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新型BEV「bZ4X」プロトタイプに乗ってわかった電動化に取り組むトヨタの本気度

2022.03.07

トヨタのBEV(バッテリーEV=電気自動車)の第一弾が、スバルとBEV専用プラットフォームから新規共同開発したbZ4Xである。今回は前回のbZ4X解説記事に続き、袖ヶ浦フォレストレースウェイにおけるプロトタイプの試乗記をお届けしたい。

まずはパワーパッケージについて報告すると、駆動モーターはFF用が204ps、4WD用が前後各109ps(218ps)となる。タイヤはMidグレードが235/60R18、Highグレードが235/50R20サイズ。プロトタイプに装着されていた銘柄はブリヂストンのSUV専用タイヤ、ALENZA001であった。

ごく普通にドアオープナーを引き(レクサスNXのe-ラッチシステムは採用されていない)、運転席に乗り込めば、ゆったりとしたシートサイズ、自然なドライビングポジション、そして遠方、上方配置のフードレス化デザインのトップマウントメーターの見え方が印象的だ。

確かにメーターは見やすいと言えるのだが、操縦桿のようなワンモーショングリップ&ステアバイワイヤのステアリングデザインを前提としているはずで、ドライバーの体型、ドライビングポジションによってメーター下部がステアリングリム上部で隠れてしまいがちだ。

身長172cmの筆者の場合、シートハイトコントロールは最下端にセットするのを基本としているのだが、そのドライビングポジションではステアリングのチルトを最下端にしないとメーター全体が視認できなかった。これについては、まずは中国市場から導入されるというワンモーショングリップ&ステアバイワイヤのステアリングの日本仕様への導入に期待したいところである。

ワンモーショングリップ&ステアバイワイヤの操縦感覚は未知数だが、デザイン、先進性という意味において、bZ4Xに不可欠なアイテムだと思えるからだ。なお、開発責任者にこの件を伝えたところ、メーター表示の上方配置など、検討中とのことだ。

前回のbZ4X解説で触れ切れなかった室内空間については、トヨタRAV4比で前席ヒール段差が-55mmの275mm、後席ヒール段差は-40mmの290mm。カップルディスタンス=前席左右席間距離は±0mmの750mm、タンデムディスタンス=前後席間距離は+55mmの1000mm。ヘッドクリアランスは-15mmの45mmとされている(メーカー値)。

頭上方向が狭まっているのは、もちろん、RAV4に対して全高が60mm低いからである(リヤドア部分のサイドシル地上高はBz4Xが450mm。RAV4が465mmと、乗降性はbZ4Xが上回りそうだ)。具体的には、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で、前席頭上はRAV4と同等の180mm(RAV4 185mm)、後席頭上は120mm(RAV4 180mm)、後席膝周りに280mm(RAV4 210mm)というスペースが確保されていた。

ここで注目すべきは後席膝周り空間で、そもそもbZ4XはRAV4に対してホイールベースが160mmも長いのだから、ある意味、当然ではあるのだが、一方で、ラゲッジルームの奥行きはRAV4が1020mm、bZ4Xが975mmと、RAV4が優位。つまり、パッケージングの考え方として、クロスカントリーテイストを強めた現行RAV4が後席よりラゲッジルームを優先、bZ4Xはラゲッジルームより後席居住性を優先した・・・と言えそうだ。

ただし、後席居住性を優先したかのように見えるbZ4Xのほぼフラットなフロアを持つ後席に実際に着座してみると、確かに膝周り空間はRAV4を上回る広々さがあるものの、上記のようにヒール段差(フロアからシートまでの高さ)がRAV4より40mm低い290mmでしかなく、身長、体形によっては膝を抱えるような姿勢になってしまうのが惜しまれる(後席シートクッション長はRAV4と同じ約500mmと十二分)。ここはRAV4比で全高を60mm低め、空力性能を高めることで、高速走行時の電費をかせぐために致し方なかったところだろうか。

「ワンモーショングリップ&ステアバイワイヤのステアリングがまだ無理なら(円形ステアリングに慣れた人は、最初は送りハンドルもできず、違和感を覚えるはず)、せめて楕円形ステアリングを採用してほしかった」なんて思いながら、2WDのMidグレードの先進感あるダイヤル式セレクターのリングをプッシュしてDレンジにセットし、コーンイン。

最初の1周は、ゆっくりと流す。乗り心地に関してはサーキット路面ゆえ、ここでは断定的なことは言えるはずもないのだが、バッテリー床下搭載、合理的な骨格構造、バッテリーパックを車体骨格の一部として活用した、ボディの高いねじり剛性、上質なタッチ、そして低重心を感じ取ることができる。ステアリングの操舵フィールは文句なくスムーズで、FF車にありがちなトルクステアはしっかりと抑えられていて、アクセルコントロールによる低速域のドライバビリティも文句なしのレベルだ。

意外だったのは加速感で、一言で表すなら重厚にして伸びやか。例えばホンダe、ジャガーI-PACEのような、血の気が引くほどの加速力とは異なる。刺激のないジェントルなモーターフィールと言うべきか。なお、静粛性については、現時点で鋭意、修正中であるとのことで、言及しない(ロードノイズはまずまず抑えられていたが、ざわざわした風切り音などが目立った)。

コーナーでは、タイヤのグリップ力に不満はないものの、ロールは少なくない。乗り心地重視のサスペンションセッティング、18インチタイヤのサイド剛性もその一因と思えるのだが、筆者がむしろ強く感じたのは、ゆったりとしたサイズの前席の背もたれのサイドサポート不足だった。当然、左右にサポート部位はあるのだが、その幅が広く、 筆者だとコーナーで背中が左右に泳ぎ、振られる感覚になってしまうのである。最近のトヨタ車のシートの背もたれ部分は優しく背中を包み込むような形状で、たいしたサポート部分がなくてもサポート感を保持してくれる良さがあるのだが、このbZ4Xの前席ではそれが感じにくかった。

次に試乗したのはHighグレードの4WDモデル。サーキットの走行では、さすがにスバルとの共同開発が生きる前後重量配分、RAV4 HV比-約50mmの低重心化がモノをいう走りを見せてくれることになった。こちらもまた、サーキットでの全開加速であっても、加速感は刺激性の薄い、気づけば日本の高速道路の上限を超える速度にジワジワと達している・・・という感じとなるのは2WD同様だが、例えば0-100km/h加速において、2WDより速いことは間違いない。

そしてコーナーでの振舞いはさらにレベルアップ。後輪をもモーター駆動する4WDによるさらなる安定感、姿勢制御の巧みさ、曲がりやすさ、そして前後重量配分の良さを存分に味わえることになる。コーナーでタイヤがグリップを完全に失うような走行はしていないが、勢いよくコーナーに飛び込み、タイヤが滑り出して横滑り防止装置がアラームを鳴らす場面でも、進路を乱されるようなことはない。

ただただクルマ任せにしていれば、コーナーを安心感たっぷりにクリアできてしまう頼もしさがあった(もちろん、タイヤの限界はある)。Xモードを備えた4WDはもちろん、雪道や悪路で威力を発揮してくれるに違いないが、オンロードのドライ路面でも、その実力をいかんなく発揮してくれるというわけだ。

ところで、bZ4Xには回生ブーストという、いわゆるワンペダル機能が備わる(ON/OFF可)。アクセルペダルを緩めるだけで回生ブレーキによる減速度を得られる機能だが、他社のワンペダル機能に比べ、実にスムーズかつ穏やかで使いやすいリニアな減速度にチューニングされている。

トヨタによれば、80km/h以下なら、アクセル操作のみで走ることができると説明されているが、完全停止こそしないものの、「ワンペダル嫌い」の筆者でも、これなら違和感格なく使える!! 使いやすい!! 思えたのも本当だ。

今回、2WDのMid、4WDのHighグレードの2台のbZ4Xプロトタイプに試乗することができたのだが、BEVユーザーが電費に気遣い、ゆったり、ゆっくりと運転している限りは、2WDと4WDのドライブフィールにほとんど差がないと言っていい。

が、4WDの前後2モーターによるパワーフィール、オンロードで強く実感できるさらなる安定感、曲がりやすさ、そして何と言っても雪国での信頼が厚いスバルのXモードと新設定のグリップコントロールがもたらす雪道、悪路での走破性まで考えれば、全天候・全路面対応のオールラウンダーとしての真打ちは、間違いなく4WDということになるだろう。

加えて、BEVの2WDなら、なにもSUVでなくてもいいのでは?と思ったりもした。何しろ、トヨタはあと8年、2030年までにBEVを30車種も投入すると宣言していて、その中には当然、SUV以外の車種もあるからだ。なお、現時点でMIRAIや新型ノア&ヴォクシーに用意されるトヨタ・チームメイト、アドバンストドライブの搭載は予定していないとのことだ。いずれにしても、トヨタが”本気”を見せるbZ4Xの市販車、そしてそれに続くBEVの登場が楽しみでならない。

文/青山尚暉
写真/トヨタ・青山尚暉

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