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【Licaxxxの読書×鑑賞文・第9回】ドゥニ・ヴィルヌーヴのDUNEについてただただ語る

2022.02.26

■連載/Licaxxxの読書×鑑賞文【第9回】ドゥニ・ヴィルヌーヴのDUNEについてただただ語る

昨年、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画『DUNE/デューン 砂の惑星』が公開した。フランク・ハーバートSF大河小説デューン砂の惑星』を原作とするこの作品。日本でSF小説の中でも他の作品の方が人気がある気がするけど、海外ではだいぶ人気あるらしいこの小説、過去にも何回か映画化、ドラマ化されているが原作の人気に反して映像作品はどうもイマイチうまくいっていない。曰く付きなんて言われてしまう作品の一つである。

見た感想として、大好き!!!だったのだが、見てすぐはどうやって書こうかと迷っていた。今回は過去に挑戦された2本の映画『DUNE』を追いながら、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『DUNE/デューン 砂の惑星』について書いてみようと思う。

この原作の映画化が難しいと言われる理由として、長いというのがネックだったらしい。まずは2013年に公開された「ホドロフスキーのDUNE」というドキュメンタリーを見てみよう。1975年、この小説に惚れ込んでいたホドロフスキーは、めちゃくちゃ気合いと運で凄腕スタッフをかき集め、伝説に残るような超大作を作ろうとしたのだが、そのため膨大な予算と映画の長さも10時間を超える作品になってしまい、結局制作中止に。その頃のコンテやデザイン画、インタビューと共にこの作品の構想から頓挫までを見ることができるドキュメンタリー作品である。

「スター・ウォーズ」、「エイリアン」、「ブレード・ランナー」、「マトリックス」などその後のSF映画に大きな影響を与えたとされる。それが本当なのかは正直なところよくわからなかったが(だって映像化されてないんだから)、このドキュメンタリーを見ると、ストーリーボードの制作にメビウス、SF画家のクリス・フォス、デザイナーのH・R・ギーガーなどが参加しており、見たことない宇宙、乗り物、建物、世界観は確かに大きな影響ありそうです。このドキュメンタリーを見るだけでもかなりの世界観だし、ストーリーボードだけで満足してしまうくらい確かにSFの夢が詰まったような世界だったので、映像化されていたら最高だったろうなと思うけど、10時間越えの映画って、めちゃくちゃな長さだなと(笑)。せめて4本分ぐらいにしてほしい。

さて、そこから紆余曲折ありどの監督やプロデューサーでも公開までたどり着けずにいたが、ようやく監督・脚本デイヴィッド・リンチの『デューン/砂の惑星』が1984年に公開。こちらもラフカット版は4時間以上あったらしく、最終的には2時間にされて公開。そのせいで最後のダイジェスト感がすごく、話がどんどん飛んでいく。やっぱり1本で収めようとするのは無理がある話だ。予算もやはり膨大になってしまうようで、当時の技術では宇宙の様子、建物、乗り物など色々の限界がありセット感がすごいのは否めない...。リンチがこれ!?と思ってしまうようななんだか可哀想な作品に。ただ、衣装や見た目などはリンチの持つ気持ち悪さと趣味が絶妙なバランスが反映されている感じは結構カルトSFっぽく、他にはない作品になっているなと思う。エグめの表現もしっかりはめてきていて、ちょっと背筋が冷んやりする感じになっている。しかしこれが公開されたことに関して、リンチ自身も全然納得していないようで、後で普段使わない名義に変えたりと、もめた感否めない。壮大すぎるエンターテイメントの映像化は当時の技術では厳しかったようだ。

デューン/砂の惑星 日本公開30周年記念特別版 Blu-ray BOX

ここから長さをクリアするため、ドラマ版なども公開されたようだがイマイチ鳴かず飛ばず。そうして2010年代、いよいよ、ついに、ドゥニ・ヴィルヌーヴに白羽の矢が!

過去の作品からも期待大ではあるのだが当時は不安視されていた部分もあったようだ。だが、そんな心配は無用だった。映画「メッセージ」や「ブレード・ランナー 2049」でも見られた壮大な自然でのロケはまさに砂の星! この時代でCGでなくなるべくロケで撮影したらしく、でもそれがまた現代でしかできなかった技。話は思い切って前半部分だけで終わらせることで、見た後の満足感と、続編も見たい感がしっかり。出てくる乗り物、建物、衣装などの世界観も相当な作り込みでホドロフスキーの時代から想像されていた世界観の反映なども感じられ、(というかやっぱヴィルヌーヴのSF、大好きなんじゃーん!という思いが込み上げてニヤニヤしてしまう)ホドロフスキーも満足なんではないだろうかと勝手な妄想を抱く。

そしてその映像を支えるハンス・ジマーの音楽が素晴らしい。どうやら同時期に依頼が来ていた「テネット」の音楽制作を断ってまで作ったという気合いの入れ方。劇伴だけでなくスケッチ版をわざわざリリースする(できる)ほどハンス・ジマーにとっての「DUNE」という存在も大きかったのかなということを想像させる。(ちなみに気合いが入っていたのはヴィルヌーヴのハンス・ジマーだけでなく、ホドロフスキーはピンク・フロイドをばみっていたし、リンチもTOTOとブライアン・イーノなので、3本ともしっかり、音楽も激アツだった)そして何より、ちゃんと続編も公開が決定しているようで一安心。この先も続く物語を、ヴィルヌーヴがどう作っていくのか非常に期待。

文/Licaxxx

Licaxxx
東京を拠点に活動するDJ、ビートメイカー、編集者、ラジオパーソナリティ。2010年にDJをスタート。マシーンテクノ・ハウスを基調にしながら、ユースカルチャーの影響を感じさせるテンションを操り、大胆にフロアをまとめ上げる。2016年にBoiler Room Tokyoに出演した際の動画は50万回以上再生されており、Fuji Rockなど多数の日本国内の大型音楽フェスや、CIRCOLOCO@DC10などヨーロッパを代表するクラブイベントに出演。日本国内ではPeggy Gou、Randomer、Mall Grab、DJ HAUS、Anthony Naples、Max Greaf、Lapaluxらの来日をサポートし、共演している。さらに、NTS RadioやRince Franceなどのローカルなラジオにミックスを提供するなど幅広い活動を行っている。さらにジャイルス・ピーターソンにインスパイアされたビデオストリームラジオ「Tokyo Community Radio」の主宰。若い才能に焦点を当て、日本のローカルDJのレギュラー放送に加え、東京を訪れた世界中のローカルDJとの交流の場を目指している。また、アンビエントを基本としたファッションショーの音楽などを多数制作しており、近年ではChika Kisadaのミラノコレクションに使用されている。
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