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メタバースの向かう先は人に優しい世界か?都合のよい世界か?中央大学岡嶋裕史教授とVRアーティスト・せきぐちあいみさんが語るメタバースの未来

2022.03.29

メタバースは今後、どう発展していくのか? 現場の第一線で活躍する研究者である岡嶋教授とVRアーティストのせきぐちさんに、メタバースが我々の生活をどう変えるのか。その未来を語ってもらった。

「メタバースのほうが居心地いい」という人も増えてくる

  バズワード化している「メタバース」ですが、おふたりは今年どんな動きがあると思いますか?

岡嶋 メタバースをコミュニケーションするための仮想空間という意味で考えれば、ユーザーにとって都合のよい空間はSNSからメタバースにシフトしていくと思います。

せきぐち メタバース“だけ”でみんなが仲良く、和やかに過ごせる時代が訪れそうです。つまり、メタバースの中だけで生活でき、経済が成り立つ「デジタル経済圏」が発展していくと思います。

岡嶋 私の場合は見た目通り、リアルでのコミュニケーションが苦手でして(笑)。例えば、コロナ禍で大学の教授会をここ2年弱ほどオンラインで開催していたんです。リモートだと、「声の大きさ」が気にならないので、権威のある人に引っ張られることが少なくなるなあと実感しています。これがメタバースで、教授陣が様々なアバターで登場したら、より和やかな雰囲気で、議論が対等に進められそうです。

せきぐち 確かに、学長みたいな偉い人がネコのアバター姿で会議室にいたら、思わず「くすっ」と笑ってしまいそうですし、現実では面と向かって言いづらい意見でも、アバターに向かってなら言えちゃうかもしれませんね。

岡嶋 そうそう。そういう権威のみならず、例えばトランスジェンダーの人や見た目を気にする学生とかでも、メタバース上でのコミュニケーションなら神経質にならずに済む。そっちのほうが過ごしやすいという人はこれから増えると思います。

せきぐち 一方で、そんな自由な空間でもルール作りがこれからの課題かなと考えさせられる出来事がありました。

 先日チャットアプリで、会った人の画面を高速に点滅させて視界を悪くする愉快犯的な嫌がらせをする人がいました。しばらくするとアカウント停止になるのですが、メタバース上とはいえ、人に迷惑をかけた時に責任を取らないのは間違いです。仮想空間とはいえ、人々が暮らしやすくなるために、どこまで規制するのか。またその規制は国家が法律で規制するのか、メタバースのサービス提供者が規約で縛るのか、今後議論が必要だと思います。

規制やルールをどう作っていくか?秩序と自由のバランスが課題

せきぐち あいみさんVRアーティスト  せきぐち あいみさん
昨年VRアート作品のNFTが約1300万円もの高値で売れたことから話題に。現在は、VRアーティストとしてライブパフォーマンスやメタバース上に様々なコンテンツを制作する日々を送る。

『Crypto Zinja』

日本古来の文化である神社をメタバース上に再現した『Crypto Zinja』を制作、国内外から注目が集まっている。

高齢化が進む日本にとってメタバースはチャンス

  メタバースでは、今後どのようなビジネスやサービスが生まれてくると思いますか?

岡嶋 メタバースは、SNSよりも「体験を共有する技術」に優れています。そのため現実世界で体験を提供する、あらゆる人々や企業にビジネスチャンスがあります。それこそ、VRアートを描くパフォーマンスという体験を提供しているせきぐちさんは“時の人”と言えるほど注目を集めていますよね。

せきぐち 私の場合は始めるのが早かったので、先駆者として注目が集まっているだけかもしれませんが、実際にVRアーティストとして、たくさんの人に見てもらう機会が増えました。

 最先端のIT機器を使ったデジタルコンテンツって、物好きの若者にしか刺さらないイメージかと思いますが、高齢者の人にも興味を持ってもらっています。メタバースにアクセスすれば、たとえ体が思うように動かせなくても、様々な場所に行けるし、世界中の人ともつながれる。これがIT機器が苦手と思われている高齢者の心すら動かしたんじゃないかなと。

岡嶋 実は、高齢者の人って意外にもITに興味がある人が多いんですよ。私はテレビ番組で高齢者向けのスマートフォンの入門講座を担当したんですが、予想を超える反響がありました。高齢になると体の自由も利きにくくなるので、メタバースは日本の高齢化社会にこそ必要なのかもしれません。

  メタバースが普及していく上で、今後注目すべき技術や課題はありますか?

せきぐち 私が注目しているのはやはり、ブロックチェーン技術を使って、コンテンツデータの権利を証明し、売買しやすくしてくれるNFT(ノン・ファンジブル・トークン)です。メタバースは、いわばデータの塊なので、メタバースとNFTの相性は抜群だと考えています。先ほどお話ししたメタバースでの「デジタル経済圏」の実現にも欠かせない技術なんじゃないかなと。

岡嶋 メタバースの盛り上がりに拍車をかけている理由のひとつにWeb3という次世代ウェブの考え方があります。Web3は「ブロックチェーン技術を使った分散取引」を基本に、GAFAのような巨大企業がデータや利益を独占せず、透明性を確保しようという世界です。つまり、誰でも見えるところで公平に取引しながら、双方向にコミュニケーションできる。そんな世界観に共感する人が増えているのだと思います。

せきぐち 確かにこれからメタバースは広がっていくと思いますが、私はメタバースでいろいろと見聞きしたデジタルコンテンツのみで満足してほしくはないなと思います。今、実在する神社のコンテンツをメタバースに作っていますが、それだけで満足するのではなく、実際にリアルな神社にも足を運んでもらいたいと思っています。デジタル上に体験をコピーできるのがメタバースのよいところですが、実物を見に行くことで新たな発見が得られます。メタバースが新たな体験のきっかけになってくれるといいなと思います。

岡嶋 最初に話したようにメタバースはバズワードになっていますが、メタバースにアクセスする機器やその技術は発展途上で、送受信できる情報量もまだまだ少ないです。そんな状態で今のメタバースにアクセスしてみて、「まあこんなもんか……」と幻滅はしないでほしいですね。将来、メタバースの普及期が訪れることを見据えて、あれこれ試してみること、興味を持って一歩踏み出すことが重要だと思います。

普及期はもう少し先。
今の状況だけでなく長期的な可能性に目を向けるべき

岡嶋裕史さん中央大学国際情報学部教授  岡嶋裕史さん
日本のIT黎明期である1990年代後半から、情報セキュリティーやネットワーク分野を中心に著書多数。近著に『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』(光文社新書)がある。

メタバースについてゼロから解説した入門書

メタバースについてゼロから解説した入門書。今後を左右する企業動向など具体例を交えて解説している。

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【参考】https://dime.jp/genre/1322178/

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◆セブンネット  https://7net.omni7.jp/detail/1232756620

取材・文/久我吉史


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