
会社組織を陰ながら支える経理スタッフ。日ごろ、多数の伝票、数字、データと向き合うこのポジションには、どんな苦労があるのだろうか?
株式会社S&Aではこのほど、経営者510人、経理担当者(労務管理システムを利用していない企業)511人を対象に、経理に関する実態調査を実施した。
バックオフィス(経理)業務で不満を感じやすい業務、1位は「伝票作成とデータ入力」
はじめに経理担当者を対象に「バックオフィス(経理)業務の中で、手間や時間がかかることから不満を感じやすい業務は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「伝票作成とデータ入力(41.7%)」と回答した方が最も多く、以降「領収書の整理(38.6%)」「買掛金と売掛金の管理(35.2%)」と続いた。「伝票」「入力」「領収書」など、典型的な経理業務に多くの回答が集まった。
次に「全てのバックオフィス(経理)業務を人の手で管理するのは無駄があると思いますか?」と質問したところ、9割以上の方が「とても無駄が多いと思う(33.3%)」「やや無駄があると思う(57.7%)」と回答した。ほとんどの現場担当者が、人力での経理業務に無駄が多いと考えていることが明らかになった。
労務管理システムやクラウド管理の導入によって無駄が省けそうな業務、1位は「給与計算」
経理業務の効率は、労務管理システムやクラウド管理の導入によって向上する可能性が高い。
そこで経理担当者を対象に「労務管理システムやクラウド管理に移行すると、大幅に無駄が省けると思う業務はどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、「給与計算(税金計算や社会保険料計算を含む)(47.3%)」と回答した方が最も多く、次いで「帳票書類の作成(行政関係など)(45.6%)」「出勤履歴(勤怠状況)(42.8%)」となった。ここでも、「給与計算」「帳票書類」「出勤履歴」などバックオフィスの典型とも言えそうな回答が多数に及んだ。
続いて、「もし導入するのであれば、どのような労務管理システムやクラウド管理が好ましいですか?」と質問したところ、「操作が簡単(37.0%)」と回答した方が最も多く、次いで「入力作業が少ない(22.7%)」「幅広く管理できる(17.8%)」となった。「操作」「入力作業」など、直接的な作業について手間や労力の削減を期待する回答が多く集まった。
労務管理システムのイメージとは?
ここからは、経営者を対象にした調査を実施する。
「人件費とシステム費への割合はどのくらいですか?」と質問したところ、6割以上の方が「人件費よりシステム費の方が安い(17.7%)」「人件費のみでシステム費はかかってない(49.0%)」と回答した。過半数の経営者が自身の会社で、システム費より人件費に予算をかけていることが明らかになった。
さらに「労務管理システムやクラウド管理を導入すると、どのようなメリットがあると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、「わからない(見当がつかない)(38.0%)」と回答した方が最も多く、次いで「人的ミスが減る(29.8%)」「人件費の削減ができる(23.5%)」となった。
労務管理システムの導入やクラウド管理を検討したことがある人は6割以上
経営者を対象に「労務管理システムの導入やクラウド管理などを検討したことはありますか?」と質問したところ、6割以上の方が「ない(66.5%)」と回答した。
また、「労務管理システムやクラウド管理を導入していない理由として、近いものはどれですか?(上位3つ迄)」と質問したところ、「費用対効果がわからない(41.4%)」と回答した方が最も多く、以降「どれが良いのかわからない(38.4%)」「このままでも良いかなと思っている(33.9%)」と続いた。「費用対効果」をネックに感じている人が多いようだ。
<調査概要>
【調査期間】2022年1月26日(水)〜2022年1月28日(金)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】経営者:510人/経理担当者:511人
【調査対象】経営者、経理担当者(労務管理システムを利用していない企業)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
出典元:株式会社S&A
構成/こじへい