性別や体型などに制限されず、自由なファッションを楽しめるのがメタバースの魅力。なりたい自分を表現したユーザーたちが集う場があることで、ファッションはさらに発展しそうだ。現実世界で購入した服の情報を読み取ることで、メタバース内で現実と同じ服を着用できる仕組みも今後生まれる見込み。
バーチャル内で着用する機会の創出などが課題
メタバースのイベント「バーチャルマーケット」に出店しているビームス。3度目の際には〝パラリアル〟をコンセプトにしたそうだ。
「メタバースが一般化する今後を見据え、リアルの商品を生かしたファッションも楽しめるような提案をしたいと考えました」(木下香奈さん)
今回販売したアバターは、実際の店舗でも扱っている商品をベースに、トータルでコーディネートしたもの。同企画の担当者・木村淳さんによると、様々な学びがあったという。
「『上下セットではなくパーツごとに販売してほしい』『アレンジできるようにしてほしい』といった幅広い意見をいただきました。また、アバターは身長や体型が様々で、それらの需要を満たすためのサイズ開発も今後は必要だと感じています」
アバター用の服を制作して販売するだけでなく、共有の場を設けてファッションを見せあう場も、重要な要素だと木下さん。
「バーチャルのTPOに合わせた服装の提案もしていきたいです」
一方、木村さんはメタバースの発展で、バーチャルとリアルが相互作用する世界が到来すると考えている。
「自分の写真にARでアバターを重ねて自撮りする……といった仕組みが出てくるかもしれません。今後の展開が楽しみですね」
「バーチャルマーケット2021」の出店ショップで販売
ビームス「BEAMSオリジナルアバター」
実店舗『BEAMS HARAJUKU』を模した店舗では、アニメ『ODDTAXI』のコラボアバターなどの商品をはじめ、初の試みとなる2021年秋冬のルックを再現したアバター2種類を販売。2階には映画『浅草キッド』の世界を再現した。
●対応プラットフォーム:VRChat
洋服を着たアバターごと販売しました
ビームスクリエイティブ
ビジネスプロデュース部
木下香奈さん
バーチャルだと品切れする心配がありません
ビームスクリエイティブ
ビジネスプロデュース部
木村 淳さん
イベント開催期間中、ビームス社員が交代でアバターでの接客を実施。来店客の中には、接客で仲良くなったスタッフが普段働く実店舗に足を運び、写真を撮ってSNSに投稿することもあったそうだ。
リアルでは着る勇気が必要(!?)な〝レザーの上下〟の組み合わせ
ブランド『VAPORIZE』の2021年秋冬ルックを再現。「男性アバターのトレンドを調査する目的もあり、エッジの効いたデザインを選定しました。こうした服を試せるのもメタバースの魅力ですね」(木村さん)
タッセルや透ける生地で着用している楽しさを演出
ブランド『maturely』の2021年秋冬ルックをバーチャルで再現したもの。「カーディガンから垂れるタッセルが揺れるほか、スカートの模様に沿ってアバターの脚が透けるようにしました」(木下さん)
人気アバターが着用している服をリアルの服として商品化!
シーズメン「ポリゴンテーラーファブリック」
アバターの服をリアルに再現する第1弾。3Dモデラー長兎路こより氏が製作する人気アバター「レイニィ」より、ZIPブルゾン(1万7900円)、プルオーバー(8900円)、ボディーバッグ(7500円)を販売する予定だ。
●対応プラットフォーム:未定
有名ブランドのコラボ服も扱う人気ファッションアプリ
NAVER Z Corporation「ZEPETO」
自撮り写真から3Dアバターを作成する『ZEPETO』ではグッチやラルフローレンなどとのコラボを進行中。購入した服は同メタバース内(ワールド)で着用できる。
●対応プラットフォーム:アプリ「ZEPETO」
テーマパーク内でアバター用のスニーカーを提供
ナイキ「エアマックス 2021」
ゲーム開発プラットフォーム「Roblox」内に登場した「NIKELAND」。ナイキのアバター専用ウェアの購入や装備ができる。
●対応プラットフォーム:Roblox
NFTオーナーになることでオリジナルウエアを入手できる!
アディダス「Into The Metaverse」
『アディダス オリジナルス』のNFTを購入すると「The Sandbox」で使えるアバター用衣装と同デザインの服が配布される。
●対応プラットフォーム:The Sandbox
取材・文/桑元康平
※採用プラットフォームなどの情報は2022年1月末時点のもの(編集部調べ)
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年1月末時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
DIME4月号の特集は「メタバース超入門」
DIME4月号の特別付録は、仕事や趣味で使えるデジタルスケール! サイズはコンパクトなのに、0.3g〜3000gまで0.1g単位で量れる本格派。付属するトレーで、個数カウント機能や風袋引き機能も使えます。ミニ四駆や模型を作ったり、レジン液の計量、郵便物やフリマアプリの出品物の計量、各種部品やパーツ、宝石の計量など様々な用途に対応。金属製のボディーは高級感があり、コンパクトなので、工具箱に入れたり、デスクの引き出しにも収まる。
【参考】https://dime.jp/genre/1322178/
【オンラインで購入する】
@DIME公式通販人気ランキング