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炎上せずにバズらせるマーケティングを実現する3つの評価観点

2022.02.23

企業のマーケティング担当者にとって、自身が運用しているSNSなどでは炎上したくないけどバズってほしいという願いがあるだろう。そもそも「炎上させずにバズらせる」は実現可能なのか、専門家に尋ねた。

「炎上させずにバズらせる」は実現可能か

SNSなどでキャンペーンなどを打つときに「炎上しないけどバズる」は実現可能なのだろうか。

企業のリスク管理に詳しい日本リスクコミュニケーション協会の代表理事である大杉春子氏は次のように話す。

【取材協力】

大杉春子氏
日本リスクコミュニケーション協会 代表理事
PR会社(レイザー株式会社)代表 民間企業・地方自治体・省庁などのパートナーとして、PR戦略の策定から広報物の制作監修まで支援。SDGs/ESG視点からの「攻める」コミュニケーション戦略と、「守る」レピュテーション・リスク管理の2軸から広報の施策をサポート。2020年に専門家らとともに、日本リスクコミュニケーション協会を設立し、リスク管理から危機管理広報までを網羅した、リスクコミュニケーション人材の育成を展開。
https://www.rcij.org/

「1億総メディア時代の現代において、どのようなマーケティング活動でも、炎上するリスクは必ずあります。私たちの実生活でも好き嫌いがあるように、万人に賞賛されるプロモーションはありません。しかし炎上のリスクを最小限に抑えて、万が一、炎上してしまった場合の対応策を準備しておくことは可能です。

炎上を必要以上に怖がる必要はありません。炎上するメカニズムや実態を知り、予防策を講じればリスクコントロールが可能になります。準備を行えば、万が一、炎上させてしまった後でも対応次第で事態を好転できるケースになる可能性もあります。

さらに、難易度は少し高くなりますが、企業としてスタンスがしっかりしていれば、ナイキの差別問題を提起した広告のように、賞賛と非難する声の意見が大きく分かれても、あえて謝罪しないという毅然とした姿勢を世の中に示すことも、個人的にありだと考えます。

マーケティング活動におけるリスクをどれくらい取るか、そのためにどのようにリスクを管理するか、その2点が明確になれば『炎上を怖がらず攻めのマーケティング活動の実行』は実現可能です」

炎上を怖がらず攻めのマーケティング手法

大杉氏は、炎上を怖がらず攻めのマーケティング活動の具体的手法について、次のように述べる。

「炎上させないマーケティング活動は、これまで企業が行ってきた(1)ファクトチェック、(2)リーガルチェックに加え、第3の『レピュテーション(評判)リスクチェック』の評価観点が必要です。

そのためには、常に世の中の動きや他社の事例をウォッチすることが必要です。なぜなら炎上リスクのトレンドは変化がとても早いので、例えば半年前には炎上しなかったコンテンツも、今日は炎上する可能性が高まるというケースがあるからです。

そのためには多様性のあるチームで、このレピュテーションリスクを評価する仕組みを組み込むことをおすすめします。また、逆説的ですがリスクトレンドを追っていると、バズる話題づくりへの感度も高まります。例えば、最近はSDGs/ESGの関心の高まりから、人権や環境へ配慮していない企業活動が批判されるリスクが高まっていますが、逆に配慮しているポイントがあれば世の中の注目を集めやすくなります。

そして最後に、炎上してしまった場合の対応策を平時から準備しておくことが何よりも大切です。対応策がしっかりあればマーケティング担当者も安心して『バズる』プロモーションをばんばん打ち出せるでしょう」

●レピュテーションリスク評価のポイント

1.マイノリティ、ジェンダー等への配慮が十分か?

「女性蔑視、女性軽視と取られる内容になっていないか。ジェンダー別の役割について価値観の押し付けと受け取られないか。国籍、人種、年齢などの区分による差別的表現ではないか、などマイノリティへの配慮を行う必要があります」

2.プロモーションの一部分を切り取られても、批判の対象にならないか?

「全体としての文脈は問題ないが、一部分だけ切り取られて炎上する可能性があることを念頭に、確認する必要があります」

3.使用している単語は適切か? その内容を発表する日時は適切か?

「放送禁止用語、差別用語など使用していないか、グローバルカンパニーであればプロモーションを行う国の終戦記念日など、不適切な日程を選択していないかということの確認が必要です」

4.最新の炎上トレンドに配慮できているか?

「積極的に国内外の事例を取集し、最新の炎上トレンドに配慮がなされているか確認しましょう」

5.万が一炎上しても、世の中に伝えたいメッセージのストーリーや背景を説明できるか?

「炎上したときに対応の方向性を決めるといった際、これが説明できるとサポートになります」

炎上を逆手にとって危機を好転させた事例

炎上してしまった後、それを逆手にとって危機を好転させた事例があると大杉氏。海外事例となるが、ぜひ押さえておこう。

「アメリカの連続テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』の続編"And Just Like That ..."の第一話で、主役キャリーのお相手であるミスター・ビッグが、アメリカで人気のエクササイズバイク『Peloton(ペロトン)』を45分間ライドした後、心臓発作で死亡するという衝撃的な展開となりました。シリーズの初放送後、ペロトンの株が一晩で11%と驚くほど急落し、ブランドにとって大きいダメージとなりました。しかしその数日後、ペロトンは立ち直ります。この騒動に対し、ペトロンは迅速かつ柔軟に以下の対応をとったのです」

1)心臓専門医の声明を発表し、ファンの苦悩を認め、サイクリング後に心臓発作を引き起こす可能性のある実際の健康問題を指摘。ペロトンの自転車の使用と不使用によって心臓発作を避ける方法を要約し発表。

2)広報担当者を通じて、ペロトンの自転車が番組内でどのように使用されるかは知らされていなかったことを宣言。

3)ミスター・ビックとペロトン社の人気自転車インストラクターが自転車に乗ることについて語り合う「He's Alive」というタイトルのCM広告を公開。

「結果として、ペロトンはファンへの共感と理解を示し、事実を明らかにし、ブランディングを駆使して、ストーリーを有利に展開させることに成功しました。ドラマチックなCM広告は、Twitterで45,000以上の『いいね!』を獲得し、ビッグの死は、ペロトンのマーケティング戦略の一部だったのではと推測する人も出るほどでした。ぺロトン社は過去に自社の広告が炎上した経験があり、それが今回の対応策に活きていると思われます。

アメリカやイギリスではコミュニケーション戦略におけるリスク管理はスタンダードです。この分野では数年遅れをとっているとされる日本では、今後注力すべきことではないかと考えています」

次なる時代は、炎上を怖がりながらマーケティングを行うのではなく、炎上リスクを正確にとらえ、対応策を準備しておく。これが重要になってくるようだ。

取材・文/石原亜香利

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