
コロナ禍で世の中が大きく変わりました。リモートワークなど、人との接触を減らして感染拡大を防止するのは、もはや当たり前のことになっています。
さらに、インターネットでの通信販売でモノや食事などを購入する機会も増えました。
そんな時に気になるのが、訪問時のインターホン操作でしょう。もしウイルスや菌が付着したら……家族への感染はもちろん、来訪者への感染も防ぎたいものです。
不特定多数の人が触れる箇所を直接接触することに抵抗感や不安を感じる人が増加し、衛生意識が高まる中、大和ハウス工業とパナソニック、アスカネットの3社は、大和ハウス工業が開発中の分譲マンション、「プレミスト津田山」(神奈川県川崎市高津区)のマンションサロンエントランスにて、2022年1月15日より、空中で操作ができるインターホン、「空中タッチインターホン」の共同実証実験を開始しました。
ちょっとした未来感覚が味わえそうだと、DIME編集部テラダとチュウマの2名で、体験してみました。
「空中タッチインターホン」の説明をしてくれたみなさん。左から株式会社アスカネットの大坪 誠さん、大和ハウス工業株式会社の瀬口和彦さん、パナソニック株式会社の猶本陽介さん、大和ハウス工業株式会社の山下信雄さん
完全非接触のインターホンは操作感覚が新鮮
それでは、「プレミスト津田山」の「空中タッチインターホン」の操作をしてみます。
マンションサロンエントランスにはこのように、「空中タッチインターホン」が壁面に設置されています。
「空中タッチインターホン」を正面から見たところです。上にある通常のロビーインターホンを中継機器として利用します。下が空中タッチディスプレイです。
その空中タッチディスプレイに集合住宅のロビーインターホンを経由したデータを表示して、空中で操作。空中タッチディスプレイから送られたボタンの入力情報を信号変換し、ロビーインターホンに戻します。指紋などで汚れることもなく、また、濡れた手や汚れた手でも操作できるようになっています。
従来の操作では、下の画像のようにボタン操作で訪問先の室番号を入力するのですが、
「空中タッチインターホン」は、空中タッチディスプレイの〝空中結像〟に、指で触れるというよりは、指を入れる感じで操作します。
番号が認識されれば、解錠されます。
操作には何ら特別なことはありませんが、その感覚は独特で新鮮でした。
最先端の空中映像技術を活用
今回の実験は、大和ハウス工業とパナソニックが開発した、非接触でも入居者を呼び出せる技術に加え、アスカネットが開発した「ASKA3D」(空中ディスプレイ)と呼ばれる、空中に映像を表示できる特殊光学プレート技術を合わせたものです。
「ASKA3D」は光の反射を利用して空中に映像を表示する最先端の技術です。これに赤外線センサーを組み合わせることで、あたかも指で画面を操作しているような感覚になるのです。
同行したDIME編集部のテラダも、「SF映画やロボットアニメなどで、よく描かれているので、ワクワクしながら空中のボタンを操作しました」とのこと。
編集部チュウマと同じく、押した実感がない……というのが正直な感想のようでした。
編集部テラダは「押すというより、浮かび上がるボタンに〝指を突き刺す〟イメージで、でも、突き刺す場所がずれたり、角度によって見えにくかったり、反応したか否かの確認は、明滅するボタン表示が頼り。ちょっと使いずらいかも……と思いましたが、ガラケーからスマホに替えた時も似たようなことを思った気がしました」ということです。
実際、何度か「空中タッチインターホン」の操作にテラダもチュウマもトライしてみたところ、ふたりとも3回目には手間取ることなく操作できました。要は〝慣れ〟の問題のようです。
この「空中タッチインターホン」は、今回の実証実験を終えたのち、1年ほどで販売される予定と聞いています。実証実験を経て、様々なことが改善されて、使い勝手の良さが増すのが楽しみ……というのがふたりの思いです。
今年の7月くらいまで検証予定なのでお試しください
この「空中タッチインターホン」の共同実証実験ですが、2022年1月15日から6か月程度の検証期間を予定しています。
設置場所は先にご案内したとおり、分譲マンション「プレミスト津田山」マンションサロン(住所:神奈川県川崎市高津区溝口2丁目26番8号)です。
2月上旬現在、コロナ禍ということもあり、マンションサロン見学の予約を行った方のみがこの「空中タッチインターホン」を試すことができるそうです。もしご興味があったら一度、試してみてはいかがでしょうか?
取材・文/中馬幹弘