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コロナの影響による突然の内定取り消し、雇い止め、整理解雇、法的に許される?

2022.03.06

コロナ禍の影響などで会社の経営が傾いたことを理由に、内定取り消し・雇い止め・整理解雇を行う会社が増加しています。

内定取り消し・雇い止め・整理解雇を行うには、それぞれ法律上の要件を満たさなければなりません。

要件を満たさない場合、労働者(または内定者)は雇用契約の存続を主張できる可能性があります。

今回は、内定取り消し・雇い止め・整理解雇の要件や、不当に雇用契約を打ち切られた場合の相談先をまとめました。

1. 内定取り消し・雇い止め・整理解雇の違い

法律上、内定取り消し・雇い止め・整理解雇の3つは、以下のように区別されます。

①内定取り消し

始期が到来していない雇用契約を、使用者側が解約権に基づき解約すること

※内定の時点で、雇用契約が成立すると解されています(最高裁昭和54年7月20日判決)。

②雇い止め

期間の定めのある雇用契約につき、期間満了時の更新を使用者側が拒絶すること

③整理解雇

期間の定めのない雇用契約を、経営悪化等を理由として、使用者側が一方的に解除すること

期間の定めのある雇用契約を、経営悪化等を理由として、期間途中で使用者側が一方的に解除すること

2. 内定取り消し・雇い止め・解雇の要件

内定取り消し・雇い止め・解雇は、無制限に認められるわけではなく、それぞれ以下の要件を満たさなければ違法・無効となります。

2-1. 内定取り消しの要件

内定取り消しの要件は、大日本印刷事件判決(最高裁昭和54年7月20日判決)において、以下の2点が判示されています。

①採用内定の取消事由が、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であること
②採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できること

特に①について、内定を出す段階で、使用者側が調査を尽くせば知ることができた事柄を理由に、後から内定を取り消すことは違法です。

大日本印刷事件判決では、内定者が「グルーミーな印象である」という理由で内定を取り消したことが違法と判断されました。

コロナ禍を理由とする内定取り消しに関しては、少なくとも、内定当時から取り消し時点にかけて、コロナを巡る状況が極端に悪化したなどの事情が必要になると考えられます。

2-2. 雇い止めの要件

契約期間満了に伴う雇い止めは、以下の2点によって法律上の制約を受けます。

①雇い止め法理(労働契約法19条)

以下の2つの要件を満たす場合には、労働者側の申込みにより、雇用契約が更新されたものとみなされます。

(a)以下のいずれかに該当すること

・有期雇用契約が過去に反復して更新されており、かつ雇い止めが無期雇用労働者の解雇と社会通念上同視できること
・契約更新に対する労働者の合理的期待が認められること

(b)雇い止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められないこと

②無期転換ルール(労働契約法18条)

雇用期間が5年を超えた場合、労働者側の申込みにより、有期雇用契約が無期雇用契約に転換されます。

雇い止め法理または無期転換ルールの要件を満たす場合には、労働者は雇い止めをした使用者に対して、雇用契約の存続を主張できる可能性があります。

2-3. 整理解雇の要件

整理解雇の可否は、以下の4要件を総合的に考慮して判断されます。

①経営上の解雇の必要性

解雇をしなければ倒産するなど、整理解雇の必要性が高度に認められること

②解雇回避努力義務の履行

解雇以外の方法によって、経営を立て直す努力を十分に尽くしたこと

(例)
・配置転換
・出向
・希望退職者の募集
・役員報酬のカット
など

③被解雇者選定の合理性

解雇対象者選定の基準が客観的・合理的であり、かつ基準に沿った選定が行われたこと

④労使間での協議

整理解雇の必要性等につき、説明や協議を通じて、労働者側の納得を得る努力を尽くしたこと

整理解雇の4要件に照らすと、コロナ禍で経営が傾いたことが事実であっても、直ちに整理解雇が認められるわけではなく、使用者側は事前に様々な対応を講じなければなりません。

何の前触れもなく「コロナ禍だから」という理由で整理解雇が行われた場合、違法の疑いが強いと考えられます。

3. 不当に雇用契約を打ち切られた先の相談先

内定取り消し・雇い止め・整理解雇によって、不当に雇用契約を打ち切られた場合、相談先としては、弁護士または労働局・労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」が挙げられます。

①弁護士

復職・未払い賃金の支払い・損害賠償請求等に関して、会社との交渉・労働審判・訴訟への対応を依頼できます。

各法律事務所のホームページ・弁護士会・法テラスなどから相談可能です。

②総合労働相談コーナー

労働問題全般について相談できます。

会社に対して具体的な請求を行うことを希望する場合は、弁護士の紹介を受けられます。

各都道府県労働局・労働基準監督署に設置されており、以下の厚生労働省ページから所在地を確認できます。

参考:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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