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「焼き芋と人がととのう温度は同じ」6つの仕事を手がける兼業熱波師・天谷窓大さんが目指す人をつなぐ熱波道

2022.02.20

(本人提供)

天谷窓大さんは、6つの仕事を持つフリーランスです。

ライター、構成作家、フードイベントディレクター、焼き芋アンバサダー、デブカリ(1時間2000円でデブが借りれるサービス)さらには熱波師と、仕事のジャンルもさまざま。焼き芋の専門家として『ヒルナンデス!』(日本テレビ)に出演されたこともあります。

熱波師としては、2020年にファンタジーサウナ&スパ おふろの国で「復火拳一」名義でデビュー。熱波師になるまでサウナが特に好きだった訳ではなく、お風呂のおまけぐらいにしか思っていなかったと天谷さんはいいます。しかし、気付けばすっかり熱狂の渦に巻き込まれてしまったそう。

今回の取材では、そんな天谷さんの熱波師としての技術や、熱波師になったきっかけを伺いました。

「焼き芋と人がととのう温度は同じ」

熱波師には、人によってさまざまなスタイルがあります。温まってもらうことを重視する人、熱波前のトークで盛り上げる人、仰ぐ技の美しさを追求する人。

さらに、熱波師は別に本業を持っている人がほとんどです。ライター、エンジニア、主婦など、その職種もさまざま。本業のエッセンスが熱波師のスタイルにもにじみでていると天谷さんはいいます。

焼き芋をはじめとする菓子・食品のコンセプト企画やPRを行う天谷さんは、自身の活動を絡めたトークを熱波の前に行い、サウナに来たお客様を楽しませます。

「焼き芋のデンプンが糖分の甘み成分に変わるのって、70度から80度ぐらいなんです。つまり、サウナの温度と同じ。人がととのう温度と焼き芋がととのう温度は同じなんです。焼き芋屋の技術を活かして、今年こそは『サウナ焼き芋』を作ろうと思っています」

トークで十分に場を温めたあとは、いよいよ熱波を送る時間。もちろん妥協はありません。

「タオルを振るときのフォームや力の入れ方を工夫して、ひとりひとりに満足いく風を受けてもらえるよう意識しています。バシッと正面から強い風を当てる。サウナの時間をより濃厚に感じてもらいたいんです」

知人の店で焼き芋のフルーツサンドを食べる天谷さん(本人提供)

熱波師になるきっかけは、ラジオのレギュラー番組

もともとは制作会社で働くサラリーマンだった天谷さん。そのとき企画運営に携わったイベント「品川やきいもテラス」がきっかけとなり、多くの焼き芋屋さんや企業とつながります。個人で仕事を依頼されることも増えてきた天谷さんは、独立を考えるように。

独立の決め手になったのは、ラジオ番組『もっとつながるFM』(ミュージックバード)へのレギュラー出演。このラジオ番組が熱波師になるきっかけにもなります。

「サウナの雑誌を作っている人をゲストにお招きする回があったんです。その他にもサウナでたくさん面白い仕掛けをしている人で。熱波師の基本的な技術を教える『熱波師検定』を開催しているから、今度来てくださいと誘ってもらって。面白いなと思ったので、軽い気持ちで行きました」

その人こそが、「ファンタジーサウナ&スパ おふろの国」店長、林和俊さんでした。サウナ運営者とサウナ好きで作る業界紙『月刊サウナ』の発刊や、熱波師が技術を競う「熱波甲子園」主催、おふろアイドル「OFR48」プロデューサーなど、サウナや温浴施設の発展に尽力されています。

一度顔を出してから、あれよあれよという間にスタッフ側に回っていたと天谷さん。わずか2ヶ月で熱波師としてデビューしました。

「熱波師を最初に体験してみたら、すごい面白かったんです。その後も何度かお試しでやらせてもらううちに、本格的に極めたいなと思うようになって。シフトに入らせてもらえませんかと相談して、アルバイトとして働くようになりました」

天谷さん(左)と林和俊さん(右)(本人提供)

天谷さんは、熱波師として活動するようになってから、サウナの良さにも気がつきました。

「サウナ、水風呂を終えて外気浴をしていると、全身の血の巡りが良くなる感覚があります。血の巡りが良くなると、くよくよしなくなるんです。気持ちに余裕ができて、悩んでもしょうがないことをやり過ごせる。

悩んだり落ち込んだりすることって、血の巡りで解決できるんだと思うようになりました。温泉も好きなのですが、今はサウナがもっと好きですね」

熱波師は、個性的な人との触れ合いが楽しめる

天谷さんが熱波師に惹かれたのは、仕事内容そのものだけではありません。サウナに集まる人も大きく影響しました。

「サウナに集まる人たちって、すごく面白いんです。例えば、おふろの国支配人の林さんは回りをどんどん巻き込んでいくのが得意な人。お店に飛び込み営業に来た人がいつの間にかアルバイトになっていたこともありました(笑)

熱波師の師匠である井上勝正さんは、元プロレスラーで。サウナで作り出す雰囲気がプロレスに近く、それを楽しみにしているお客様も多いです。お客様も個性的で行動的な人が多く、雰囲気がプロレスファンやアイドルファンのそれに近い気がします」

天谷さん(左)とおふろの国の熱波師の師匠、井上勝正さん(右)(本人提供)

熱波にはまる人の中には、熱波師個人を目当てとした「おっかけ」の方も多いそうです。さらに、施設を何件もはしごする人や、1回15分の熱波を受けるために新幹線や高速バスに乗って遠方から訪れる人も。

そんな行動的で個性豊かなお客様と作りあげる空間を味わえることが、熱波師の醍醐味だと天谷さんはいいます。

「熱波師という仕事には、そのときしか味わえない瞬間を作れる面白さがあります。お客様が熱波を受けるときにリアクションをしてくれて。じっくり熱を耐える人や熱波師の個性を面白がってくれる人、『あー効く!』と恍惚の表情を見せてくれる人もいますね。熱波が届いてるんだなあってすごく嬉しくなるし、人とのふれあいが楽しめるんです。

蒸気を起こすとき、『ネーネーネー、パーパーパー』と、みんなで“サウナの賛美歌”を唱えます。全員で一丸となって場を作りあげている感覚は、この仕事の一番の醍醐味ですね。おふろの国の場合サウナの定員は最大17名なのですが、17名だけが秘密を共有している共犯関係のようなイメージがあります」

「サウナとサウナ以外のものをつなげたい」

(本人提供)

天谷さんは、人とのふれあいが楽しめる熱波師の仕事に魅了されました。熱波師に限らず、フリーランスで仕事をする上でも、人とのつながりを大切にされています。

「これまでも、人とのつながりがきっかけで新しい領域に挑戦してきました。やみくもに働くのではなく、フリーの仕事をしていく上で面白い人に出会い、その人たちの領域で一緒にやらせてもらう。仕事の幅も広がって、さらに面白い人に出会って……と、素敵な循環が生まれています」

最後に天谷さんの熱波師としての目標を伺ったところ、兼業で熱波を行う天谷さんならではの答えを聞くことができました。

「他に仕事を持つ兼業の熱波師として、サウナ好きの方がいるさまざまな業界とサウナ業界をつなげる活動をしたいと思っています。現在も『月刊サウナ』で他の業界とサウナ業界の似た取り組みを紹介しているんです。

熱波師としての活動を接点として、サウナとサウナ以外のものをつなげる役割を担っていきたいですね」

今、日本はサウナブームといわれていますが、利用者が大幅に増えている訳ではありません。一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所の2017~2020年の調査によると、2020年に初めて、「温冷浴を聞いたことがある」が42.9%で「温冷浴を知らない」41.1%を上回りました。しかし、「温冷浴を実践している」は15.9%と実践する人は少ないのが現状です(男性5015人、女性4985人へのインターネット調査)(注1)。

サウナを一過性のブームではなく文化として定着させていくためには、天谷さんの活動のように他業界とのつながりを作っていき、サウナの良さをさらに広めていく必要があると感じます。

もちろん天谷さんは熱波師としての自らの技術にもまだまだ満足していません。

「タオル回しなどのパフォーマンスが得意な熱波師も増えているのですが、僕は愚直にいきたいと思っています。タオルを垂直に振り下ろす技術のみ。いかにお客様に芯まで温まってもらうかを追い求めていきます」

天谷窓大さん
Twitter:@amayan

ファンタジーサウナ&スパ おふろの国
住所:神奈川県横浜市鶴見区下末吉2-25-23
電話番号:045-585-4126
公式サイト:http://ofuronokuni.co.jp/
Twitter:@furokuni

〈参考〉
(注1)一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所 「サウナの日リリース2020」

取材・文/戸田孝弘(Twitter:@tobio932189)


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