加した項目は、犬飼育者は「常備薬・療養食」、猫飼育者は「ペットの保険証・健康手帳」だった。

6月の義務化を前に「マイクロチップ装着率」は全体で23.8%、装着理由トップは2年前より約16ポイント増加

本年6月より施行されるマイクロチップ装着義務化(既に飼われている犬や猫については「努力義務」)を前に、「マイクロチップ装着が義務化されることを知っているか」を尋ねたところ、「知っている」と回答した方は57.3%で、4割近くは、「知らない」と回答した。

続いて、「知っている」と回答した方へ「どこから情報を得たか」を尋ねたところ、犬・猫飼育者共に「テレビ」が最多となった。6月の施行を前にニュースやテレビ番組で特集が組まれる機会も増えており、そこから情報を得た方も多いようだ。なお、行政・自治体が発信している情報から得た方は、犬飼育者5.9%、猫飼育者は、3.3%にとどまった。

次に、現在の装着有無についても尋ねたところ、装着率は全体で23.8%となり、昨年(25.4%)に比べると微減した。特に猫飼育者は、犬飼育者の約半分となる15.3%にとどまっており、入手経路としてペットショップで迎え入れるよりも「拾った、迷い込んできた」も多いと言われている猫の入手経路が影響を与えている可能性も考えられる。

加えて、装着目的を尋ねたところ、犬・猫とも「装着されていたペットを迎え入れた」がトップで、昨年よりも8ポイント増加した。またこの3年の推移を振り返ると、「装着されていたペットを迎え入れた」は、一昨年も同様に増加しており、この2年で約16ポイント増加した。

同じく犬・猫飼育者別では、犬飼育者が、昨年から9ポイント増加しており、この2年で18ポイント以上増加した。猫飼育者では、この2年で約13ポイント増加している。6月の義務化施行を前に、販売元などでの対応が一段と進んでいることがうかがえる。

また、「装着していない」と回答した方を対象に、今後装着の可能性を尋ねたところ、「検討しない」が全体の6割を超えた。「検討しない」理由では、犬・猫飼育者とも、「必要性を感じない」「痛そう、かわいそうだから」が上位となった。その他自由回答では、「高齢のため」「持病があるため」「寝たきりのため」などペットの年齢や体調を気づかう声の他、「どこで装着できるのか不明なため」との声もあがった。

本年6月には、販売用の犬や猫へマイクロチップの装着を義務づける改正動物愛護管理法が施行される。既に飼っている方については、装着は努力義務となるが、マイクロチップは、飼い主の責任を明確にし、捨て犬や捨て猫を防ぐ狙いがある他にも、災害時には、迷い犬・猫の発見などにも有効な手段になると言われている。これを機会に、検討される方が増えていくことも期待される。

環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年発行)では、飼い主とペットが原則一緒に避難することが明示されている。

東日本大震災から10年の節目となった昨年、環境省では各自治体向けにペットの受入れ態勢などについてのチェックリストを作成し、「同行避難」への態勢整備や周知などを強化しており、ペットと共に安全に避難できる避難場所は少しずつ増えている。一方で今回の調査では、「同行避難」に関するペット飼育者への理解・浸透という点については課題を感じさせる結果となった。

また、2021年は、前年に引き続きコロナ禍において、ペットを家族として新たに迎え入れる方は、増加傾向にあると言われており、今回の調査対象者の中でも、2年以内にペットを迎え入れた方は14%にのぼった。

新たに迎え入れた方も、ペット防災への意識を高め、万が一の時、大切なペットを守れるよう、積極的に行政が発信する情報に日ごろから耳を傾けるとともに、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるだろう。

出典元:アイペット損害保険株式会社

構成/こじへい

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