
「ノートン サイバーセーフティ インサイト レポート2022(オンラインでの出会い篇)」
ノートンライフロックは、インターネット上での出会いや、出会いを装う詐欺「ロマンス詐欺」の実態について、日本国内の18歳以上を対象にオンライン調査を実施した「ノートン サイバーセーフティ インサイト レポート2022(オンラインでの出会い篇)」の結果を発表した。
ロマンス詐欺とは?
ロマンス詐欺は、米国で被害額がトップレベルのサイバー犯罪。アメリカの連邦取引委員会(FTC)が2020年に報告したロマンス詐欺による被害額は、前年比約50%増の3億400万ドル、日本円にして約374億円に達した。2016年から2020年の4年間で、報告件数は約3倍、損失額は4倍以上に増加している。特定の世代だけが引っかかっている、というわけではなく20~70歳の全ての年齢層で増加がみられている。日本でもマッチングアプリ等の場を悪用した投資詐欺などに関する相談件数は、2019年から2020年にかけて2.3倍となっており、深刻な被害となっている。FTCはこの要因として、コロナ禍で人と会う機会が減り、オンライン上でのコミュニケーションが増えたことを指摘している。
日本人の約4人に1人(27%)がマッチングアプリ等の利用経験あり
今回の調査では、日本人の約4人に1人(27%)がマッチングサイトやアプリの利用経験があると明らかになった。
年齢別にみてみると、18~39歳の若い世代では22%と、全体よりも8ポイント低い結果に。一方、40歳以上では37%が利用と、7ポイント高いことが明らかになった。
コロナ禍が後押しし、オンラインで出会える、マッチングアプリ等の普及が進んだ可能性がある。
マッチングアプリ等を利用したことがある日本人の約4人に1人(23%)が、マッチング後に相手のことを調べた経験があると回答
マッチングアプリ等を利用したことのある日本人のうち、約4人に1人(23%)が、マッチング後に相手のことを調べた経験があることが明らかに。
中でも、「SNSのプロフィールを検索(13%)」、「検索エンジンで検索(10%)」といった簡単な方法から、「お金を払って探偵等に調査を依頼する(1%)」という回答も見られた。
さらに、マッチングアプリ等を利用したことのある日本人の約5人に1人(19%)は、相手について調べて得た情報がきっかけで、マッチングを解除したり、デートを断ったりした経験があるそう。
その理由としては、相手が「自分の情報(年齢、身長、所在地など)について嘘をついていることを知った(10%)」、「SNS上で不快な投稿をしていた(5%)」等が上位となった。
インターネット上に情報が溢れる現在、嘘をついているかどうか、検索等で簡単に分かる可能性がある。また、過去のSNS投稿なども見られる可能性がある点には注意した方が良さそうだ。
日本人の約100人に1人が、過去12ヶ月間に、オンライン上で恋愛関係を装って近づく詐欺「ロマンス詐欺」の被害を経験していることが明らかに
日本人のうち約100人に1人 が、過去12ヶ月間に「オンラインで出会った人に金銭を求められ、送金した途端に音信不通になった」や、「オンラインで出会った人に、詐欺の暗号通貨サービスへの投資を強要された」と回答。このような金銭の要求や、暗号通貨への投資の勧誘は、典型的なロマンス詐欺の手口だ。
ロマンス詐欺とは、オンライン上で恋愛関係を装いターゲットへメッセージをし、信頼関係がある程度築けた段階で、金銭を搾取する詐欺。金銭被害だけではなく、自暴自棄や異性へのトラウマなど心にも大きな被害を与えることも大きな特徴。より複雑化した、グループ犯罪も増えており、世界中で横行している。
他のオンライン詐欺に比べ、被害人数は少ないものの、被害額が多いという特徴がある。米国での調査によれば、米国における2020年のロマンス詐欺の被害報告件数が約3万件である一方、被害額は3億400万ドル。
また、ロマンス詐欺の被害者は、その詐欺の性質から「人には話せない」と感じてしまい、警察や周囲へ報告しない場合が多くある。
そのため、今回の調査での被害件数(約100人に1人)も、実際の詐欺件数に比べ、報告数が少ない可能性も考えられる。
ロマンス詐欺のターゲットになりやすいプロフィールの例
家族・パートナーとの写真がない
シングルかもしれない人を探している詐欺師の目に留まる可能性がある。
ペットの写真がある
愛犬家などを装い、ペットの話で近づく詐欺師のケースもある。
車・家・高級品の写真がある
経済的余裕を感じる写真等がある場合、詐欺師の目に留まる可能性がある。
ロマンス詐欺の可能性があるプロフィール、連絡の特徴
「離婚している、家族が亡くなっている」や「子どもの有無」等の状況に関しては、ターゲットの状況に合わせて変更する場合がある。例えば、ターゲットが「離婚していて、子供がいる」場合には、詐欺師も同様の状況を装ってくることがある。
この調査は、ノートンライフロック社の委託を受けたThe Harris Poll社が、18歳以上の1,000人 (うち295人がマッチングアプリ・サイトを利用経験あり)を対象に日本国内でオンライン調査を行なったもの。調査は2021年11月15日~12月7日に実施。データは人口の実際の割合に沿うよう、必要に応じて年齢、性別、人種/民族、地域、教育、雇用、収入、婚姻区分、インターネットの利用状況、言語能力、世帯規模、世帯収入、社会経済的状況、地域、オンラインになる傾向によって加重している。理論的サンプリング誤差は考慮されていない。
関連情報:https://www.nortonlifelock.com/jp/ja/
構成/DIME編集部