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過激系プロレスラー「ミスター・デンジャー」に聞く部下を上手に育てるヒント

2022.03.01

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回は、1990年代にデスマッチなどの過激なプロレスで注目を浴びた元プロレスラーの松永光弘さんを取材した。現役時代は、通称「ミスター・デンジャー」。1997年に都内下町(墨田区)に「ステーキハウス ミスターデンジャー」を開店した。オーナー、店長として厨房に立ち、仕込みから調理まで腕を振るう日々を過ごしている。

ステーキ店の経営の裏側を生々しく公開した著書『オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わった デスマッチよりも危険な飲食店経営の真実』(ワニブックス)も話題となった。

松永光弘さん

1966年生まれ。高校の頃から相撲、空手の修行に励み、1989年10月FMWにてプロレスデビュー。以降W★ING、大日本プロレスなどの団体を渡り歩き、ファイヤー・デスマッチ、五寸釘デスマッチなど過激な闘いに身を投じる。2009年に引退後は、経営に専念。

Q 本を拝読すると、従業員が長く働くようですね。

松永 現在、正社員が4人で、アルバイトが6人程。そのうち1997年の開店時から勤務するのが1人、開店2年目からが1人います。この2人はもう、25年近く働いているんです。そのうちの1人は16歳で働きはじめ、今は30代半ばになりました。ほかにも、10数年働いている人が数人います。従業員10人のうち、そのほとんどがほかの飲食店の従業員と比べると長く勤務していると思います。たぶん、居心地がいいんでしょうね。

採用の時に私か、妻が面接するのですが、前の職場では人間関係で上手くいかなかった人が多い。例えば、いじめを受けたり。うちのお店では、いじめやパワハラがありませんから。

私が従業員に怒ることは、開店時からほとんどありません。97年から2022年の今に至るまで数えるほどしかないはず。勤務態度などに相当に問題があれば怒ったこともありますが、ここ10数年は従業員の質が高いですから怒るようなことがないのです。

もともと、気が短いほうではないんです。プロレスラーの現役の頃も後輩に叱ったことなんて、ほとんどないんじゃないですか。たぶん、後輩も自分のことを「怒らない人」と見ていたように思います。

Q プロレスラーの頃の動画をYouTubeで観ると、試合中はずいぶんと怖い感じがしますから、「怒らない」のは意外な気がします。

松永 格闘技をすると、怖い雰囲気が体から出るのかもしれませんね。闘争心ですよね。ただ、その怖さや気迫は相手に見せて、威圧するものではなく、自分の心や意識の中で高めるものだと私は思います。

高校の頃には、相撲部に入っていました。全国にも知られた名門で、当時、インターハイで10年以上、団体戦で3位以上になっていました。練習は厳しいけれど、監督は私たちに怒ることをしなかったのです。負けた時にも、決して怒らない。注意はしていましたけどね。きっと、その監督の影響が大きいのでしょうね。怒っても、強くはならないですよ。

うちの店でも同じことが言えます。怒っても、従業員は仕事を覚えません。お皿を割ったとしても、私は叱りません。妻が一緒に働いていますから、お客さんがいない時を見計らい、その従業員に注意することはあります。妻も怒ることはしませんね。

私たち夫婦で役割を決めているわけではないんですが、2人が注意すると、従業員たちが滅入るでしょう。だから、私はめったに何も言わない。経営者が言いたいことを全部言ったら、職場はまとまりません。以前は、多少の不満がありました。従業員の質がよくない時期もありましたから。そんな時も叱ることなく、一緒に仕事をしていくと、しだいに仕事を覚えていき、長く勤務するようになります。職場の雰囲気も変わりますよ。

お店を経営する立場ですから、経営に関する本や動画を見聞きしますが、「怒る人は成功しない」とよく言われているようです。確かにその通りで、「怒る人は上手くいかない」と私も思います。特に人を育てる時には、怒ってはいけないでしょう。怒ったところで、人は育ちませんよ。

Q では、どのようにして育成しているのでしょうか?

松永 できない仕事や向いていない仕事をさせることは、うちではしません。例えば、レジが苦手ならばさせない。できないならば、それで構いません。他にも、たくさんの仕事がありますから。実は、私も今のレジは打てない。以前は、打つことができたんですけどね。

厨房にずっと入り、従業員たちと一緒に仕事をしているから、それぞれの従業員に向いている仕事がわかるんです。お客さんがいない時には、よく話すようにもしています。例えば16歳で入った男性は、洗い物が好きで、1日中、たくさんのお皿を洗っているんです。「ステーキの焼き方を教えようか」と声をかけても、「洗い物がいい」と答えます。1997年の開店の頃から洗い物一筋ですから、「すごいな」と時々、私は言っているのです。本人は満足のようで、がんばってくれています。

厨房でいい仕事をしていた男性が、ある時に「仕込みの仕事をしたい。お客さんがいる表にはあまり出たくない」と言ってきたのです。だから、この店とは別の工場で肉の仕込みをするのですが、そこで黙々と作業をしてもらうようにしたのです。とても、いい仕事をしてくれています。向いている仕事ならば、活躍はしてくれるものなのですよ。それを見つけるのが、経営者の仕事だと思います。

本人が適所を見つけることは簡単で、自分が好きなことをすればいいんです。

問題は、会社がそこに配属できるかどうか。私は、その人が向いている仕事をさせたい。そのためにはまず、一緒に働くことでしょう。オーナーとして見ているだけならば、従業員はついてこない。人間関係がこじれてくるように思います。

大切なのは、怒らないこと。怒ったら、人はついてこない。言いたいことを全部言ったら、壊れますよ。

「ステーキハウス ミスターデンジャー」
東京都墨田区立花3-2-12 田中ビル1F (東武亀戸線東あずま駅近く)
TEL:03-3614-8929

墨田区 立花 ステーキハウス ミスターデンジャー ハンバーグ プロレス パーティー (mrdanger.jp)

文/吉田典史

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