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日本酒業界で新規参入を果たしマイクロ酒蔵を創業、LAGOON BREWERY田中洋介さんが老舗酒造会社からの独立を選んだ理由

2022.02.26

2021年、新潟県福島潟の自然豊かな水辺で、「マイクロ酒蔵」を創業した田中洋介さん。視線の先には、多様で元気な日本酒業界の未来を見据える。新規参入が難しい業界に飛び込んだ挑戦のストーリーと、ビジョンを聞いた。

2011年、東日本大震災の跡、「大好きな日本酒で日本を元気にしたい」と新潟の今代司酒造へ。10年勤務するうち、8年を社長として経営に携わった。2021年、経営が軌道に乗ったこともあり、独立して新たに自分の酒蔵をつくることを決意する。

酒造会社の保護などを理由に、日本酒業界への新規参入が認められない状態が、60年以上も続いていた。老舗酒造会社の社長としては理解しつつ、「新らしい造り手のまったくない状態は、業界にとってよいことなのか?」と疑問をいだいていた。

いっぽうで、日本酒の海外マーケットは拡大しており、外国の酒蔵も増えている。日本でも海外向けに限り新規参入が可能になったことが、田中さんの挑戦のきっかけになった。

規制緩和されてからの動きは速かった。その年のうちに、LAGOON BREWERY初めての酒が完成させる。

田中さんのビジョンは自社の成長にとどまらない。おいしい酒をつくることを大前提に、広い視野で日本酒業界全体の未来を描く。

プレイヤーが多いほど多様性が広がり、産業が活性化するのは確かだろう。たとえば各地で個性的なクラフトビールがうまれているように。

規模が大きい事業に、個人が参入するのは難しい。極小規模であることは、田中さんの挑戦の重要なポイントだ。

「水をたくさん使い、ボイラーで化石燃料を利用する。決して環境負荷の少ない事業ではない」と田中さん。自分たちのためにも、サステナビリティへの取り組みは必須だ。

日本酒は国内向けに販売できないが、「その他の醸造酒」に分類されるどぶろく(にごり酒)などの「SAKE」は3月中旬に出荷予定。海外向けの日本酒も、早ければ3月に輸出が開始する見込みだ。

田中さんは軽やかに創業ストーリーを語るが、道のりは平坦ではなかった。特に、製造免許は資金がなければ取得できない、金融機関は免許がなければお金を貸してくれない、というジレンマに。最終的には金融機関が田中さんを信頼したことで、資金調達が成功。また優秀な杜氏経験者である尾﨑雅博さんもジョインし、酒造りがはじまった。

酒造会社は基本的に老舗ばかりなので、開いたばかりの酒蔵の酒を味わうことは、日本人は長らくできなかった。「本当に蔵の酒ができるまでには数年かかる」と田中さん。その数年が貴重な時間なのだ。

酒造会社では経営者と杜氏が別々であることが多い。受け継がれてきた酒を、従業員である杜氏が大胆に変えることは難しいと、田中さんは考える。責任を持つ経営者が酒造りに携わるからこそ、挑戦ができる。

すべてのビジネスにつながるヒント。前述のように田中さんは、日本酒業界の未来を考え、ひいては消費者の生活を変えようとしている。

長い伝統が受け継がれてきた酒造業界と、造り手に対する敬意、そして日本酒への愛情は、今代司酒造で働きはじめたころから変わらない。

前述のとおり、マイクロ酒蔵の成功モデルをつくるのが当面の目標。ゆくゆくは、熱意を持って独立を目指す人たちに経験を積んでもらい、“町のパン屋さんのように“酒蔵がある世界を目指す。

LAGOON BREWERY

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取材・文/ソルバ!
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