
クルマやバイクのタイヤに空気を入れるのは、意外に手間を取る。
自転車ならまだしも、クルマとバイクのタイヤは適切な空気圧を保っていなければならない。これは空気が少なすぎてもダメだが、逆に多くてもダメということだ。従って、空気入れには空気圧を測定する装置がなければならない。
だからこそ、大抵の場合は業者にクルマを持っていって空気を入れてもらう。が、手軽にできるならば自前でやるに越したことはない。
超簡単空気入れ!
筆者はほぼ毎日バイクに乗る。気晴らしに何十kmか走ってみる、ということもしばしばだ。
ただ、整備自体はほぼ業者に任せている。タイヤの空気入れも月1度、業者にバイクを持っていく形で済ましてしまう。これを自分の手でやれないものか、というのは前から思案していた。
そんな時、クラウドファンディングMakuakeにこんな製品が出展されていた。電動空気入れ『Quupo』というものらしい。USB充電式の電動空気入れという触れ込みだ。
『Quupo』にはプリセットモードが内蔵され、用途に応じた項目を選択できる。たとえばバイクのアイコンを選べば215kpaまで空気を入れられるようになる。そのあたりが、バイクにとっては適切な空気圧とのこと。もちろん、自分で数値を入力することも可能だ。
あとはエアホース先端のコネクターをタイヤの空気注入口にセットし、スイッチオン。「ドドドドド」という威勢のいいモーター音が発生する。そしてタイヤへ空気が送入されていく。上記の通り空気圧が215kpaに達したら、自動的に機能が停止する。
スマホみたいなサイズ
『Quupo』は決して大掛かりな装置ではない。
サイズは162×76×42.5mm。厚みはともかく、長さと幅はスマホのそれと大差ない。片手で扱える大きさだ。まるで固定電話の受話器のようでもある。重量は480g。
普段は家の片隅に置いても、決して邪魔にはならないだろう。たまにこの『Quupo』を取り出して、圧をチェックしながら空気を補充する。バイクでのロングツーリングに臨む際、タイヤの状態を確認するために『Quupo』を使うのもいいだろう。
小型ゆえの利便性が十二分に発揮された『Quupo』。筆者としては、一刻も早くカー用品店の棚に並べるべきだと強く提言したい。中古バイク販売店でもいいだろう。これがあれば、ツーリングの不安がひとつ除去できるからだ。
空気圧調整はこれひとつで!
タイヤの空気圧は、路面状況に応じて調整しなければならない時もある。
たとえば路面が凍結している場合、あえてタイヤの空気を少しだけ抜く場合も。すると接地面が広がり、グリップも強くなる。もちろんこれは応急的な措置で、一番いいのはスリップに強いスタッドレスタイヤを装着することではあるが。
ともかく、こんな時にこそ『Quupo』の出番である。一時的に空気圧を下げ、路面凍結が改善されたら再び元の空気圧に戻す……という細かい作業も、大きな労力をかけることなくこなすことができる。
クルマやバイクがますます面白くなる製品、と形容すれば妥当か。
Makuakeに出資殺到
『Quupo』はMakuakeで出資を募っている。2月14日時点では8960円の購入枠が残っているが、これはもしかしたら記事配信の準備をしている最中に全枠埋まってしまうかもしれない。なお、一般販売予定価格は1万2800円。
現在はバイクブームが訪れて中古価格も上がっているが、この『Quupo』がドライバーやライダーの常識的グッズになる日も近いかもしれない。それだけの可能性を備えた製品、ということはここで強調させていただこう。
【参考】
超小型・超軽量・超馬力・ワンタッチ USB充電式 電動空気入れ“Quupo”-Makuake
取材・文/澤田真一