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元サッカー日本代表・鈴木啓太さんに学ぶ「聞く技術」【前編】

2022.02.15

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回と次回では、プロサッカー浦和レッズでスター選手として活躍し、日本代表にも選ばれた鈴木啓太さんを取材した。現在は研究開発型のベンチャー・AuB(オーブ)株式会社の代表取締役としてサプリメントの製造販売を手掛ける。

テーマは、「聞く技術」。ビジネスでは上司や部下とのやりとり、顧客との商談、外部スタッフとの打ち合わせなど、相手に自分が知りたいことを聞く機会は多い。だが、これは相当に難しい。いかに聞きたいことを聞き出すか、そのノウハウなどを伺った。

鈴木さんは2020年11月に自身のYouTubeチャンネルを開設し、登録者数は12,2万人(2022年2月5日現在)。YouTubeチャンネルが多数ある中、開設1年数か月で登録者数がこれほどに多いのは少ない。現在までに95本程をアップロード。再生回数は30~60万回が多い。

鈴木啓太 / Keita Suzuki - YouTube

対談形式がメインで、鈴木さんがホスト(司会)、サッカーの元選手などがゲスト。例えば、川淵三郎さん(Jリーグの初代チェアマンで、現在は日本サッカー協会の相談役)にリーダーの資質について伺った。中村憲剛さん(元日本代表、川崎フロンターレ)には、理想の監督像をテーマに聞いた。最近では三都主アレサンドロさんや中村俊輔さん、阿部勇樹さんなどが登場している。

鈴木さんは、テレビ番組の「徹子の部屋」(テレビ朝日)を意識しているようだ。サッカーファンはもちろん、経営者や会社員も満足できる内容を目指しているという。「収録の際、まずは自分が聞きたいことをお聞きする。聞き役に徹して、ゲストの持ち味を引き出したい。視聴者の方にもそんなやりとりを楽しんでいただきたい」と話す。

鈴木さんの「聞く技術」とは…。

鈴木啓太 (すずき けいた)
1981年、静岡市生まれ。中学は東海大一中に在籍し、全国中学校サッカー大会で優勝。東海大翔洋高校卒業と同時に、2000年、Jリーグ浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)に加入。ポジションはMF。2006年~2008年は日本代表となり、唯一全試合先発出場を続ける。2015年に引退するまで、16年間浦和レッズで活躍。

2015年には腸内細菌の可能性に着目し、腸内フローラ(腸内細菌の生態系)解析事業を行う研究開発型のベンチャー企業・AuB(オーブ)株式会社を設立。33 競技750人を超えるトップアスリートの腸内を研究したうえで酪酸菌など約30種の菌を配合した、腸内フローラをケアするサプリメント「AuB BASE」と、プロテイン「AuB MAKE」の製造販売をする。トップアスリートの腸内の分析データから独自の特徴を発見し、製薬会社や食品メーカーとの共同研究や自社製品開発を行う。スポーツ、ヘルスケアビジネスの分野でも、積極的に助言やコンサルティング、講演などをする。

Q YouTubeチャンネルでは、ゲストから上手く聞き出していますね。質問は事前に用意しているのですか?アドリブにも見えますが、質問事項がないと司会者として怖くないでしょうか?

鈴木:用意はしてはいますが、収録時の本番ではその質問だけをこちらのペースで次々としないようにしています。あらかじめ用意した質問にゲストが答えるだけでは、内容が深くならないからです。上滑りした話になりかねないですよね。

やりとりが事前にイメージした通りに進まなかったとしても、その時々で柔軟に対応するようにしています。脱線しても、私としては全然怖くありません。事前のイメージの内容よりも、よくなっていればそれでいいと思います。本音の部分を引き出せた方が、価値ある対談になりますから。

Q なるほど。ところで現役時代の頃、新聞や雑誌、テレビの取材を受ける機会が多かったと思います。その時、記者やディレクターなどの取材者は質問をあらかじめ用意していませんでしたか?そのことで困惑する時がありませんでしたか?

鈴木:多くの取材の方が事前に私たちのチームや個々の選手をよく調べたうえで質問をしてくれました。そのことには感謝していましたし、尊敬もしてきました。ただ、困ったこともあります。

例えば、ある時期に私たちのチームに有名な外国人選手がいました。欠かすことのできない、大切な選手です。その選手が出場していない時に、チームが勝てなかったのです。試合後に新聞やテレビの記者から私はインタビューを受けました。おそらく、その選手についてコメントをさせたいのだろうなと思いました。私は、一切彼の話をしませんでした。その時のやりとりは嚙み合わなかったかもしれませんね。

Q なぜ、外国人選手について答えようとしなかったのでしょうか?

鈴木:その外国人選手が出場していれば、試合の展開や結果は違ったものになったのかもしれませんが、代わりに出場した選手がいるのです。それにもかかわらず、私が話せばそこにフォーカスがあたってしまう。だから、あえて答えなかったのです。代わって出場した選手に対しても失礼だと思います。

それでも、事前に調べたうえで質問をしてくれる方には、常に敬意の念を持って接してきたつもりです。日頃から、私たちのことをよく見てくれていると感じる質問には特にありがたく思いました。取材を受ける側からすると、そこに信頼関係を感じるのです。

Q その場合、なぜ、信頼関係を感じるのでしょうか?

鈴木:「自分のことを観察してくれている」と感じる質問は、双方で時間を共有していると捉えることができますよね。取材をする側と受ける側が、過去の出来事を共に把握しているからです。この共有意識があると、質問を受けた時に「自分とは少々、(その出来事への)捉え方が違うな」と感じても、受け入れることができるのです。この信頼関係がないと、心からの本音はなかなか話せないと思うんですね。

私がある政治ジャーナリストの方の話をテレビ番組で聞くと、政治家のことを知り尽くしているように思います。その政治家のことをまるで代弁しているかのように話す時もあります。おそらく、政治家とふだんから共有意識を持ち、信頼関係を作ってきているから本人に代わり、思いや考えを正確に伝えることができるのでしょうね。ただし、ジャーナリズムとして考えると、難しいものはあると思います。

私が聞き手として重視するのは、相手に共感することです。この共感力がないまま、聞こうとしても、いい話はなかなか聞き出せないと思います。

後編に続く。

文/吉田典史

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