博物館・美術館・科学館のような屋内ミュージアム施設は、天候や気温に左右されず、遊ぶだけでなく学ぶこともできる、子どもにとっても親にとっても魅力的な施設だ。
今回いこーよ総研は、そんな「博物館・美術館・科学館」への来園意向や改善要望について、小学生以下のお子さんを持つ親429名を対象にアンケートを実施し、調査・分析した。
博物館・美術館・科学館への来園、未就学児でも半数以上が経験
博物館・美術館・科学館への来訪経験
そもそも親子で博物館・美術館・科学館のいずれかに訪れた事のある家族はどのくらいいるのか。お子様の年齢によっても回答が変わってくるかと思いますので、今回は未就学児、小学生に分けて集計している。(※未就学児、小学生、両方の子供がいる親(回答者)は集計対象から除外)
まずは「未就学児」の回答から。なんと、半数以上の親子が「来訪経験あり」との結果に。他のジャンルよりも比較的学習要素が強いため、未就学児にはハードルが高そうに感じていたが、実際には未就学児であっても半数の親子は来訪経験があるようだ。
では、「小学生」の場合はどうか。
82%が「来訪経験あり」と回答。やはり未就学児と比べると来訪経験がかなり増える結果となった。小学校にあがると、好奇心も増えて学習意欲が上がったり、夏休みの自由研究などもあるので、必然的に博物館や美術館、科学館といったミュージアム施設に行く機会も増えるだろう。
博物館・美術館・科学館へのおでかけを決めたきっかけ
次に、博物館・美術館・科学館へのおでかけを決めたきっかけについて尋ねた。同様に、「未就学児」と「小学生」を比較して見てみよう。
未就学児の回答でもっとも多かった「SNS」に対し、小学生でもっとも多かった回答は「子供との会話」となった。つまり、未就学児の場合、まず親がSNSで情報をキャッチし、配偶者や子供に提案しておでかけを決めるといった流れに対し、小学生の場合は、子供自身になんらかのきっかけがあり、親と相談しておでかけを決める流れになる。
両者の流れに違いはあれど、「SNS」の割合はどちらも高い傾向にある。やはり今の時代、テレビやラジオ、雑誌や観光案内よりSNSに力を入れる方が効率的と言えるかもしれない。
博物館・美術館・科学館の重視ポイント
つぎに、博物館・美術館・科学館を訪れる際に重視するポイントについて尋ねてみた。
未就学児、小学生ともに7割以上の親が「子どもの知識や興味への教育的影響」を選んでいる。子どもの年齢に関係なく、ミュージアム施設には何らかの教育的影響を期待している親が多いようだ。
両者で差が出ている項目のひとつに「開催イベントへの興味」がある。こちらは小学生の親が特に重視するポイントとなっているようだ。子供との会話がおでかけのきっかけになる小学生には、子供自身が楽しめることがより重要となってくるのかもしれない。この項目は未就学児の親も半数近くが選んでいるので、子供たちがワクワクするようなイベントを開催する事で親子集客の効果も高まりそうだ。
その他、「幼児・乳児への配慮」「混雑状況」に関しては未就学児のほうが10%以上高くなった。未就学児はベビーカーが必要だったり、なにかと荷物が多くなる時期。
ベビーカーが通れるほど通路に余裕があるか、混雑していないかという点は、小学生の親よりも気になってしまうのだろう。通路の広さや授乳室の有無、ベビーカーの貸し出しの有無など幼児・乳児の親向けの情報を公式ホームページに掲載したり、混雑状況をSNSで随時発信することで、より実来訪に繋げられるのかもしれない。
なお、両者とも「入場料金」に関してはそれほど上位にはあがってきていない。無視できないポイントではあるものの、料金よりも子供が興味を持つ内容なのか、教育的に良い影響を与えられるのかといったことの方が重視されるようだ。
初めて行く博物館・美術館・科学館の決定者
続いて、初めて訪れる博物館・美術館・科学館へのおでかけ先を決める場合、誰の意向が強いのかについて尋ねてみた。
すると、両者とも最終的な決定者は「ママ」という回答がもっとも多い結果に。小学生の場合、子供との会話がきっかけにはなるものの、最終的にどこに行くかは「ママ」が決めるようだ。子供の関心を惹きつけられるようなイベントを開催し、ママに情報が届くような仕組みを作る事が重要と言える。
博物館・美術館・科学館へのおでかけ頻度
では、博物館・美術館・科学館へのおでかけ頻度はどの程度なのか。未就学児・小学生それぞれ見てみよう。
両者の回答に大きな差は出なかった。もっとも多かったのが「半年~1年に1回程度」で30%、次点で「2~3ヶ月に1回程度」で25%と続いている。
来訪頻度をあげる施策のひとつとして、前述の重視ポイントで上位にあがった「開催イベント」が考えられる。大規模なイベントになると企画や準備などで手間や時間もかかるが、小規模イベント等で開催頻度をあげ、目新しいものを作り訴求することで、定期的な来訪に繋げられるかもしれない。
調査は、2022月2月7日(月)~2022年2月15日(火)の間に、いこーよ及びいこーよアプリを利用した小学生以下の子供を持つユーザー429名の回答者に対し、調査を行った結果となる。
構成/ino.