
ストレス軽減のツボは耳に隠されていた!
東京医療保健大学の調査によると、コロナ禍によって睡眠の悩みを抱えている人は増えており、調査対象である20〜60代の男女の7割近くにのぼっている。
睡眠の悩みの増加原因として挙げられている要素は、ストレスの増加や体を動かす機会の減少。こうした「気疲れ」を解消するひとつの良い対処法としてすすめられるのが、精神的ストレスを司る筋肉を刺激することだ。
精神的緊張を緩めるのに効果的な筋肉が集まっているのが耳周り。耳周りの筋肉を緩め、効率的にストレスケアをする方法を紹介する。
ストレスに関わる筋肉が集まる耳周り
耳の周りには、側頭筋、胸鎖乳突筋、咬筋などが位置している。こうした耳周りの筋肉群は、精神的ストレスによる無意識の噛み締めなどにより緊張し、血流が低下して硬くなる。
自律神経には全身の筋肉の緊張度合いをモニターして反応するフィードバックシステムのようなものがある。こうした耳周りの筋肉群が緊張していると、自律神経系は「いま精神的に緊張していなければならないときなんだな」と判断して緊張状態を維持するのだ。
こうなってしまうと、精神的緊張と筋肉の緊張の悪循環になってしまう。自律神経系は眠るときになっても緊張のスイッチをオフにしてくれなくなるので、眠るときも心身は緊張したまま。すなわち、睡眠の質が低下する。本人は前日の疲れがリセットされないまままた一日のストレスを受け… の繰り返しだ。
この悪循環を断ち切るコツは、耳周りの筋肉群を直接緩めてやることだ。
耳を揉んで、回して、引っ張って
耳周りの筋肉を緩めるには、耳(耳介)を刺激してやるのがいい。
耳を揉み、根元からしっかり掴んで引っこ抜こうとするような感じで、回したり引っ張ったりする。正しい姿勢でやるのが大事なので、普段猫背になったりどちらかの肩が上がったりしている人は鑑を見て姿勢を整えながらやってみよう。耳の根元のほうでつながった筋肉群が刺激される独特の感覚を味わえるだろう。
左右からしっかり耳たぶを引っ張った状態で、ゆっくり「あぐあぐ」とアゴを開け閉めすると、咬筋が効果的にストレッチされる。耳(耳介)の上の角のほうを左右に引っ張ったままアゴを開け閉めすれば特に側頭筋をほぐすことができる。※アゴを急激に開け閉めしたり、無理に大きく開けたりしないこと。アゴを痛めたり、アゴを外してしまう危険がある。
耳が温かくなり、側頭部や首筋、肩のあたりまで温まってゆるんだ感じがしたら成功だ。
耳からとろけていくような眠りを。「ナイトミン 耳ほぐタイム」
あまりにも疲労困憊していると、「自分で耳を揉むのさえ億劫、一刻も早くベッドに入りたい」という気分になることもあるだろう。
筆者が感激した商品に、小林製薬の「ナイトミン 耳ほぐタイム」がある。耳栓のお尻に小さな使い捨てカイロのような発熱体が入っていて、周囲の騒音を遮断しながら耳をじんわり温めて深い眠りに導いてくれるものだ。
商品ページ:
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/nm_mht/
耳からトローッと全身が緩んでいくような感覚に浸っているうちに、気づいたら眠りに落ちていた。気に入って買い足そうとしたら人気なのか近くのドラッグストアでは売り切れてしまっていたので、思わず通販でまとめ買いしてしまったほどだ。
最近眠りの質が悪くて、それが精神的ストレスによるものだと自覚がある人は、ぜひ一度試してみてほしい。筆者は医師から処方してもらった睡眠導入剤も使うことがあるが、この耳ほぐタイムは薬理的に作用するわけではないので安心して使える感じがしている。
耳から心身の健康維持を
耳ほぐしはリモート勤務の人だけでなく、神経を使う仕事で精神的ストレスがたまっている人にも向いている。
耳まわりの血流をアップしておくと気圧の変化に対処する力がアップするので、耳ほぐしは気圧の変化に連動した頭痛が出やすい人にもおすすめだ。
耳ほぐしをセルフケアの習慣として取り入れて、コロナ禍の気疲れを克服しよう。
文/ヒルダ
自身の豆腐メンタルを克服しようと情報を集めまくっているうちにやたらとメンタルヘルスに詳しくなってしまったライター。
編集/inox.